看板集客 / 2026年9月5日 更新 / 読了目安 約11分

バー・居酒屋の看板の作り方
夜に選ばれる5ステップ

これから夜の飲食店を開く方、看板を作り替える方へ。 夜の看板は、明るさではなく情報で選ばれます。 まわりも光っている場所では、光の強さだけでは差がつきません。

5手順通る人の設定から入店率まで
3要素看板に載せる上限
12項目掲出前に見る点
この記事でわかること

夜の通行人が、店の前で判断する時間の長さ/ 入りにくさの正体と、看板で消せる範囲/ 載せる要素を3つに絞る順番/ まわりが光る場所で差をつける方法/ 深夜の営業で確かめておく届出/ 15分で測れる入店率の数え方/ 入らないときに疑う順序

夜の看板は、明るさでは差がつきません

夜の店の相談で多いのが、目立つ看板にしたいというご要望です。 目立たせる手として、まず光らせることが思い浮かびます。 ただし、まわりの店も同じように光っています。

店の前に立って、視界に入る光る面を数えてみてください。 10枚あるなら、自分の看板は11枚目になります。 明るさを上げても、順位はほとんど動きません。

情報を決めずに進めると、こうなります。 店名だけが大きく、何の店か伝わらない。 足は止まるが、金額が読めずに離れる。 光る面が複数あり、どれを読むか分からない。 閉店後も点いていて、開いていると思われる。

通る人と時間を決め、不安を消す情報を選び、夜の見え方を決め、 届出と費用を確かめ、入店率を測る。この五つを順に埋めます。

Step 1

通る人と、狙う時間帯を決める

同じ通りでも、時間で通る人が入れ替わります。

通る人の来かた

駅から歩くか、車で来るか。歩く人と車では、読める文字の大きさが違います。

通る時間帯

仕事帰りの時間か、深夜か。時間帯で通る人の目的が変わります。

一人か、連れがいるか

一人客は決めるのが早い。連れがいると、その場で相談が起きます。

初めてか、二度目以降か

初めての人だけが看板を読みます。常連は店名しか見ていません。

まわりの光の数

店の前に立ち、視界に入る光る面を数えます。差がつくかが分かります。

入口の見つけやすさ

階段、地下、雑居ビル。看板で解決する範囲がここで決まります。

読む時間は、思っているより短くなります。 歩く速さは時速4kmほどで、4 ÷ 3.6 で秒1.1m。 3秒なら 1.1 × 3 で約3.3m進みます。

店の前を通り過ぎるまでの数秒で、入るかどうかが決まります。 その時間に読み切れる量が、載せられる上限です。

まわりの光る面を、実際に数えてください

店の前に立って、視界に入る光る看板を数えます。 数が多いほど、明るさで差をつけるのは難しくなります。 色を変える、光る面を1つに絞る、形を変える。 差をつける手は、明るさ以外にもあります。 光らせ方は電飾看板・LED看板の選び方で扱っています。

Step 2

入る前の不安を、順に消す

入りにくさの正体は、分からないことの多さです。

足を止めたのに入らなかった人は、何かが読めなかった人です。 読めなかったものは、だいたい決まっています。

分からないこと看板で示せること
いくらかかるか分からない目安の金額か、代表的な一品の値
席料や追加の費用が読めない席料の有無を、あるかないかで書く
どんな店か分からない業態を一語で。立ち飲み、和食、音楽など
一人で入ってよいか分からないカウンターの有無、一人客の可否
開いているか分からない営業時間と定休日。臨時休業は別の面で
予約が要るか分からない当日入れるかどうかを一言で

