看板のきほん / 2026年9月5日 更新 / 読了目安 約12分

光る看板の電気ガイド
電源と電気代を決める5手順

これから光る看板を付ける方、今ある看板の電気代が気になる方へ。 電気の知識は要りません。決めるのは4つの数字だけです。 電源の場所、点ける時間、消費電力、そして自分の電気の単価です。

5手順電源を決めてから不具合まで
4つの数字電気代の式に入れる値
12項目自分で確かめる
この記事でわかること

電源を引く場所の候補5つと、それぞれで変わる工事の重さ/ 点ける時刻の決め方と、タイマーを含む5つの点け方/ 電気工事に資格が要る決まりと、屋外の配線で変わる扱い/ 1か月の電気代を出す式と、点灯を2時間縮めたときの差/ 使った量を測る5つの方法と、見直すタイミング/ 点かないときに、安い順で疑う6つの手順

光る看板の電気は、順番に決められます

光る看板の相談で多いのが「電気代がいくらかかるのか」という質問です。 答えは、消費電力と点灯時間、そして契約している電気の単価で決まります。 この3つがそろえば、電卓だけで1か月の額が出ます。

決めないまま進むと、こうなります。電源の場所より先に、看板の形が固まった。 点ける時間を決めていないので、朝まで点いている日がある。 消費電力を控えておらず、請求書を見ても高いのか判断できない。 点かなくなった日に、どこから見ればよいか思い当たらない。

電源を決め、点ける時間を決め、資格と手続きを確かめ、電気代を出し、疑う順序を用意する。 この5つを順に埋めれば、業者に伝える内容がそろいます。

この記事が扱う範囲

ここで書くのは、電源と点灯時間、電気代、電気まわりの不具合の4つです。 光源に何を選ぶか、明るさや光の色をどうするかは扱いません。 そちらは電飾看板・LED看板の選び方にまとめています。 工事や契約の可否は、資格を持つ工事店と電力会社にご確認ください。

Step 1

電源をどこから引くかを決める

看板の形より先に決めます。後から変えると、配線をやり直すことになります。

店内の回路から分ける

今使っている屋内の回路に、看板の分を足す形です。配線が短く、工事は軽く済みます。ただし同じ回路の合計が増えるため、他の機器と重なるとブレーカーが落ちることがあります。

分電盤から専用に1本引く

看板だけの回路を用意します。他の機器と取り合いにならず、使った量も切り分けて測れます。配線が伸びる分、手間はかかります。

屋外の防水コンセントを使う

外にコンセントが既にあれば、そこから取れることがあります。屋外用かどうかは蓋の作りと表示で分かります。屋内用の延長コードを外へ出す使い方はしません。

共用部から取れるか尋ねる

建物の共用部にある電源は、管理する側の持ち物です。断りなく使うと、電気代を誰が負担するか決まりません。使えるかどうかを確かめてください。

電気が届いていない場所

地面に立てる形の看板では、電気が来ていないことがあります。掘って配線を通す工事が必要です。図面を描く段階で業者に見てもらってください。

どれを選ぶかで、工事の重さが変わります。 目安は、分電盤から看板までの距離と、その間に何があるかです。 紙に建物の平面を描き、分電盤と看板の位置に印を付けてください。 歩幅で数えた距離で足ります。

壁を貫通するか、天井裏を通せるか、地面を掘るか。 配線が長くなるほど、部材も作業時間も増えます。 看板の分だけを後から測りたいなら、専用の回路が扱いやすくなります。

配線をつなぐ作業は、ご自分でなさらないでください

配線をつなぐ作業には、資格の決まりがあります。感電や火災につながるため、有資格の工事店にお任せください。 この記事で扱うのは、どこから電気を取るかを決めるところまでです。

Step 2

点ける時間と、点け方を決める

電気代は点いている時間に比例します。ここが後の計算の土台です。

先に決めるのは、点け始める時刻と消す時刻です。 点け始めは暗くなる時刻、消すのは閉店の時刻に合わせるのが素直な置き方です。 閉店後も光らせるかどうかは、通る人がいるかで決めます。

手で入れて手で消すスイッチを人が操作します。閉店時に消し忘れると、朝までそのまま点きます。
タイマーで切り替える時刻を決めて点け消しします。暗くなる時刻が動く分は、季節ごとに直します。
明るさを見て自動で点ける周りが暗くなると点きます。曇りや雨の日は、いつもより早く点きます。
明るさと時刻を組み合わせる暗くなったら点き、決めた時刻で消えます。点き始めの季節差を手で直さずに済みます。
一日中点けたままにする切り替えの手間はありません。使った量は、点いている時間にそのまま比例します。

手で操作する形は、機器の費用がかかりません。消し忘れが続くなら、切り替えの仕組みを足す番です。

日の入りの時刻は、季節で動きます

暗くなる時刻は1年を通じて一定ではありません。 夏と冬では、おおむね2時間前後の差が出ます(地域と年により変わるため、目安としてお読みください)。 時刻だけで切り替える設定にしているなら、季節の変わり目に読み直してください。

