看板集客 / 2026年9月5日 更新 / 読了目安 約13分

看板を照らす照明の選び方
外から当てる5ステップ

看板の形と文字は決まった。あとは夜をどうするか——という段階の方へ。 同じ看板が、器具の位置と向きだけで読めたり読めなかったりします。 板を作り替える前に、当て方から決めていきます。

5手順距離決めから測定まで
4通り照らし方の型
12項目点ける前に見る点
この記事でわかること

夜に読ませたい距離から、文字の高さを出す方法/ 照らし方が4つの型に分かれること/ 器具の台数を、看板の横幅から割り出す考え方/ 面から離すほど明るさが落ちる理由/ 点灯時間から年の電力量を出す式と、回収の式/ 暗いと感じたとき、費用をかけずに疑う順序

夜の見え方は、器具の位置で変わります

夜も見えるようにしたい。この相談への答えは、大きく二つに分かれます。 看板そのものを光らせるか、光らない看板に外から光を当てるか。

この記事が扱うのは、後ろのほうだけです。 内側から光る面を持つ看板を選ぶ話は電飾看板・LED看板の選び方にあります。

外から当てる照明には、あとから足せるという利点があります。 ただし器具の位置と向きを外すと、昼に読めていた文字が夜に消えます。

実際に起きるのは、こういうことです。面の中央だけが白く、両端が沈む。 光源が面に映り込み、文字の一部が飛ぶ。器具の首が通行人の目に直接入る。 当てた光の一部が、窓や隣の敷地へこぼれる。

読ませたい距離、当てる向きと台数、明るさと色み、電気と点灯時間。 この四つを決めてから点け、測って直します。

昼に読める看板が、夜も読めるとは限りません

昼は空からの光が面全体に回り、地の色と文字の色の差がそのまま見えます。 夜は、器具が当てた範囲しか存在しません。 夜の看板は、板の形ではなく光の形をしています。

Step 1

夜に読ませたい面と距離を決める

誰に、何メートル先から読ませるか。この二つで必要な文字の高さが出ます。

車で通り過ぎる人に読ませる

見えている時間が短い相手です。読ませられるのは屋号だけになります。

歩いて近づく人に読ませる

手前の20mほどが勝負です。見上げる角度が強まるため、面の上端が暗いと屋号が欠けます。

道の向かいから探す人に読ませる

建物の輪郭ごと浮かせる必要があります。面だけ照らすと、店の位置が伝わりません。

入口の前で迷う人に読ませる

営業しているかを確かめる相手です。明るさより、手元の均一さが効きます。

見上げて建物を探す人に読ませる

高い位置の面が相手です。下から向けると光が空へ抜けます。

閉店後に通りかかる人に読ませる

翌日以降に来る相手です。屋号だけ残せば足ります。

六つのうち、先に一つだけ選びます。全部に応えると、照らす面積と台数だけが増えます。 夜に読ませる相手は、一種類に絞ってください。

距離から、文字の高さを出す

必要な文字の高さは、読ませたい距離の250分の1から500分の1が目安です。 20m先なら 20,000mm ÷ 500 で40mm、20,000mm ÷ 250 で80mm。4cmから8cmです。

読ませたい距離文字の高さの幅夜に取る値
10m先から2〜4cm4cm
15m先から3〜6cm6cm
20m先から4〜8cm8cm
30m先から6〜12cm12cm

右の列が使いどころです。夜は背景との明暗差が落ち、同じ文字が昼より読みにくくなります。 幅が出たときは、大きいほうを取ってください。 書体の太さや地の色でも動きます。細い書体なら、さらに超えて構いません。

照らす範囲も、ここで絞ります。板の四隅まで均一に当てると、台数だけが増えます。 屋号の一段だけを明るくし、周りは暗いままにしてください。

Step 2

当てる向きと器具の位置を決める

照らし方は4つの型に分かれます。選ぶ前に、面の高さを測ってください。

器具を置く場所気をつけるところ
上から下へ落とす面の上端より前へ出したアーム面の下端が沈みます。出幅で調整します
下から上へ振る面の足元、または地面の中器具の首が通行人の目に入ります
脇から横へ通す面の左右、袖壁や柱の陰影が横に伸び、凹凸のある面で顔が出ます
離れた場所から投げる向かいの軒下や別の柱間に人や車が入ると影で面が欠けます