六つ全部は載りません。 3つまでに絞ってください。4つ目からは読まれません。

載せる順番を決める

  1. 1
    業態を一語で示す

    何の店かが分からないと、値段の話まで進みません。まずここです。

  2. 2
    金額の手がかりを1つ置く

    目安の額か、代表的な一品の値。1つで足ります。並べると読まれません。

  3. 3
    営業時間を書く

    開いている時間が読めれば、次に通ったときに来られます。

  4. 4
    ここまでで止める

    4つ目からは読まれません。残りは店頭のメニューや窓の面に回します。

金額の手がかりは、1つで足ります。 目安の額でも、代表的な一品の値でも構いません。 いくつも並べると、読む前に諦められます。

載せきれない情報は、店頭のメニューや窓の面に回します。 足を止めた人だけが読む場所なので、量を書けます。 言葉の削り方は看板の文言の決め方にまとめています。

Step 3

夜の見え方と、点灯の運用を決める

光らせる面は、1つに絞ります。

明るさより、差をつける

まわりが光っていれば、明るくしても埋もれます。色と形で分けます。

光らせる面を1つに絞る

複数が同じ強さで光ると、どれを読むか伝わりません。

入口を照らす

看板が読めても、入口が暗いと足が止まります。足元の明るさを見ます。

消灯の時刻を決める

閉店後も点いていると、開いていると思われます。逆の損が出ます。

複数の面が同じ強さで光ると、視線が定まりません。 読ませたい面を1つ決め、そこだけを強くしてください。 残りは、その面を読んだ人が次に見る位置に置きます。

看板が読めても、入口が暗ければ足は止まります。 階段や地下なら、その先が見えるかどうかが分かれ目です。 上り口の扱いは2階の店の看板で詳しく扱っています。

消灯の時刻を決めておく

閉店後も点いていると、開いていると思って来た人を帰すことになります。 次から避けられるので、点けっぱなしは損が二重です。

18時から24時まで = 1日6時間
6 × 30 = 月180時間

点灯の時間が決まれば、電気の量も見積もれます。 計算は光る看板の電気ガイドにまとめました。

Step 4

届出を確かめ、かけてよい額を出す

営業の形によって、必要な手続きが変わります。

深夜の営業と接待は、扱いが分かれます

0時を越えて酒類を出す営業は、事前の届出の対象になることがあります。 接待を伴う業態では、別の許可が必要になる場合があります。 看板の内容が、届け出た営業の形と食い違わないようにしてください。 光る看板の明るさや点滅は、地域の条例で制限されることもあります。 県の条例が及ぶ地域と、市が独自の条例を持つ地域があります。
※ 開店の前に、管轄の窓口へご確認ください。

やろうとすること関わる手続き注意する点
深夜に酒類を出す事前の届出0時を越える営業で対象になることがある
接待を伴う営業の許可業態によって扱いが分かれる
光る看板を出す屋外広告物の条例明るさや点滅が制限される地域がある
道に置き看板を出す道路の占用敷地の外に出す場合
ビルに面を出す賃貸借の契約共用部の扱いは契約で決まる

月あたりの額を、必要な客数に直す

看板にかける額は、何人来れば釣り合うかに直すと判断できます。

月あたりのコスト ÷ (客単価 × 粗利率) = 月に必要な新規客数

月あたりのコストを15,000円、客単価を4,000円、粗利率を7割と置きます。 4,000 × 0.7 で2,800円。15,000 ÷ 2,800 で5.36。切り上げて6人です。

30 ÷ 6 で5。 5日に1人、看板を見て入ってくれれば釣り合う計算になります。

15,000円、4,000円、7割は、式の動きを見るための仮の置き方です。 金額の水準を示すものではありません。自分の店の数字に差し替えてください。

費用が動くところ

光らせるかどうか内部で光らせるか、外から照らすか。電気の工事が絡みます。
面の数道からの面、入口の面、階段の面。数だけ増えます。
取り付ける高さ高いほど作業の手間が増え、足場が要ることもあります。
更新のしやすさ差し替えられる作りにすると、内容を変える費用が下がります。
共用部の扱いビルの規定で、出せる位置と大きさが決まることがあります。

四行目を先に決めると、あとの出費が変わります。 掲載社が公式サイトで公開している金額は、看板の費用に種類別にまとめています。

Step 5

入店率を測って、直す

15分あれば、数字になります。

15分の通行数と入店数を数える

前を通った人と、入った人を控えます。割れば入店率が出ます。

足を止めた人を数える

止まったのに入らなかった人。ここが一番情報の足りていない層です。

初めての客に、何を見て入ったかを聞く

看板、地図、紹介。答えが割れるほど、看板の役割が絞れます。

閉店後の点灯を見に行く

消えているか。1回見るだけで、無駄な電気と誤解が両方分かります。

四つとも、道具を買わずに今夜から始められます。

入店率は、入った人数を通った人数で割るだけです。 15分で通行60人、入店3人なら 3 ÷ 60 で0.05。5%です。

入店率 = 入った人数 ÷ 前を通った人数
3 ÷ 60 = 0.05 → 5%
翌週 5 ÷ 60 = 0.083 → 約8%

曜日と天気で動くので、同じ曜日・同じ時間帯で比べます。 1回の数字ではなく、前後の差を見てください。

判断のタイミング

掲出した当日暗くなってから、通る側から見ます。写真を1枚残します。
1週間同じ曜日、同じ時間帯で入店率を数えます。基準になります。
1か月初めての客に聞いた答えを集めます。看板の役割が見えます。
3か月入店率を前の月と比べます。季節の差も見えてきます。
1年内容を変えるか、面を増やすかを決めます。