閉店後の時間帯をどう扱うかは、あとで数えて決め直せます。 材料になるのは、暗い時間に前を通る人の数です。

Step 4

電気代を計算し、明るくしている時間の値段を知る

式は1本だけです。数字を4つ入れれば、ひと月の額が出ます。

消費電力(W) ÷ 1000 × 1日の点灯時間(h) × 30日 × 電気の単価(円/kWh) = 1か月の電気代

1000で割るのは、Wをk(キロ)の単位にそろえるためです。 請求は kWh という単位で来るので、こちらに合わせます。 使う数字は、消費電力・点灯時間・日数・単価の4つだけです。

式に入れる数字

消費電力(W)光る部分と電源装置を合わせた値です。仕様書か、機器に貼られた表示に書かれています。
1日の点灯時間(h)点けてから消すまでの時間です。タイマーを使うなら、その設定値がそのまま入ります。
日数ひと月は30日として置きます。年で見るときは365日に置き換えます。
電気の単価(円/kWh)契約により異なります。検針票に書かれたご自身の単価を使ってください。

数字を入れてみる

60Wの看板を、1日10時間点けるとします。単価は31円/kWhと置きます。

60 ÷ 1000 = 0.06(kW)
0.06 × 10 = 0.6(kWh・1日)
0.6 × 30 = 18(kWh・1か月)
18 × 31 = 558円(1か月)

1日あたりに直すと、558 ÷ 30 で18.6円です。 暗い時間に店の名前が見えている状態の値段が、この額になります。

31円という単価は、相場ではありません

ここで置いた31円は、計算の並べ方を見せるための数字です。 電気の単価は契約により異なりますので、検針票に書かれたご自身の単価を使ってください。 この記事に出てくる金額は、どれも計算の置き方であって相場ではありません。

2時間短くすると、いくら変わるか

同じ看板を、10時間から8時間に縮めた場合です。

0.06 × 8 × 30 × 31 = 446.4円(1か月)
558 − 446.4 = 111.6 → ひと月あたり約112円の差
111.6 × 12 = 1339.2 → 1年で約1,340円の差

60Wの看板1台なら、この程度の幅です。 台数が増えれば、この差もそのまま倍になります。 点灯時間を削る判断は、台数の多い店ほど効きます。

1台だけの店で数時間を削っても、動く額は限られます。 削るかどうかは、暗い時間に見てもらう価値と並べて決めてください。

なお、ここで出るのは電気代だけです。 製作や設置、光源の交換にかかる金額は別に見積もります。 掲載社が公開している実際の金額は看板の費用に種類別にまとめました。

Step 5

点かなくなったときに疑う順序を決めておく

先に順序を書いておくと、慌てて大きな工事を頼まずに済みます。

検針票を前年同月と比べる

同じ月どうしで使用量を並べます。冷暖房の季節差をそろえて見られます。看板以外の増減も混ざるため、大きな変化を探す用途に向きます。

看板の回路だけ計る

専用の回路にしてあれば、計測器を挟んで使用量を直に読めます。看板の分だけが数字で出ます。取り付けは工事の依頼先に相談してください。

点灯時間を書き出して突き合わせる

点いていた時間を1週間分メモし、式に入れます。出た値と請求のずれが、消し忘れや設定違いの手がかりです。紙とペンで始められます。

閉店後の来店と問い合わせを数える

看板が点いている時間帯に、翌日以降の来店や電話があったかを数えます。暗い時間に光らせる意味を、自分の店の数字で判断できます。

暗い時間帯の通行量を数える

店の前を通る人と車を、同じ曜日の同じ時刻に10分ずつ数えます。点灯を終える時刻を決め直す根拠になります。

上の5つは、費用のかからない順に並べてあります。最初の3つは、今日から始められます。

見直すタイミング

1か月後請求が1回分そろいます。計算で出した額と実際の額を並べます。
3か月後点灯時間を変えた効果が読めます。短くした分の差が数字に出ます。
季節が変わったとき暗くなる時刻が動きます。タイマーの設定を直す時期です。
1年後12か月分がそろいます。年あたりの額が確定し、次の判断の土台になります。

