自立看板・ポールサインの立て方
場所と基礎を決める5ステップ
敷地に看板を立てたい方へ。「どこに立てるのか」「どのくらいの高さが要るのか」 「地面に何をするのか」。 この3つに順番に答えていきます。
立てる位置を決めるときに見る4つの点/ 誰に読ませるかで変わる高さの考え方/ 走行中に読める文字の大きさを出す計算/ 基礎の大きさと、工作物としての扱い/ 舗装の復旧まで含めた費用の内訳と回収の式/ 立てたあとに効果を測る4つの方法
自立看板は、地面に工事をする看板です
壁に付ける看板は、建物という土台を借りています。自立看板には、その土台がありません。 風を受けても倒れないように、地面の下に基礎を作ります。 この看板を選ぶということは、地面を掘る工事を選ぶということです。
つまずく場所は決まっています。入口の真横に立ててしまい、気づいたときには通り過ぎている。 掘ってから埋設管が出て、位置をやり直す。面を道と平行に向け、真横の一瞬しか読めない。 借りた土地で、返すときの撤去費を考えていなかった。
位置を決める、高さと大きさを決める、基礎と手続きを確かめる、費用を見る、立てたあとに確認する。 この順に進めれば、掘ってから止まる事態は避けられます。
立てる位置を決める
基礎を作ったあとでは動かせません。位置が最初です。
自立看板は面の向きが命です。走ってくる車の正面に板が入る角度に振ってください。道と平行に立てると、真横を通る一瞬しか読めません。
看板を見てから曲がるまでに、減速する距離が要ります。入口の真横に立てると、気づいた時点で通り過ぎています。手前に置くほど余裕が生まれます。
基礎を掘るため、埋設管の位置を先に確かめます。水道、ガス、排水。図面が無い土地では、施工業者に調査を頼んでください。
建物の角や、抜けた土地は風が強く当たります。同じ看板でも、立てる位置で基礎の大きさが変わります。
水道管やガス管の上には基礎を作れません。図面が残っていない土地では、着工前の調査を頼んでください。 掘ってから見つかると、位置も基礎の設計も振り出しに戻ります。 調査の費用は、やり直しの費用よりはるかに軽く済みます。
高さと面の大きさを決める
高さは見栄えではなく、誰に読ませるかで決まります。
高くすれば遠くから見えます。同時に、基礎も支柱も太くなり、手続きも増えます。 必要な高さは、読ませたい相手から逆に決めてください。
| 読ませたい相手 | 高さの考え方 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 歩行者に読ませる | 目線に近い高さ | 足元まで使える。低い分、基礎は小さくて済む |
| 敷地の前を通る車に読ませる | 運転席から見上げない高さ | 手前の車や植栽で隠れない高さが要る |
| 遠くの道から気づかせる | 建物や塀を越える高さ | 基礎と強度の負担が大きく、手続きも増える |
走行中に読める文字の大きさを出す
車から読ませる場合、読む時間は自分では決められません。速さが決めます。 時速50kmは、50 ÷ 3.6 で秒速およそ13.9mです。3秒読ませたいなら、13.9 × 3 = 約42m手前から見えている必要があります。
例:42m先から読ませたい → 42 ÷ 250 = 0.168m、42 ÷ 500 = 0.084m → 8〜17cm
3秒で読めるのは、短い語で2つほどです。店名と業種、あるいは店名と矢印。 載せる数を増やすほど、文字は小さくなり、結果として何も読まれません。
※ 必要な大きさは書体、色の差、照明の有無で変わります。細い書体ほど大きさが要ります。
基礎と手続きを確かめる
見えない部分ほど、あとから変えられません。
| 基礎の大きさ | 看板の高さと面積、地面の固さで決まります。図面で示してもらってください。 |
|---|---|
| 工作物としての扱い | 高さが4mを超える広告塔・広告板は、建築基準法で工作物として扱われます。 |
| 屋外広告物の許可 | 大きさと場所によって、条例にもとづく申請が必要になります。 |
| 電気を引くかどうか | 光らせる場合、配線の経路と分電盤からの距離を先に決めます。 |
| 土地が借地かどうか | 借りている土地では、基礎を作ることと、返すときの扱いを契約で確かめます。 |
高さが4mを超える広告塔・広告板は、建築基準法で工作物として扱われます。
これとは別に、屋外広告物の条例による許可があります。県の条例が適用される地域と、
市が独自の条例を持つ地域があり、大きさの基準も分かれます。
4mをわずかに超える計画なら、下げられないかを先に検討してください。
※ 要否と基準は自治体・場所によって異なります。事前に管轄窓口か施工業者にご確認ください。
申請の進め方と更新の管理は屋外広告物の許可ガイドにまとめています。
費用を年あたりに直して見る
地面に関わる工事が入る分、内訳を分けて読む必要があります。
費用が動くところ
| 基礎の工事 | 掘る量とコンクリートの量。地面が軟らかいほど大きくなります。 |
|---|---|
| 支柱の本数と太さ | 面積と高さから決まります。見た目では選べない部分です。 |
| 面の数 | 片面か両面か。両面は表示面が2つ分になります。 |
| 照明と電気工事 | 光らせるかどうか。配線の距離も効きます。 |
