看板集客 / 2026年9月7日 更新 / 読了目安 約12分

カラオケ・遊ぶ施設の看板
連れ立つ客に選ばれる5ステップ

これからカラオケ店やゲームセンターなど、遊ぶ施設の看板を考える方へ。 この業態の客は一人で決めません。歩きながら、連れと相談して決めます。 相談の材料になるのは、入る前に読めた情報だけです。 入口を過ぎてから気づかせても、戻る手間のぶんだけ選ばれにくくなります。

5手順情報の選び方から直し方まで
6通りの端から各階まで
12項目発注前に見る点
この記事でわかること

来る人数から、載せる情報を絞る手順/ 相談しながら歩く速さと、決め手を読ませる位置/ 遠景・入口・上階への、面の配り方/ 夜の営業と年齢の表示にかかる確認どころ/ 掲出の年数で総額を割り、来店の組数に直す式/ 時間帯ごとの入店を並べ、安い順に手を入れる順番

通り過ぎてから決めた客は、戻ってこない

この業態の相談は、入口を派手にする話から始まります。 ところが決まっているのは、入口に着く前です。

起きやすいのは、次の四つです。 入口の真上だけに面を作り、通りの端から見つけられない。 料金と時間と年齢を並べ、どれも読まれずに通り過ぎられる。 周りより明るくしようとして、光の量を増やしても埋もれる。 階段の先が見えず、上がる前に引き返される。

どれも、発注の前に決めておけば起きません。 誰と来るかを見て、面を配り、決まりを確かめ、費用を割り、並べて直す。 この五つを順に埋めます。

Step 1

誰と来るかで、決め手になる情報を選ぶ

人数が変われば、入る前に確かめることが変わります。

来店の記録から、何人連れが多いかを数える

会計の記録に人数が残っています。多い人数を先に決めると、載せる情報が絞れます。

その人たちが、何を確かめてから入るかを書き出す

スタッフに聞けば数分で出ます。同じ質問が繰り返されているはずです。

入口の手前で読ませる一言を、一つだけ選ぶ

料金、時間、年齢。三つ並べると読まれません。多い質問に答える一つに絞ります。

夜と休日に、外から自分の店を見る

この業態が働くのは、明るい時間ではありません。人が多い時間帯に確かめます。

連れ立って歩く速さは、一人のときより落ちます。 その代わり、相談している間も歩き続けています。

連れ立って歩く速さを時速3kmと置く
3,000 ÷ 3,600 = 秒速 約0.8m
3人で10秒相談すると 0.83 × 10 = 約8m進む
→ 入口を過ぎてから決めると、8m戻ることになる

決め手は、入口の手前で読ませます。 戻る手間が生まれた時点で、隣の店と並びになります。

来る人入る前に確かめること面に載せるもの
学生のグループいくらで、何時までいられるか時間の区切りと料金の見方
仕事帰りの同僚空いているか、すぐ入れるか待ち時間と空き状況
家族連れ子どもが入れるか年齢の扱いと設備の有無
一人で来る人一人でも構わないか一人利用の可否

四つ全部に答えようとすると、どれも小さくなります。 会計の記録で多い人数を調べ、その一つに絞ってください。

Step 2

遠景・入口・上階の三つに面を配る

見つける面、決める面、不安を消す面。役割は別々です。

通りの端で見つけ、手前で決め、入口で確かめる。 面はこの順に働きます。

読まれる位置載せるもの
遠景の面通りの端から店名と業種。10〜20cmの文字
入口の手前の面5〜10m手前から決め手の一言。6〜12cmの文字
入口の面立ち止まって営業時間と年齢の扱い
階段・エレベーターの面入ってから階数と、上がった先の様子
決め手は、入口を過ぎる前に読ませる

3人で10秒相談すると、8m進みます。過ぎてから決めると、戻る手間が生まれます。

明るさではなく、明暗差で目立たせる

繁華街では、全部の面が光っています。周りより明るくするより、地の色との差を大きくします。

写真は、上がった先の様子を1枚だけ

中の見えない店は入りにくくなります。並べるより、代表の1枚を大きく置きます。

面の数は、こう数えます。

遠景 1 / 入口の手前 1 / 入口 1
階段またはエレベーターの前 1
各階の扉 2
1 + 1 + 1 + 1 + 2 = 合計 6面

文字の高さを割り算で出す

読ませたい距離が決まれば、高さは計算で求まります。

文字の高さ = 視認距離 ÷ 250 〜 視認距離 ÷ 500
50m先(通りの端) → 50,000 ÷ 500 = 100mm / ÷ 250 = 200mm → 10〜20cm
30m先(手前の面) → 30,000 ÷ 500 = 60mm / ÷ 250 = 120mm → 6〜12cm
5m先(入口の面) → 5,000 ÷ 500 = 10mm / ÷ 250 = 20mm → 1〜2cm

この幅は、明るい場所で正面から見た値です。 書体、地の色との明暗差、周りの面の明るさで変わります。 光る面が並ぶ通りでは、大きいほうへ寄せてください。 明暗差の決め方は看板の色の決め方にまとめました。