計算した額と実際の請求は、一致しないのが普通です。 看板以外の機器も同じ検針票に乗るためです。 ずれの大きさより、前の月からの動き方を見てください。

点かなくなったら、この順で確かめる

  1. 1
    ブレーカーが落ちていないかを見る

    分電盤のスイッチが下がっていないかを確かめます。下がっていれば戻します。戻してもまた落ちるときは、そこで手を止めて業者に連絡してください。

  2. 2
    タイマーの時刻がずれていないかを見る

    停電のあとや電池の消耗で、設定した時刻が動くことがあります。今の時刻と、点ける時刻・消す時刻の設定を読み直します。

  3. 3
    スイッチと差込口の状態を見る

    壁のスイッチが切れていないか、屋外の差込口に水が入っていないかを目で確かめます。触らずに見るだけの範囲です。

  4. 4
    光る部分そのものを疑う

    一部だけ暗い、ちらつく、片側が消えている。こうした出方なら、光源の寿命が近いことがあります。交換の要否は業者が見ます。

  5. 5
    電源装置を疑う

    全体が同時に消えたときは、光源へ電気を送る装置の側を見ます。機器の中を扱う作業は、資格を持つ人に任せてください。

  6. 6
    配線を引き直す

    通り道そのものが傷んでいる場合です。工事の規模が大きくなるため、いちばん最後に置きます。

3番までが目で見る範囲で、4番から先は業者の出番です。 引き直しを最後に置いているのは、それが最も重い工事だからです。 連絡するときは、いつから点かないか、全部が消えたのか一部だけかを伝えます。 消えている状態の写真が1枚あれば、電話の往復が減ります。

Pitfalls

よくある失敗5パターン

どれも、作り直さずに手当てできます。

失敗何が起きるか直し方
屋内の回路に足して使い続けた他の機器と重なるとブレーカーが落ちる使う時間帯をずらす。直らなければ回路を分ける
タイマーを設定したまま放置した暗くなる時刻とずれ、点灯が長引く季節の変わり目に設定を読み直す
消費電力を控えずに発注した電気代を計算できないまま使い続ける機器の表示か仕様書から数値を写す
屋内用の部材を外で使った雨と紫外線で早く傷む屋外用への交換を工事の依頼先に相談する
点かないとすぐ作り直しを頼んだ直せる原因でも大きな工事になるブレーカーとタイマーから順に確かめる
Checklist

セルフチェックリスト

見積もりを頼む前に使ってください。5つ以上「いいえ」があれば、決め残しがあります。

  • 看板の電源をどこから取るかを、図の上で決めた
  • 分電盤から看板までの、おおよその距離を測った
  • 屋外を通る配線があるかどうかを確かめた
  • 使う差込口が屋外用かどうかを、蓋と表示で見た
  • 点け始める時刻と、消す時刻を決めた
  • タイマーか、明るさで自動かを選んだ
  • 配線の工事を、資格を持つ人に頼むことにした
  • 借りている物件なら、建物側の承諾が要るかを尋ねた
  • 看板の消費電力を、仕様書か表示から書き写した
  • 検針票を開いて、自分の電気の単価を確かめた
  • 式に数字を入れて、1か月の電気代を出した
  • 点かなくなったときに確かめる順序を、紙に書いた
FAQ

よくある質問

光る看板の電気は、何から決めればいいですか?
電源をどこから取るかからです。今ある回路に足すか、分電盤から1本引くかで、工事の規模が変わります。看板を付ける位置と分電盤の位置を図に書き、その間の距離を測るところから始めてください。
1か月の電気代は、どう計算しますか?
消費電力を1000で割り、1日の点灯時間、日数、電気の単価を順に掛けます。消費電力は機器の表示か仕様書に載っています。単価は契約により異なりますので、検針票に書かれたご自身の数字を使ってください。
配線を自分でつないでも構いませんか?
つながないでください。電気工事には資格の決まりがあります。工事は資格を持つ人に依頼してください。
点灯時間は、何に合わせて決めますか?
暗くなる時刻と、閉店の時刻の2つです。日の入りは季節でおよそ2時間前後動きます(目安)。タイマーだけで運用するなら、季節の変わり目に設定を直してください。
すでに付いている看板の電気代を下げたいときは?
点灯時間の見直しが先です。ひと月分の請求と計算値を並べ、差の出どころを探します。機器の入れ替えは、そのあとで検討してください。
急に点かなくなったら、どこから見ますか?
ブレーカーと、タイマーの時刻からです。この2つは費用がかからず、その場で確かめられます。それで戻らないときは、業者に連絡してください。

まとめ

光る看板の電気は、次の順序で決めていきます。

1 電源を決めるどこから取るか。分電盤までの距離と通り道を見る。
2 時間を決める点け始めと消す時刻。切り替えの仕組みを選ぶ。
3 確かめる工事の資格、屋外の扱い、容量、建物側の承諾。
4 計算する4つの数字を式に入れ、ひと月と1日の額を出す。
5 順序を書く測り方を決め、点かないとき疑う順を紙に残す。

用意するのは、検針票と機器の仕様書、建物の平面を描いた紙の3枚だけです。 単価と消費電力と距離が埋まれば、残りは掛け算で出ます。 あとは、資格を持つ工事店に相談する番です。

電気工事まで頼める看板業者を探す

当ガイドは仲介や紹介を行っていません。ご相談・お見積もりは各社へ直接お願いいたします。
電源の位置も点灯時間もまだ決まっていない段階で、どこまで対応できる会社かは比べられます。 付けたい場所の写真と、分電盤までの距離。この2つで初回のやりとりが短く済みます。