足を止めたのに入らなかった人の数も、あわせて控えてください。 止まる人が多く、入る人が少ないなら、原因は情報の側にあります。

入らないとき、この順で疑う

  1. 1
    点灯していたかを疑う

    球切れや消し忘れは珍しくありません。見に行くだけで分かります。

  2. 2
    置き看板の位置を疑う

    通る側から見えているか。数十センチ動かすだけで変わります。

  3. 3
    金額の手がかりを疑う

    書いていないなら足します。紙を差し替えるだけで済みます。

  4. 4
    載せた量を疑う

    3つを超えていれば減らします。減らすほうが読まれます。

  5. 5
    明るさの差を疑う

    まわりの光る面を数えます。色を変えるほうが安く済むことがあります。

  6. 6
    面の位置と高さを疑う

    取り付け直しの費用がかかります。上の五つが先です。

上から順に、かかる額が小さいものです。 1番から4番までは、看板を作り替えずに手を打てます。

Pitfalls

よくある失敗5パターン

どれも、開店の前に気づけば手を打てます。

失敗何が起きるか直し方
店名だけを大きく出した何の店か伝わらず、素通りされる業態を一語足す。紙の差し替えで済む
金額の手がかりを書かなかった足は止まるが、入らずに離れる目安か一品の値を1つ置く
光る面を複数そろえたどれを読むか伝わらず、印象が散る光らせる面を1つに絞る
閉店後も点灯したままにした開いていると思われ、次回から避けられる消灯の時刻を決めて運用する
深夜営業の届出を後回しにした営業の形を変える必要が生じる開店前に管轄の窓口へ確認する
Checklist

セルフチェックリスト

図案が出た段階で使います。5つ以上「いいえ」があれば、見直す余地があります。

  • 通る人が歩きか車かを決め、読める文字の大きさを確かめた
  • 主に狙う時間帯を1つ決めた
  • 店の前に立ち、視界に入る光る面の数を数えた
  • 何の店かが、一語で読み取れる
  • 金額の手がかりを1つ載せた
  • 席料や追加の費用の有無を書いた
  • 営業時間と定休日が読める
  • 看板に載せた要素が3つ以内に収まっている
  • 入口の足元が、夜に明るいことを確かめた
  • 光らせる面を1つに絞った
  • 消灯の時刻と、担当を決めた
  • 深夜の営業について、管轄の窓口に確かめた
FAQ

よくある質問

夜の飲食店の看板は、何から決めればいいですか?
何の店かを一語で示すことからです。業態が伝わらないと、値段や時間まで読まれません。次に金額の手がかりを1つ、そして営業時間を置きます。
載せる情報の数に目安はありますか?
3つまでに収めてください。業態、金額の手がかり、営業時間の3つです。歩く速さは秒1.1mほどで、3秒あれば約3.3m進みます。読み終える量はその範囲に収まります。
届出や手続きが必要になることはありますか?
0時を越えて酒類を出す営業や、接待を伴う業態では、届出や許可の対象になることがあります。光る看板の明るさや点滅も、地域の条例で制限されることがあります。開店の前に管轄の窓口へご確認ください。
効果はいつ判断すればいいですか?
1週間後に、同じ曜日・同じ時間帯で入店率を数えます。15分で前を通った人と入った人を控え、割るだけです。3か月たったら前の月と比べてください。
すでに出している看板の反応が薄いときは?
点灯しているかを夜に見に行ってください。次が置き看板の位置、その次が金額の手がかりの有無です。ここまでは費用がほとんどかかりません。
予算が限られる場合、何を優先しますか?
金額の手がかりを1つ足すことです。紙の差し替えで済み、足を止めた人が入るかどうかを大きく左右します。次が入口の足元の明るさです。

まとめ

夜の店の看板は、次の順序で決まります。

1 通る人を決める歩きか車か、時間帯はいつか。まわりの光る面を数える。
2 不安を消す業態、金額の手がかり、営業時間。3つまでに絞る。
3 夜の見え方を決める光らせる面は1つ。入口の足元を明るくし、消灯時刻を決める。
4 届出と費用を確かめる深夜営業と接待の扱いを窓口へ。必要な客数に直す。
5 入店率を測る15分の通行数と入店数を数え、同じ条件で比べる。

光を足す前に、書いてある情報を数えてください。 3つを超えているなら、削るほうが早く効きます。

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当ガイドは仲介や紹介を行っていません。ご相談・お見積もりは各社へ直接お願いいたします。
光らせ方も面の数も、まだ何も決まっていない段階で構いません。 電気工事まで扱えるか、内容の差し替えに応じられるかは比べられます。 夜に撮った店の前の写真と、載せたい3つの情報。この二つで相談が短く済みます。