まず外すのは、二番目と四番目です。 下から振ると光が空へ抜け、投げる形は人や車の影が面に出ます。 迷ったときは、上から下へ落とす型を出発点にしてください。 三番目が効くのは、切り文字や立体の文字です。

真正面から当てない

光は、当たった角度と同じ角度で返ります。 真正面に器具を置くと、返った光がそのまま道の側へ向かいます。 つやのある面ほど返りは強く、文字が白く飛びます。 首を上下どちらかへ振れば、返る先が道からずれます。

台数は、横幅を割って決める

1台あたりの受け持ち幅は、横幅を台数で割った値です。幅3.0mを2台なら1.5mになります。

看板の横幅 ÷ 台数 = 1台あたりの受け持ち幅
3.0m ÷ 2台 = 1.5m / 4.5m ÷ 3台 = 1.5m / 2.0m ÷ 1台 = 2.0m

一般的な目安として、この値が1.5mほどに収まる台数から試します。 受け持ちが広いほど、中央と両端の差が開きます。 器具の配光で変わるため、決める前に業者へ伝えてください。

面からどれだけ出すか

上から落とす型では、器具を面より手前へ出します。 出幅の一般的な目安は、看板の高さの3分の1から2分の1です。 高さ900mmの面なら、900 ÷ 3 で300mm、900 ÷ 2 で450mm。30cmから45cmになります。 足りないと面の下端が暗く残り、出しすぎると光が面の外へ逃げます。

光が敷地の外へこぼれる向きを、先に潰す

面へ向かわなかった光は、そのまま先へ進みます。 向かいの住居の窓、上階のベランダ、道を走る車の運転席。 器具に庇を付ければ、こぼれる方向を減らせます。 向きを決める段階なら、追加の費用はほとんどかかりません。

Step 3

明るさと光の色みを決める

明るさは器具の性能より、面までの距離で決まります。

器具の明るさは、離れるほど落ちます。落ち方は距離に比例しません。 距離の二乗で落ちます。

距離が2倍 → 2 × 2 = 4 → 明るさは 4分の1
距離が3倍 → 3 × 3 = 9 → 明るさは 9分の1
距離が半分 → 明るさは 4倍

面から1mの器具を2mへ動かすと、届く明るさは4分の1になります。 明るい器具を探す前に、いま置いている位置を測ってください。 これは点に近い光源についての一般的な関係で、反射板の付いた器具では落ち方が緩やかになります。

色みは、地の色に合わせる

光の色みは、ケルビンという単位で示されます。数字が小さいほど赤みが強く、大きいほど青白くなります。

おおよその値呼び方合う場面
2,700K前後電球色木、土、生成りの地に合います
4,000K前後白色色を偏らせず、中間に置きたいとき
5,000K前後昼白色白や青の地を、その色のまま見せます

区分の境目は器具で異なるため、表の値はおおよその位置です。可能なら現物を並べて見せてもらってください。

判断の軸は一つ。看板の地の色を、そのままの色で見せたいかどうかです。 白い地に赤みの強い光を当てるとくすみ、木の地に青白い光を当てると色が抜けます。 通り沿いの明かりと同じ色みを選べば、看板は周りに埋もれます。

光らせること自体に、地域の制限がかかる場合があります

一般的に、屋外広告物の条例では、光る広告物や点滅する表示の扱いが別に定められていることがあります。 県の条例が適用される地域と、市が独自の条例を持つ地域があります。 屋外の配線工事にも、資格が要る範囲があります。 器具の型番を決める前に、管轄の窓口と、資格を持つ業者へご確認ください。
※ 一般的な説明です。制度は変わることがあります。

Step 4

電気と点灯時間を計算する

器具の数より、点けている時間のほうが効く場面があります。

毎年の電力量は、消費電力と時間から出ます。式は一本です。

消費電力(W) × 1日の点灯時間(h) × 365 ÷ 1,000 = 年の電力量(kWh)

1台30Wを2台で60W。1日6時間なら 6 × 365 で2,190時間。 60 × 2,190 は131,400Wh、1,000で割って131.4kWhです。

