看板集客 / 2026年9月6日 更新 / 読了目安 約12分

給油所・充電スタンドの看板
走る車に選ばれる5ステップ

これから給油所や充電スタンドの看板を考える方へ。 この場の看板は、止まっている人ではなく、走っている人が読みます。 通り過ぎたら、その車はもう戻りません。 判断できる地点を先に決めることが、面の高さも文字の大きさも決めます。

5手順地点の決め方から直し方まで
5道路から支払いまで
12項目発注前に見る点
この記事でわかること

前面道路の速度から、判断してもらう地点を逆算する手順/ 走行中に読める文字数と、文字の高さの出し方/ 変わる表示と変わらない表示を分ける理由/ 危険物を扱う敷地と、道路まわりで確かめること/ 掲出の年数で総額を割り、1日あたりの台数に直す式/ 通り過ぎた車から原因をたどり、安い順に直す方法

読まれないのではなく、読む時間が足りない

高い看板を立てたのに寄ってもらえない。 原因の多くは、面の大きさではなく気づく地点の遅さです。

起きやすいのは、次の四つです。 高い面に情報を並べ、走行中に一つも読み取れない。 入口の面が建物と平行で、走ってくる車から見えない。 価格や規格を板へ直接入れ、変わるたびに作り直している。 暗くなってからの見え方を確かめていない。

いずれも、発注の前に手を打てば起きません。 地点を決め、面を分け、決まりを確かめ、費用を割り、数えて直す。 この五つを順に埋めます。

Step 1

速度から逆算して、判断してもらう地点を決める

面の高さも文字の大きさも、この地点が決まってから決まります。

前面道路の実際の速度を測る

制限速度ではなく、流れている速度を見ます。路肩に立ち、10台の通過を目で追えば、体感でつかめます。

寄る判断に必要な秒数を置く

気づいて決めるまでに3秒、合図を出して減速するのに3秒。合わせて6秒を確保する前提で組みます。

秒数を距離に直し、地点を地図に打つ

速度を秒速に直して6秒分を掛けます。その地点から高い面が見えるかを、実際に立って確かめます。

見え始める位置を、街路樹と信号の陰で補正する

地図の上では見えても、街路樹や標識柱で隠れます。手前へずらすか、面の高さを上げるかを選びます。

寄るかどうかを決め、合図を出し、速度を落とす。 この一連に、6秒ほどが要ります。

時速60km = 60,000 ÷ 3,600 = 秒速 約16.7m
判断3秒 + 合図と減速3秒 = 6秒
16.7 × 6 = 100.2 → 約100m手前
時速40kmなら 11.1 × 6 = 66.6 → 約67m手前

この地点に、実際に立ってみてください。 高い面が見えなければ、面の位置か高さを直す話になります。

走行の速度秒速に直すと判断してもらう地点
時速60km秒速 約16.7m約100m手前
時速40km秒速 約11.1m約67m手前
時速10km(敷地内)秒速 約2.8m入ってから約11秒

敷地に入った後は、時間の性質が変わります。 徐行を時速10kmと置けば秒速約2.8mです。 計量機まで30mなら 30 ÷ 2.8 で約11秒。 操作や支払いの案内は、この区間で読ませます。

敷地内で車を導く考え方には、業種を問わない型があります。 並べ方は駐車場・入口の案内サインにまとめました。

Step 2

走行中に読める数へ絞り、面を役割で分ける

一つの面が答える問いは、一つだけにします。

高い面は「ここで入れる」を伝えるためにあります。 それ以外は、敷地に入ってからの面へ移します。

答える問い載せない
道路から見える高い面ここで入れるのか営業時間の細目
出入口の面どちらから入るか会社の沿革
車線を分ける面自分はどの列かキャンペーンの案内
計量機・充電器の面何をどう操作するか料金の内訳表
支払いの面どこで払うか注意事項の全文