上の階なら、先の様子を見せる

階段を上がった先が見えない店は、入る前の不安が残ります。 代表的な1枚を階段の入口に置くと、上がる判断がしやすくなります。 写真は並べるより、大きく1枚のほうが働きます。 階まで人を運ぶ組み立ては2階の店の看板で扱っています。

Step 3

夜の営業と年齢の表示にかかる決まりを確かめる

この業態は、掲げる内容そのものに決まりがかかることがあります。

遅い時間まで開ける店では、営業の時間や入場の条件に決まりがかかる場合があります。 掲げてから直すより、掲げる前に確かめるほうが安く済みます。

営業できる時間の扱い業態と地域によって、夜間の営業に決まりがある場合がある。
年齢に関する表示入場できる時間や年齢を、入口で分かるように示す必要がある場合がある。
屋外広告物としての扱い面積と高さの上限。表示できる期間と、更新の時期。
道路の上に出る面袖看板や置き看板は、はみ出す部分の扱いを先に確かめる。
ビルの貸主・管理者の承諾共用部に出せる面の位置と大きさが決まっていることがある。
非常口と避難の経路面や置き看板で、通路や扉をふさがない。

屋外広告物としての扱いは、土地によって違います。 県の条例が及ぶ地域と、市が独自の条例を持つ地域に分かれます。 許可に表示できる期間が定められ、更新の手続きが要る場合もあります。 要否と様式は、管轄の窓口へお尋ねください。 流れそのものは屋外広告物の許可にまとめました。

置き看板で、通路をふさがない

足元の面は増えやすく、気づくと通り道が狭くなります。

出す位置と、しまう時刻を決めておく

置き看板は、道路にはみ出す部分の扱いを先に確かめます。 非常口や階段の前は、ふさがない位置を決めてください。 出す時刻としまう時刻を決めると、増えすぎも防げます。 扱い方はのぼり・置き看板の使い方にまとめてあります。

ビルに入る店は、共用部の決まりを先に聞く

入口まわりや階段は、ビル全体で使う場所です。 出せる面の位置と大きさが、あらかじめ決まっていることがあります。 案内板の枠が用意されている場合は、そこに入る形で作ります。 枠の扱いはテナント案内板の作り方で詳しく扱っています。
※ 営業できる時間、入場の条件の示し方、掲出の可否は地域と業態により異なります。着工前に管轄の窓口へお確かめください。

Step 4

掲出の年数で割り、必要な組数を出す

人数で来る業態なので、1組あたりで見ると判断しやすくなります。

費用が動くところを見る

面の数遠景、入口、階段、各階の扉。数がそのまま総額に効く。
光らせ方内側から光らせるか、外から当てるか。工事の範囲が変わる。
取り付ける高さ高い位置ほど、上がるための手配が要る。
書き換えの見込み料金や時間を変える予定があるなら、差し替えられる作りにする。
共用部の制約ビルの決まりで、取り付け方が限られることがある。
撤去と原状回復外す日、外す人、壁を戻す範囲。

光らせ方は、後から変えると工事のやり直しになります。 選び方は電飾看板・LED看板の選び方にあります。 掲載社が公開している金額は、看板の費用に種類別にまとめました。

月あたりに直し、組数まで落とす

6年 = 6 × 12 = 72か月
一式の総額720,000円 ÷ 72か月 = 月10,000円

この720,000円は相場ではありません。 割り算の動きを見るために置いた、仮の数字です。

次に、1組が残す粗利で割ります。

1組あたりの粗利 = 客単価3,000円 × 3人 × 粗利率0.5 = 4,500円
10,000 ÷ 4,500 = 2.22 → 月3組(切り上げ)
30 ÷ 3 = 10 → 10日に1組
検算:3 × 4,500 = 13,500円 → 月10,000円を上回る

看板を見て入った組が、10日に1組増えれば釣り合う計算になります。 3,000円も3人も粗利率0.5も、仮の置き方です。 自分の平均単価と、直近の粗利率に差し替えて計算し直してください。

人数で来る業態は、1組あたりの粗利が大きくなります。 必要な組数が小さく出るぶん、面を足す判断はしやすくなります。

Step 5

時間帯ごとの入店を並べ、暗い面から直す

会計の記録は、そのまま面の成績表になります。

入店した組の人数を、時間帯ごとに残す

会計の記録に人数が入っていれば足ります。時間帯で分けるだけで、弱い時間が見えます。

受付で聞かれた質問を、1週間書き出す

同じ質問が繰り返されるなら、その答えが入口の面に足りていません。

入口の前を通る人と、入った人を10分数える

同じ曜日、同じ時間に数えます。通る量と入る量の比が分かります。

人の多い時間に、通りの端から歩いてみる

自分の面が、周りの面に埋もれていないか確かめます。読めない面がその場で分かります。

上から順に、手間の軽い方法です。 1番目は、すでにある記録を並べ替えるだけで済みます。

見る時期を決める

2週間曜日ごとの差を見ます。金曜と火曜を混ぜないでください。
1か月時間帯ごとの組数を並べ、狙った時間帯が動いたか確かめます。
3か月前の3か月と比べます。連休や試験期の偏りが、ここでならされます。
1年色あせと光源の劣化を見ます。許可の期限を確かめる時期でもあります。