| 舗装の復旧 | 駐車場に立てる場合、掘った跡を直す工事が加わります。 |
掲載社が実際に公開している金額は看板の費用に種類別にまとめています。 見積書の項目の読み分けは看板の見積書の読み方で扱っています。
何人来れば釣り合うかを出す
年あたりの費用 ÷ 12 = 月あたりのコスト
月あたりのコスト ÷ (客単価 × 粗利率) = 月に必要な新規客数
例:60万円で立て、15年使うとします。600,000 ÷ 15 = 年40,000円。 40,000 ÷ 12 = 月3,333円です。客単価5,000円、粗利率50%の店なら、 3,333 ÷ (5,000 × 0.5) = 1.33 になります。 月に2人来れば釣り合う計算です。
半月に1人という数字になります。ここまで下りてくると、高さを1m上げる価値も判断できます。 撤去の費用を見込んでおくと、借地の場合の判断がさらに正確になります。
立てたあと、効果を測る
敷地に入る車を数えるだけで、気づかれ方は分かります。
実際に走ってくる車線を、通常の速さで走りながら撮ります。どの地点で板が見え、どこで隠れるかが映ります。運転しながらは撮らないでください。
営業中の1時間、入口が見える位置から数えます。立てる前と後で比べると、気づかれているかが分かります。
「道路から見えた」という答えが増えれば、面の向きは合っています。受付で一言たずねて記録します。
暗さと水しぶきで、見え方は大きく落ちます。営業時間が夜にかかる店ほど、確かめる意味があります。
特別な道具はいりません。1時間だけ数えれば、立てる前と後の差は見えてきます。
見るタイミング
| 立てた直後 | 走行中の見え方と、夜の見え方を確かめます。 |
|---|---|
| 1か月 | 入口に入る車の数と、来店時の答えを見ます。 |
| 1年 | 支柱の根元と基礎の周りに、ひび割れや傾きが出ていないかを見ます。 |
| 3〜5年 | 表示面の色あせと、掲載内容の見直し。許可の更新と合わせます。 |
気づかれていないとき、この順で疑う
- 1隠れていないか
停まっている車、植栽、電柱。走る車線の高さから見て、重なる物を探します。
- 2向きがずれていないか
走ってくる方向に対して面が寝ていると、読める区間が短くなります。振り角の調整で直ります。
- 3文字が大きさ不足でないか
走行中に読めるのは、遠くからでも判別できる太さの文字だけです。
- 4情報が多すぎないか
3秒で読める量は限られます。減らすほうが伝わります。
- 5立てる位置が入口に近すぎないか
ここまで確かめて残ったら、位置そのものを手前へ移すことを考えます。
支柱の根元と、基礎の周りのひび割れ。この2か所を年に一度見るだけで、 倒れる前の変化はつかめます。真下ではなく、少し離れて立って垂直を見てください。 基礎の異変は、看板そのものより先に地面に出ます。 見方は看板の点検ガイドにまとめました。
よくある失敗5パターン
どれも、掘る前に確かめれば避けられます。
| 失敗 | 何が起きるか | 直し方 |
|---|---|---|
| 入口の真横に立てた | 気づいた時点で通り過ぎている | 手前へ移すか、手前に1枚足す |
| 埋設管を調べずに掘った | 工事が止まり、位置をやり直す | 着工前に埋設物の調査を頼む |
| 道と平行に面を向けた | 真横の一瞬しか読めない | 走ってくる向きへ面を振る |
| 文字を小さく詰め込んだ | 走行中にまったく読めない | 情報を削り、残した文字を大きくする |
| 借地で基礎の扱いを決めなかった | 返すときの撤去費でもめる | 契約時に原状回復の範囲を書面で確かめる |
セルフチェックリスト
着工の前に使ってください。5つ以上「いいえ」があれば、見直しの余地があります。
- 走ってくる車線に立ち、面が正面に入る角度を確かめた
- 入口より手前に立てる位置を選んである
- 地面の下の埋設物を調べてもらった
- 看板の高さと面積を決めてある
- 高さが4mを超えるかどうかを確認した
- 屋外広告物の許可が要るかどうかを窓口に確かめた
- 借地の場合、基礎を作ることの承諾を得ている
- 返すときに撤去する範囲を決めてある
- 基礎の大きさを図面で示してもらった
- 走行中に読める文字の大きさを計算した
- 光らせるかどうかと、配線の経路を決めてある
- 効果を測る方法を、立てる前に決めてある
よくある質問
自立看板は、何から決めればいいですか?
文字はどのくらいの大きさが要りますか?
自立看板に手続きは要りますか?
立てたあと、効果はどう判断しますか?
すでに立ててある看板は、直せますか?
費用を抑えたい場合、どこから削りますか?
まとめ
敷地に看板を立てるときは、次の順序で決めていきます。
| 1 位置 | 入口より手前。走ってくる向きに面を正対させる。 |
|---|---|
| 2 高さと大きさ | 読ませたい相手から逆算し、文字の高さを計算する。 |
| 3 基礎と手続き | 埋設物の調査、工作物の扱い、条例の許可。 |
| 4 費用 | 基礎と舗装の復旧を分けて読み、年あたりに直す。 |
| 5 確認 | 走行中の動画と、入口に入る車の数。 |
高さを1m下げると、基礎も手続きも費用も同時に軽くなります。 まず必要な高さを計算し、そこから上げる理由があるかを考える順番が確実です。