削る量は、読める時間から決まります。

判断に使えるのは 約3秒
1秒に読めるのを2〜3文字と置く(目安)
3 × 2 = 6 / 3 × 3 = 9 → 6〜9文字

屋号と、業種を表す一語。 高い面は、この二つでほぼ埋まります。

文字の高さを割り算で出す

読ませたい距離が決まれば、高さは計算で求まります。

文字の高さ = 視認距離 ÷ 250 〜 視認距離 ÷ 500
100m先(高い面) → 100,000 ÷ 500 = 200mm / ÷ 250 = 400mm → 20〜40cm
20m先(車線を分ける面) → 20,000 ÷ 500 = 40mm / ÷ 250 = 80mm → 4〜8cm
3m先(操作と支払いの面) → 3,000 ÷ 500 = 6mm / ÷ 250 = 12mm → 0.6〜1.2cm

この幅は、明るい場所で正面から見た値です。 書体、地の色との明暗差、雨や逆光で変わります。 夜間も営業する面は、大きいほうへ寄せてください。 照らし方そのものは看板を照らす照明で扱っています。

変わる表示を、板から切り離す

変わる数字は、差し替えられる作りにする

価格や規格は動きます。板ごと作り直す構造にすると、変わるたびに費用と時間がかかります。

変わらない文字は、板に直接入れる

屋号と業種は動きません。差し替え枠に入れると、枠の数だけ費用が増えます。

差し替えの担当と道具を、先に決める

誰が、どの高さまで、何を使って替えるか。高い位置なら、地上から操作できる方式にします。

数字を板に直接入れると、変えるたびに費用が出る

価格、規格、対応する車種。 この種の表示は、営業している間に必ず動きます。 板へ焼き付ければ、そのたびに板ごと作り直すことになります。 差し替えできる枠にしておけば、中身だけを替えられます。 画面で切り替える方式もあります。仕組みはデジタルサイネージにまとめました。

Step 3

危険物と道路まわりの決まりを確かめる

この敷地では、屋外広告物とは別の手続きが重なります。

燃料や電気の設備を置く敷地には、設備そのものの決まりがあります。 看板の話を進める前に、設備側の届出を確かめてください。

敷地の用途と設備の届出扱う燃料や設備で、必要な手続きが分かれる。
火気と静電気に関する表示掲示する内容と場所が定められている場合がある。
高い面の高さと面積屋外広告物としての上限が地域で異なる。
道路にかかる部分歩道や路肩へのはみ出し、看板の脚の位置。
光る表示の扱い点滅や動く表示が制限される地域がある。
出入口の見通し看板が、歩行者や自転車の視界を塞いでいないか。

屋外広告物としての扱いは、土地によって違います。 県の条例が及ぶ地域と、市が独自の条例を持つ地域に分かれます。 高さと面積の上限、光る表示の可否は、地域ごとに定めが変わります。 要否と様式は、管轄の窓口へお尋ねください。

高い面は、隣の土地からも見える

高くするほど、遠くから読めます。 同時に、寝ている人の窓にも届きます。

向きと明るさを、隣家の位置で決める

住宅が近い側は、面の向きを振るか、明るさを落とします。 消灯の時刻を決めておくと、話し合いの材料になります。 近隣との関係の作り方は看板と近隣への配慮で扱っています。 許可そのものの流れは屋外広告物の許可にまとめました。

看板が、出入口の見通しを塞いでいないか

脚の太い看板を出入口の脇に置くと、歩道を来る自転車が隠れます。 寄る車と、歩道を進む人の視線が交わる位置に、面や脚を置かないでください。
※ 設備の届出、掲示する内容、高さと面積の上限は地域や設備により異なります。着工前に管轄の窓口へお確かめください。

