看板集客 / 2026年9月5日 更新 / 読了目安 約13分

野立て看板の出し方ガイド
土地を借りて道路沿いに出す5手順

郊外や道路沿いのお店へ。手前の道端に、土地を借りて出す看板の話です。 建てる話より先に、どの土地を借りるかで結果の大半が決まります。

5手順場所探しから見直しまで
5通り効果の測り方
12項目自分で確かめる
この記事でわかること

どちら向きの車に、何km手前で見せるかの決め方/ 土地の持ち主に尋ねる相手と、借りる前に決める5項目/ 屋外広告物の手続きで確かめる項目と、尋ねる窓口/ 走行中に読める量まで削る手順と、文字の高さの早見表/ 借地料と制作費と維持費から、必要な新規客数を出す計算/ 出したあとに測る5通りと、効かないときに疑う順序

野立て看板は、土地探しから始まります

郊外のお店から「道路沿いに看板を出したい」という相談が届きます。 店の敷地ではなく、手前の道端に出す看板です。土地は他人のものですから、借りる話から始まります。 看板の作りを考えるのは、土地が決まったあとです。

決めないまま進むと、こうなります。 店に近い土地を借りたので、見えたときには曲がる地点を過ぎていた。 詰め込んだので、走っている車から読み取れなかった。 期間を決めずに始めたので、数年で外すことになった。 出したあとの見方が無いので、続けるかを判断できない。

場所を決め、土地を借り、手続きを確かめ、内容を削り、年あたりで計算し、測る。 この順なら、地主と業者に何を尋ねるかが決まります。

この記事が扱う範囲

ここで書くのは、他人の土地を借りて、店から離れた場所に出す看板の話だけです。 自分の敷地に立てる看板の高さ、面の大きさ、基礎の作りは自立看板・ポールサインにまとめています。 屋外広告物の扱いは地域で違います。数値は目安です。

Step 1

出す場所を、道の流れから決める

土地を探す前に、どちら向きの車に見せるかを決めます。

見せる車の向き

上り側と下り側では、見える面が違います。店へ向かう側の車線から見える面を先に決めてください。両方向なら、面を2つ持つ形になります。

店までの残り距離

距離ではなく走行時間で考えます。時速60kmなら、1分で1km進む計算です。見てから曲がるまでに1分ほしいなら、およそ1km手前が候補です。

分かれ道との前後

道が分かれる地点を過ぎると、戻るのに時間がかかります。分岐の手前に置くほうが、案内として働きます。地図で前後を見てください。

表示面の向き

走ってくる車と正対する向きほど、遠くから面が見えます。道と平行に近い置き方では、面が正面を向くのは通り過ぎる直前だけです。

手前を遮るもの

街路樹、電柱、先に立っている別の看板。目の高さで遮られていないかは、実際に車で走らないと分かりません。

見えている時間を、距離に直す

1秒に進む距離は、時速を3.6で割ると出ます。 60÷3.6で約16.7m、40÷3.6で約11.1mです。 視界に入っているのは2〜4秒程度が目安ですから、進む距離は次のようになります。

走る速さ1秒に進む距離2〜4秒に進む距離
時速40km約11.1m約22〜44m
時速50km約13.9m約28〜56m
時速60km約16.7m約33〜67m

時速60kmの車が読み終えるのは、数十メートルのあいだです。 信号や坂で速度が落ちる地点なら、時間は延びます。

どこまで手前に出すかも、走行時間で数えます。 時速60kmは1分で1km進みます。60÷60で1という計算です。 曲がるまでに1分ほしいなら、1km手前が候補です。