この業態の来店は、曜日で大きく揺れます。 金曜と火曜を同じ枠で数えても、面の効き方は見えません。 曜日をそろえて並べると、変化が読み取れます。

効かないときは、この順で疑う

  1. 1
    人の多い時間に、通りの端から歩き直す

    費用はかかりません。埋もれている面と、影に入る面がここで分かります。

  2. 2
    面の前の置き物と、のぼりを片づける

    足元に物が増えるほど、遠景の面は見えにくくなります。置き場所を決めれば戻りません。

  3. 3
    入口の手前の面から、載せた項目を一つに減らす

    上から貼るだけで済むことがあります。減らすほど、決め手が大きく置けます。

  4. 4
    地の色と文字の明暗差を大きくする

    光の量を増やすより安く済みます。周りが明るい通りほど効きます。

  5. 5
    階段の面に、上がった先の写真を1枚足す

    中が見えない不安は、写真1枚で下がります。差し替えられる作りにします。

  6. 6
    通る量の多い方向に、面を一つ足す

    直すより、抜けている向きを埋めるほうが早く効きます。作り直しは、この後です。

上のほうほど、費用をかけずに手を打てます。 1番から3番は、その日のうちに終わります。 面を作り直すのは、六つを試した後です。

Pitfalls

よくある失敗5パターン

どれも、面を一つ足すか、載せた項目を減らすことで手当てできます。

失敗何が起きるか直し方
入口の真上だけに面を作った通りの端から見つけられない通りの端から見える位置に、店名の面を一つ足す
料金も時間も年齢も並べたどれも読まれずに通り過ぎる入口の手前は一つに絞り、残りは入口の面へ移す
周りより明るくしようとした光の量が増えても埋もれる明るさではなく、地の色との明暗差を大きくする
階段の先を見せなかった上がる前に引き返される上がった先の写真を1枚、階段の入口に置く
年齢や時間の表示を入口に出さなかった断るたびに受付で説明が要る入口の面に、入場の条件を短く出す
Checklist

セルフチェックリスト

発注の直前に使います。5つ以上「いいえ」があれば、見直す余地があります。

  • 来店の記録から、多い人数を数えた
  • その人たちが入る前に確かめることを書き出した
  • 入口の手前で読ませる一言を、一つに絞った
  • 通りの端から店名が読めることを、歩いて確かめた
  • 読ませたい距離から、文字の高さを割り算で出した
  • 明るさではなく、明暗差で目立たせる作りにした
  • 階段やエレベーターの前に、上がった先が分かる面を置いた
  • 入口の面に、営業時間と入場の条件を出した
  • 置き看板が、通路や非常口をふさいでいない
  • 共用部に出せる面の位置を、貸主や管理者に確かめた
  • 人の多い時間に、外から自分の面を見た
  • 掲出の年数で費用を割り、必要な組数に直した
FAQ

よくある質問

遊ぶ施設の看板は、何から決めればいいですか?
来る人数からです。会計の記録に何人連れが多いかが残っています。人数が決まると、入口の手前で読ませる一言が決まります。
入口の手前の看板には、何を載せればいいですか?
一つだけです。受付で繰り返し聞かれる質問の答えを選びます。料金と時間と年齢を並べると、どれも読まれません。
繁華街で目立たせるには、明るくすればいいですか?
明るさより明暗差です。周りの面もすべて光っているため、光の量を増やしても埋もれます。地の色と文字の差を大きくするほうが安く効きます。
夜間の営業や年齢の表示に、決まりはありますか?
ある場合があります。業態と地域によって、営業できる時間や入場の条件の示し方が変わります。県の条例が及ぶ地域と市が独自の条例を持つ地域もあるため、管轄の窓口へお尋ねください。
効いているかは、いつ判断しますか?
曜日の差は2週間で見えます。時間帯ごとの組数は1か月ためると傾向が出ます。連休や試験期の偏りは、3か月ずつまとめると落ち着きます。
予算が限られる場合、どこから手を付けますか?
通りの端から見つかる面が先です。入口をどれだけ整えても、そこまで歩いて来ない人には届きません。階段の写真は、貼り替えられる紙からでも始められます。

まとめ

連れ立って来る客に向けた看板は、次の順序で決まります。

1 誰と来るかを見る会計の記録から多い人数を調べ、決め手を一つに絞る。
2 面を配る通りの端で見つけ、手前で決めさせ、入口で確かめさせる。
3 決まりを確かめる営業の時間、入場の条件、共用部の制約を先に聞く。
4 費用を割る掲出の年数で総額を割り、1組あたりの粗利で組数へ直す。
5 並べて直す時間帯ごとの入店を並べ、埋もれた面から手を入れる。

読ませる位置は、載せる内容より先に決まります。 決め手を手前へ寄せるだけで、同じ面がよく働くようになります。

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面の数も光らせ方も、まだ何も決まっていない段階で構いません。 夜の見え方まで含めて現地を見てくれるか、共用部の決まりを貸主と詰めてくれるか。この二つは比べられます。