Step 4

掲出の年数で割り、必要な台数を出す

1台あたりの粗利が小さい業態なので、台数まで落とします。

費用が動くところを見る

面の高さ高いほど支柱と基礎が重くなり、工事の規模が変わる。
差し替えの方式手で入れ替えるか、離れた場所から書き替えるかで大きく動く。
面の数出入口と車線を分ける面は、レーンの数だけ増える。
光らせ方内側から光らせるか、外から照らすかで工事の内容が変わる。
更新の頻度年に何度替えるかを、最初に見積りへ入れておく。
撤去と原状回復基礎を抜くか残すか。設備の更新時期と重なると差が出る。

支柱と基礎の作りは、後から変えられません。 構造の考え方は自立看板・ポールサインの立て方にあります。 掲載社が公開している金額は、看板の費用に種類別にまとめました。

月あたりに直し、1日の台数まで落とす

10年 = 10 × 12 = 120か月
一式の総額1,800,000円 ÷ 120か月 = 月15,000円

この1,800,000円は相場ではありません。 割り算の動きを見るために置いた、仮の数字です。

次に、1台あたりの粗利で割ります。

1台あたりの粗利 = 客単価5,000円 × 粗利率0.08 = 400円
15,000 ÷ 400 = 37.5 → 月38台
38 ÷ 30 = 1.26 → 1日1.3台
検算:1.3 × 30 = 39台 / 39 × 400 = 15,600円 → 月15,000円を上回る

看板を見て寄った車が、1日に1〜2台増えれば釣り合う計算になります。 5,000円も粗利率0.08も、仮の置き方です。 自分の平均単価と、直近の粗利率に差し替えて計算し直してください。

粗利率は、扱う商品で大きく動きます。 燃料と、洗車や整備では別の数字になります。 混ぜずに、寄ってほしい客が買うものの数字で計算してください。

Step 5

通り過ぎた車を数えて、入れなかった原因から直す

寄らなかった車のほうが、寄った車より多くを教えてくれます。

通り過ぎた車を数える

手前で減速したのに入らなかった車を、時間帯を決めて数えます。紙とペンだけで始められます。

入った客に、どこで気づいたかを聞く

会計の待ち時間に一言たずねます。「高い看板」か「入口の表示」かで、直す面が分かれます。

自分の車で、判断地点から走ってみる

実際の速度で近づき、6秒の間に読めるかを試します。同乗者に読ませると、はっきり出ます。

支払いで止まった人を控える

計量機や充電器の前で操作に迷った回数を、その日のうちに書き留めます。

上から順に、手間の軽い方法です。 1番目は紙とペンで始められます。

見る時期を決める

1週間入口で迷う車がいるかを見ます。並び方の乱れで分かります。
1か月聞き取りをまとめ、気づかれている面がどれかを調べます。
3か月時間帯ごとの台数を、前の3か月と並べます。
1年色あせと汚れを見ます。掲出の許可の期限を確かめる時期でもあります。