候補地は、地図でなく車から見てください。 助手席の人に、面が見えている秒数を数えてもらうと早く済みます。

Step 2

土地を借りる話を進める

尋ねる相手と、決めておく項目があります。

誰に尋ねるか

土地の持ち主です。分からないときは、登記の記録から所有者にたどり着けます。近くの不動産会社が管理している場合もあります。

借りる期間

何年借りるかを先に決めます。制作費を年あたりに直すとき、この年数がそのまま割る数になります。決めないと計算できません。

更新と、終わったときの戻し方

期間が来たときの扱いと、外したあと地面をどこまで戻すかです。基礎を残すのか掘り起こすのかで、撤去の費用が変わります。

電気を引けるか

夜も光らせるなら電源が要ります。引ける経路があるか、電気代を誰が払うか。借りる前に確かめておく事柄です。

出入りできるか

貼り替えや点検のとき、人と車が入れる必要があります。作物や資材が置かれる時期があるなら、先に聞きます。

持ち主を調べ、用途を伝え、条件を詰める。この順で話します。 用途は、大きさと高さ、地面をどう使うかを紙1枚にまとめて渡します。 地主が知りたいのは、自分の土地がどうなるかです。

電気の話は先に済ませます。引ける経路が無い土地では、夜に光らせる案が消えます。

借りる話は、書面で残してください

口約束のままだと、地主が代わったときに続けられるかが決まりません。 期間、更新の扱い、外したあとの戻し方、電気の負担。この4つは書いておきます。
条項の立て方は土地や事情で異なります。文面の判断は専門家にご確認ください。

Rules

屋外広告物の手続きを確かめる

土地を借りられても、そのまま出せるとは限りません。

道路沿いに広告物を出すときは、屋外広告物の決まりが関わります。 県の条例が適用される地域と、市が独自の条例を持つ地域があります。 どちらに当たるかで、尋ねる窓口が変わります。

出せない区域か広告物を出せない区域が定められていることがあります。
許可が要る区域か区域によっては、出す前に許可を取る決まりがあります。
大きさと高さの上限面積や高さに上限が置かれていることがあります。
許可の期間許可には期限があり、続けるなら更新の手続きが要ります。
道路に近いとき道路の区域にかかる場合は、道路を管理する側が関わります。
土地の用途土地の使われ方によっては、別の窓口が関わることがあります。

区域の線引きも、上限の数字も、ここには書けません。地域ごとに違うためです。 許可の更新時期は、借地の期間と合わせておくと管理が楽になります。

出す前に、管轄の窓口へご確認ください

この記事では、届け出が要るかどうかを判断できません。 土地の場所と、大きさや高さが分かる図があれば、窓口での話が早く進みます。
手続きに慣れた看板業者は少なくありません。相談の段階で扱えるかを尋ねてください。 申請の流れは屋外広告物の許可にまとめています。

Step 3

走行中に読める内容へ削る

足す作業ではありません。落とす作業です。

載せる要素は3つまでにしてください。 何の店か、店の名前、あと何kmか。この3つで用は足ります。 4つ目を足した瞬間に、1つ目の読み取りが遅れます。

一目で読み取れるのは十数文字までが目安です。 書体の太さ、背景と文字の色の差、照明の有無、天候で上下します。 時速60kmで2秒なら33m、4秒なら67m。この距離で読み終わる量が上限です。

文字の高さを、距離から計算する

必要な文字の高さは、読ませたい距離の1/250〜1/500が目安です。 100m先なら、100÷250で40cm、100÷500で20cm。20〜40cmになります。

読ませたい距離1/500のとき1/250のとき
50m先約10cm約20cm
100m先約20cm約40cm
150m先約30cm約60cm
200m先約40cm約80cm

細い書体、色の差が小さい配色、照明の当たらない面。 当てはまるなら、大きいほうの数字に寄せてください。

表示面の角度で、読める時間が変わる

同じ大きさでも、向きが変われば見えている距離が変わります。 正対する向きなら、遠くから面が正面を向いています。 道と平行に近い向きだと、面が見えるのは通り過ぎる直前だけです。 文字を大きくする前に、面の角度を疑ってください。