4時間に縮めると 4 × 365 で1,460時間、60 × 1,460 は87.6kWh。 131.4 から引いて43.8kWhの差。2時間削るだけで、年の電力量はおよそ3分の1減ります。 30W・2台・6時間は仮の置き方です。

点灯時間を決める

始まりは日の入り、終わりは閉店の30分後。ここを出発点にします。 日の入りの時刻は季節で動くため、時計で切り替えると直す手間が出ます。 暗さで入る仕組みなら、その手間は消えます。 電源の引き方と金額の出し方は光る看板の電気ガイドにあります。

元が取れる線を出す

客単価 × 粗利率 = 1人あたりの粗利
年のコスト ÷ 1人あたりの粗利 = 年に必要な新しい人数
365 ÷ 年に必要な人数 = 何日に1人でトントンか

客単価を3,000円、粗利率を40%と置きます。3,000 × 0.4 で1人あたり1,200円。 照明にかかる年のコストを48,000円とすると、48,000 ÷ 1,200 で40。 年に40人の新しい方で釣り合います。365 ÷ 40 は9.125。 およそ9日に1人で元が取れる、という見え方です。 三つの数字は、いずれも仮に置いたものです。

費用を左右するところ

器具の台数横幅を何台で受け持つか。分けた数が、そのまま初期の費用に乗ります。
取り付ける高さ手が届く高さか、足場や車が要る高さか。工事の日数が変わります。
配線の引き回し屋外の電源まで何メートルあるか。壁を通すか露出で這わせるかでも動きます。
切り替えの仕組み手で入れるか、時計か、暗さで入るか。後から替えると配線に手が入ります。
1日の点灯時間点けている時間が、そのまま毎年の電力量になります。

二行目と三行目が、見積もりの差になって現れます。器具より、電気を運ぶ手間のほうが動きます。 最後の一行だけは、器具を選び直さずにあとから変えられます。 掲載社が公式サイトで公開している金額は看板の費用にまとめています。

Step 5

点けたあとの見え方を測って直す

図面では分かりません。暗くなるのを待って、道に立つところからです。

暗くなってから、道の側に立つ

読ませたい距離まで下がり、屋号が読めるかを見ます。費用はかかりません。

同じ位置で一枚撮る

手に持った機器で撮ると、目より正直に写ります。明暗の差がはっきり出ます。

面の端から、明るさの偏りを見る

中央だけ白く、両端が沈んでいれば台数が足りていません。

来店した方にたずねる

「夜に前を通ったことがありますか」。気づかれたかは、聞かなければ分かりません。

閉店後の人通りを数える

10分ほど道に立ちます。誰も通らない時間なら、そこは切る余地があります。

器具の下ではなく、読ませたい距離まで下がって見てください。

判断のタイミング

点けたその夜向きと明るさの偏りが分かります。首を振れば、その場で直せます。
1週間天気の違う日をまたぎます。雨の夜は路面が光を返します。
1か月点け忘れと消し忘れを見ます。切り替えの仕組みを決め直す時期です。
3か月夜に来た方の話に、看板が出てくるかを見ます。
半年日の入りが動いた分を含めて比べられます。点灯時間を組み直します。