台数は、天候と曜日で大きく揺れます。 連休、雨、近隣の工事で動きます。 3か月でひとまとめにすると、揺れがならされます。

効かないときは、この順で疑う

  1. 1
    判断地点から、自分の車で走り直す

    費用はかかりません。読めない面と、隠れている面がここで判明します。

  2. 2
    面の前の枝と幟をどける

    伸びた街路樹や、自分で立てた幟が下半分を隠していることがあります。

  3. 3
    高い面の文字を6〜9文字まで削る

    既存の面を貼り替えるだけで済む場合があります。走行中に読めるのはこの範囲です。

  4. 4
    入口の面を、進行方向へ向け直す

    角度が数度ずれるだけで、走ってくる車から見えなくなります。

  5. 5
    夜の明るさをそろえる

    面の一部だけ暗いと、暗い側が読まれません。球の切れと汚れを先に見ます。

  6. 6
    判断地点を手前へ移し、面を一つ足す

    直すより、気づく地点を早めるほうが効きます。作り直しは、この後です。

上のほうほど、費用をかけずに手を打てます。 1番から3番は、その日のうちに終わります。 面を作り直すのは、六つを試した後です。

Pitfalls

よくある失敗5パターン

どれも、向きを変えるか、載せた文字を削ることで手当てできます。

失敗何が起きるか直し方
高い面に情報を並べた走行中に何も読まれない屋号と業種の二語に削る。残りは敷地内の面へ移す
変わる数字を板に直接入れた変えるたびに板ごと作り直す差し替えられる枠に切り替える。板はそのまま使う
入口の面を建物と平行に付けた走ってくる車から見えない面の向きを進行方向へ振る。取り付け金具の交換で済む
昼にだけ確認した暗くなると入口が分からない日没後に外周を走り、暗い面を書き出す
差し替えの担当を決めなかった古い表示が残り続ける替える人と道具、替える周期を発注時に決める
Checklist

セルフチェックリスト

発注の直前に使います。5つ以上「いいえ」があれば、見直す余地があります。

  • 前面道路の実際の速度を、路肩に立って確かめた
  • 判断に必要な秒数から、距離を計算して地点を出した
  • その地点に立ち、高い面が見えることを確かめた
  • 高い面に載せる文字を6〜9文字に収めた
  • 読ませたい距離から、文字の高さを割り算で出した
  • 変わる表示と変わらない表示を、別の作りに分けた
  • 差し替える人と道具、替える周期を決めた
  • 出入口の面が、走ってくる方向を向いていることを確かめた
  • 敷地内で操作に迷う場所へ、面を当てた
  • 掲出の許可と、光る表示の扱いを窓口に確かめた
  • 日没後に外周を走り、暗い面がないか見た
  • 掲出の年数で費用を割り、1日あたりの台数に直した
FAQ

よくある質問

給油所や充電スタンドの看板は、何から決めればいいですか?
判断してもらう地点からです。前面道路の速度を測り、そこから距離を逆算します。地点が決まらないと、面の高さも文字の大きさも決められません。
高い看板には、どのくらいの文字を載せられますか?
6〜9文字が目安です。時速60kmは秒速16.7mで、判断に使えるのは3秒ほどしかありません。1秒に読めるのを2〜3文字と置いた計算です。
価格や規格の表示は、どう作ればいいですか?
差し替えられる作りにします。変わる数字を板へ直接入れると、変わるたびに板ごと作り直すことになります。替える人と道具も、発注の段階で決めてください。
危険物を扱う敷地では、手続きが変わりますか?
扱う燃料や設備によって、必要な届出や掲示が分かれます。屋外広告物としての許可とは別の手続きになることがあります。県の条例が及ぶ地域と市が独自の条例を持つ地域もあるため、管轄の窓口へお尋ねください。
効いているかは、いつ判断しますか?
入口で迷う車がいるかは、その週に分かります。時間帯ごとの台数は3か月ためて前の期間と並べます。1か月では天候と曜日の揺れが残ります。
予算が限られる場合、どこから手を付けますか?
入口の面からです。高い面で気づいても、どこから入るか分からなければ通り過ぎられます。向きを変えるだけなら、金具の交換で済むこともあります。

まとめ

走る車に選ばれる看板は、次の順序で決まります。

1 判断地点を決める前面道路の速度を測り、6秒分の距離を逆算して地図に打つ。
2 面を分ける高い面は6〜9文字。操作と支払いは、敷地内の面へ移す。
3 決まりを確かめる設備の届出と、高さ・面積・光る表示の扱いを窓口で聞く。
4 費用を割る掲出の年数で総額を割り、1台あたりの粗利で台数へ直す。
5 数えて直す通り過ぎた車を数え、向きと文字数から安い順に手を入れる。

看板を大きくする前に、気づく地点を手前へ移してください。 同じ面でも、100m手前から見えれば読まれます。

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判断地点も面の数も、まだ何も決まっていない段階で構いません。 高い面の施工まで自社で行うか、差し替えの更新を続けて請け負うか。この二つは比べられます。