電話番号を載せるなら、この看板にだけ使う番号を1つに。効果を測るときの材料になります。

Step 4

年あたりの費用と、取り戻すラインを計算する

借地料と制作費は周期が違います。年に直すと並べられます。

年の借地料 + 制作費 ÷ 使う年数 + 年の維持費 = 年あたりの費用
年あたりの費用 ÷ (客単価 × 粗利率) = 年に必要な新規客数

制作費は建てた年に出ていきますが、看板は何年も立っています。 年数で割ると、毎年払う借地料と単位がそろいます。

埋める数字は5つ

年の借地料地主に払う額です。月払いなら12倍して、年の額に直します。
制作費作って建てるまでの額です。基礎の工事もここに入れます。
使う年数何年出し続けるかです。借りる期間と合わせて置きます。
年の維持費電気代、貼り替え、点検。毎年出ていく分をまとめます。
客単価と粗利率自分の店の数字です。看板の側では決まりません。

数字を置いて、通しで計算する

年の借地料を12万円、制作費を60万円、使う年数を5年、年の維持費を3万円と置きます。 60万円÷5年で12万円ですから、12+12+3で年あたり27万円です。

4,000円 × 0.5 = 1人あたり2,000円
270,000円 ÷ 2,000円 = 年に135人

客単価4,000円、粗利率50%なら、1人から残るのは2,000円。 27万円を2,000円で割ると135人です。

体感できる単位にも直します。135を12で割ると月に11人ちょっと。 365を135で割ると2.7ですから、およそ2.7日に1人です。 3日に1人来れば戻る、と考えると判断しやすくなります。

人数が多すぎると感じたら、先に動かすのは使う年数です。 5年を8年にすると、60万円÷8年で7万5千円。12+7.5+3で年あたり22万5千円。 225,000を2,000で割ると112.5ですから、約113人まで下がります。

ここに置いた金額は、相場ではありません

12万円も60万円も、計算の形を見せるために置いた数字です。 借地料は土地の条件で、制作費は面の大きさと作りで決まります。 自分の数字に入れ替えて、もう一度計算してください。 実額は、条件をそろえて複数の会社に見積もりを取ると分かります。

Step 5

出したあとに効果を測り、続けるか決める

測る方法と、見る日を先に決めておきます。

測る方法は5通り

来店時に尋ねる「どこで知りましたか」と聞き、紙に正の字を書きます。費用はかかりません。
看板だけの番号やQRその看板にだけ載せた番号やQRの反応を数えます。出どころが混ざりません。
来る方向の増減看板を出した側から来る客が増えたかを見ます。出す前の記録が要ります。
通る車の数え取り時間帯を決めて通行量を数えます。見込みの母数が分かります。
地図アプリでの動き店名や業種で検索された数の推移を見ます。ほかの要因も混ざります。