直せる範囲は時期で変わります。その夜は向きの調整、1か月なら切り替えの見直し、半年なら時間の組み替えです。

暗いと感じたら、この順で疑う

  1. 1
    器具の向きを疑う

    首を上下左右に振り、面の端が暗くならない位置を探します。多くはここで直ります。

  2. 2
    当てている範囲を疑う

    面の全部を照らそうとしていないかを見ます。屋号の一段に絞れば、明るさは上がります。

  3. 3
    面までの距離を疑う

    離れすぎていないかを測ります。近づけるほど効き、周りへ散る光も減ります。

  4. 4
    面の汚れと反射を疑う

    面を拭き、光が返る向きを確かめます。白く飛ぶ角度が決まっているなら、少し振れば逃げられます。

  5. 5
    文字の大きさを疑う

    距離から出した値の、大きいほうに届いているかを見ます。文字だけの張り替えで済む場合があります。

  6. 6
    台数を増やす、器具を替える

    順に確かめても届かないときに検討します。かかる額が大きいため、最後に置いています。

並びは、かかる額の小さい順です。 1番から4番までは、振る、絞る、寄せる、拭くだけで終わります。

Pitfalls

よくある失敗5パターン

どれも、点けた最初の夜に道へ出れば気づけます。

失敗何が起きるか直し方
面の真正面から当てた光源が面に映り、文字が白く飛ぶ器具の首を上下どちらかへ振る。締め直しだけで済む
幅3mの面を1台で照らした中央だけ明るく、両端が沈む2台に分け、1台あたりの受け持ち幅をそろえる
器具を面から離しすぎた明るさが落ち、光が周りへ散る面に寄せる。距離が半分なら明るさは4倍になる
昼と同じ文字の大きさで作った明暗差が落ち、夜だけ読めない照らす範囲を屋号に絞り、細かい表示は昼用と割り切る
日の入りから明け方まで点けた誰も通らない時間の電力を払う閉店の30分後で切る。時計式の器具なら配線は替えずに済む
Checklist

セルフチェックリスト

器具の見積もりが出てきた段階で使ってください。5つ以上「いいえ」があれば、見直しの余地があります。

  • 夜に読ませたい距離を、メートルの数字で決めた
  • その距離から必要な文字の高さを計算した
  • 夜は幅の大きいほうを取ることを、業者に伝えた
  • 光を当てる面と、当てない面を分けた
  • 上から落とすか下から振るかを、先に決めた
  • 看板の横幅を台数で割り、1台の受け持ち幅を出した
  • 器具の首が、通行人の目に直接向いていない
  • 器具から面までの距離を、実際に測った
  • 光の色みを、看板の地の色に合わせて選んだ
  • 1日に点けておく時間を、時間数で決めた
  • 器具の消費電力から、年の電力量を計算した
  • 点けた夜に、道の側から確かめる予定がある
FAQ

よくある質問

外から照らす照明は、何から決めればいいですか?
夜に読ませたい距離からです。距離が決まると必要な文字の高さが決まり、照らす範囲もそこで絞れます。器具の型を選ぶのは、そのあとで構いません。
器具は何台いりますか?
看板の横幅を台数で割り、1台あたりの受け持ち幅で考えます。一般的な目安として、1.5mほどに収まる台数から試してください。幅が3mなら2台が出発点です。
光の色はどう選びますか?
看板の地の色に合わせます。おおよその区分として、2,700K前後が電球色、5,000K前後が昼白色です。白や青をその色のまま見せたいなら後者を選んでください。
許可や資格はいりますか?
一般的に、光る広告物の扱いには地域ごとの制限がかかることがあります。屋外の配線工事にも資格が要る範囲があります。管轄の窓口と、資格を持つ業者へ事前にご確認ください。
点けてみて暗いときは、何から直しますか?
器具の向きを振り直すところからです。角度を変えて締め直すだけなら、費用はかかりません。台数を増やすかどうかは、そのあとの判断になります。
予算が限られる場合、どこを優先しますか?
屋号が載っている面の1台目です。その1台が届く幅を確かめてから、2台目を足してください。点灯時間を短くすれば、器具を減らさずに毎年の負担を下げられます。

まとめ

外から当てる照明は、次の順序で決めていきます。

1 距離を決める読ませる相手を一つに絞り、そこから文字の高さを出す。
2 向きを決める上から落とす型を軸に、真正面を避けて器具を配る。
3 明るさを決める面へ寄せて稼ぐ。色みは看板の地の色に合わせる。
4 電気を見る消費電力と時間から年の電力量を出し、時間で削る。
5 測って直す暗くなってから道に立ち、向きの調整から手を付ける。

器具を増やす前に、いまの一台を振り直してください。 当てる範囲を絞るほど、遠くから目に入ります。

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当ガイドは仲介や紹介を行っていません。ご相談・お見積もりは各社へ直接お願いいたします。
読ませたい距離も器具の台数も、まだ決まっていない段階で構いません。 照明の取り付けまで受けているか、屋外の配線に対応できるかは比べられます。 看板の横幅と高さ、営業の終わる時刻。この三つを添えると、やりとりが短く済みます。