上から順に、手間と費用が小さいものが並びます。 出す前の来店数を記録していないと、どの方法も比べる相手を失います。 まだなら、今日から数え始めてください。

見る日を、先にカレンダーへ入れる

  1. 1
    1か月後

    尋ねたときに看板の話が出るかを見ます。ここで結論は出しません。

  2. 2
    3か月後

    来店のうち何割が看板から来たかを、割合で見られます。

  3. 3
    半年後

    季節の影響を含めた形が見えます。必要な人数と実際の人数を並べます。

  4. 4
    契約の更新前

    続けるか、場所を変えるか、やめるかを決めます。

思い出したときに見る、では続きません。4つの日付を入れておけば、材料が無いまま更新を迎えずに済みます。

効いていないと感じたら、この順で疑う

  1. 1
    載せた要素を減らす

    4つ以上載っているなら、そこから落とします。面の貼り替えだけで済むことがあります。

  2. 2
    文字の高さを見直す

    計算した高さに足りているかを測ります。1行減らせば、残った行を大きくできます。

  3. 3
    表示面の角度を変える

    走ってくる車と正対する向きに寄せます。取り付けの金具を動かすだけで済む場合があります。

  4. 4
    照明の有無を考え直す

    夜に見せる必要があるかを決めます。電気を引ける土地かどうかも、ここで効いてきます。

  5. 5
    出す場所そのものを疑う

    手前が遮られていないか、店に近すぎないかを車から確かめます。動かすなら費用がかかります。

  6. 6
    作り直す

    ここまでで直らないときに考えます。順番として、いちばん最後に置いてください。

1番から3番は、いまの看板のまま手を入れられます。費用がかかるのは5番から先です。 作り直しを先に選ぶと、直せたはずの原因を見ないまま終わります。

Pitfalls

よくある失敗5パターン

どれも、建てる前か、貼り替えの範囲で手が打てます。

失敗何が起きるか直し方
店に近すぎる土地を借りた見えたときには曲がる地点を過ぎている分かれ道の手前まで、候補地を見直す
要素を4つ以上載せた走っている車から読み取れない面の貼り替えで、3つまで削る
表示面が道と平行に近い面が正面を向くのが直前だけになる取り付けの向きを、正対する側へ寄せる
借りる期間を決めずに始めた年あたりの費用が計算できない期間と更新の扱いを、書面にして残す
出す前の来店数を残さなかった増えたかどうかを比べる相手が無いいまから3か月ぶんを取り、次の判断に使う
Checklist

セルフチェックリスト

地主や業者に連絡する前にお使いください。5つ以上「いいえ」があれば、詰める余地があります。

  • どちら向きの車に見せるかを、1つに決めた
  • 候補の土地を、その向きから実際に車で走って見た
  • 店までの残り距離と、分かれ道との前後を地図で確かめた
  • 表示面の向きを、走ってくる車の側に合わせた
  • 土地の持ち主に尋ね、借りる期間と更新の扱いを決めた
  • 外したときに地面をどこまで戻すかを、話し合った
  • 電気を引けるかどうかを確かめた
  • 屋外広告物の届け出について、管轄の窓口に尋ねた
  • 看板に載せる要素を3つまでに絞った
  • 文字の高さを、読ませたい距離から計算した
  • 年あたりの費用と、年に必要な新規客数を出した
  • 出す前の来店数を記録し、次に見る日を決めた
FAQ

よくある質問

野立て看板は、何から決めればいいですか?
見せる車の向きからです。上り側か下り側かで、借りるべき土地が変わります。向きが1つに決まると、候補地が絞れます。
どのくらい手前に出すのが目安ですか?
距離ではなく走行時間で数えてください。60÷60で、時速60kmは1分あたり1kmです。曲がる前に1分ほしいなら、1km手前が候補です。
文字は、どのくらいの大きさが要りますか?
読ませたい距離の1/250〜1/500が目安です。100m先から読ませるなら20〜40cmになります。細い書体や、色の差が小さい配色では大きいほうに寄せてください。
出すのに届け出は必要ですか?
地域によって異なります。屋外広告物は、県の条例が適用される地域と、市が独自の条例を持つ地域に分かれます。出す前に管轄の窓口へご確認ください。
効果は、いつ判断すればいいですか?
3か月と半年の2回を軸にしてください。1か月では、季節や天候の影響が抜けません。更新の前には、続けるかを決める材料がそろいます。
予算が限られるときは、どこから削りますか?
載せる要素と、面の大きさからです。要素を減らせば文字を大きくできるので、小さい面でも読ませられます。安さだけで場所を選ぶのは最後にしてください。

まとめ

店から離れた場所に出すときは、次の順序で進めます。

1 決めるどちら向きの車に、どの地点で見せるかを1つに絞る。
2 借りる持ち主に尋ね、期間・更新・戻し方・電気を書面にする。
3 削る載せる要素を3つまでにし、距離から文字の高さを出す。
4 計算する借地料と制作費と維持費を年に直し、必要な人数を出す。
5 測る出す前の数を残し、更新の前に続けるかを決める。

手続きの確認は、2と3のあいだです。窓口に尋ねてから面を設計してください。
この看板の成否は、土地を借りる前におおむね決まっています。 候補地を車で走り、見えている秒数を数える。まず、そこからです。

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