看板集客 / 2026年9月7日 更新 / 読了目安 約12分

コインランドリーの看板
24時間の無人店に呼ぶ5ステップ

これからコインランドリーの看板を考える方へ。 この店の看板は、営業時間が切れないぶん、夜のほうが長く働きます。 店員は説明できません。 外の面で見つけてもらい、中の表示で迷わせない。役割はこの二つに分かれます。

5手順時間帯の決め方から直し方まで
4役割外の面と中の表示
12項目発注前に見る点
この記事でわかること

来る時間帯と手段から、読ませる距離を決める手順/ 外の面と中の表示に、役割を振り分ける考え方/ 夜の光と、近隣・法令の確認どころ/ 常時点ける面の電力量を、自分で出す計算/ 掲出の年数で総額を割り、利用回数に直す式/ 稼働の記録を並べ、安い順に手を入れる順番

説明する人がいない店では、看板が接客を引き受ける

コインランドリーの相談では、機械の台数や配置から話が始まります。 ところが利用者が最初に困るのは、開いているかどうかと、どう動かすかです。

起きやすいのは、次の四つです。 外の面に料金表まで載せ、離れると何の店か読めない。 照明のタイマーを季節で合わせず、暗い時間ができる。 機械の使い方を一枚にまとめ、前で行列ができる。 近くの住戸への光の向きを、掲出してから指摘される。

どれも、発注の前に決めておけば起きません。 時間帯を決め、役割を振り分け、光と決まりを確かめ、費用を割り、記録から直す。 この五つを順に埋めます。

Step 1

来る時間帯と手段から、読ませる距離を決める

24時間開けても、面が働く時間は向きと明るさで決まります。

一日を三つの時間帯に割る

出勤前の朝、仕事帰りの夜、休日の昼。来る人も持ち込む量も違います。まず、どの時間帯を取りたいかを決めます。

来る手段ごとに、面が見えている距離を測る

歩き、自転車、車。手段が変われば、読ませられる秒数が変わります。現地で歩数を数えれば足ります。

夜の見え方を、日没後に確かめる

昼に選んだ場所が、夜には木や電柱の影に入ります。暗くなってから同じ道を通ってください。

近くの住戸から、面がどう見えるかを確かめる

正面だけでなく、上と横からも見ます。窓に光が入る向きは、掲出の前に分かります。

洗濯物を抱えて歩く人と、車で寄る人。 同じ面を、まったく違う速さで見ています。

来る手段秒速に直すと面を読ませられる時間
歩き(時速4km)秒速 約1.1m20mで約18秒
自転車(時速15km)秒速 約4.2m30mで約7.1秒
車(時速40km)秒速 約11.1m40mで約3.6秒

車から読ませる面は、この秒数から文字数が決まります。

時速40km = 40,000 ÷ 3,600 = 秒速 約11.1m
40m見えていれば 40 ÷ 11.1 = 約3.6秒
判断に使えるのを2秒、1秒に読めるのを2〜3文字と置く(目安)
2 × 2 = 4 / 2 × 3 = 6 → 4〜6文字

外の面に載るのは、業種名と店名でほぼ終わりです。 歩く人には18秒あります。読ませたい細かい話は、そちらへ回します。

車で寄る人の動きは、駐車のしかたで変わります。 区画と誘導の考え方は駐車場の看板にまとめました。

Step 2

外の面と中の表示に、役割を振り分ける

店員が説明していたことを、貼る場所ごとに切り分けます。

外の面と中の表示では、読む人の姿勢が違います。 外は通りすがり、中は立ち止まっています。

面の役割その場の問い載せるもの
遠くから見つける面ここは何の店か業種名と店名の二つ
入口で判断する面今すぐ使えるのか営業時間と、空きの分かる窓
機械のそばの表示どう動かすのか番号、手順、支払いの方法
困ったときの表示誰に連絡するのか連絡先と、機械の番号
外の面には、業種名と店名だけを載せる

車から読めるのは4〜6文字です。料金も機械の台数も、外の面では読まれません。中の表示へ回します。

「24時間」は、外の面に入れる価値がある

通る人が知りたいのは、今この時間に開いているかです。短く、他の文字より大きく置きます。

店員が説明していたことを、貼る場所ごとに分ける

一枚にまとめると読まれません。使う機械の前に、その機械のことだけを貼ります。

文字の高さを割り算で出す

読ませたい距離が決まれば、高さは計算で求まります。

文字の高さ = 視認距離 ÷ 250 〜 視認距離 ÷ 500
40m先(道路から) → 40,000 ÷ 500 = 80mm / ÷ 250 = 160mm → 8〜16cm
20m先(歩道から) → 20,000 ÷ 500 = 40mm / ÷ 250 = 80mm → 4〜8cm
5m先(機械の表示) → 5,000 ÷ 500 = 10mm / ÷ 250 = 20mm → 1〜2cm

この幅は、明るい場所で正面から見た値です。 書体、地の色との明暗差、周りの明かりの量で変わります。 夜に働かせる面は、大きいほうへ寄せてください。 明るさの選び方は電飾看板・LED看板で扱っています。

中の表示は、機械の前で切り分ける

洗い方も乾かし方も支払いも、一枚にまとめると読まれません。 読む人は、目の前の一台をどう動かすかしか考えていないからです。 機械ごとに番号を振り、その機械の前に、その機械の手順だけを貼ってください。 説明を表示へ移す考え方は無人店舗の看板にまとめてあります。

Step 3

夜の光と、近隣の決まりを確かめる

この店は、人が寝ている時間にも光り続けます。

住宅に囲まれた立地は、この業態では珍しくありません。 掲出したあとに向きを変える工事は、最初に確かめるより高くつきます。

屋外広告物としての扱い面積と高さの上限。表示できる期間と、更新の時期。
光の量と時間住居のある地域では、明るさや点灯時間に制限がかかる場合がある。
敷地からはみ出す面道路の上に出る部分があると、別の手続きが要ることがある。
深夜の音と車の出入り看板そのものではないが、掲出の位置で動線が変わる。
貸主・管理者の承諾借りた建物なら、取り付けの方法と外すときの状態を先に決める。
電源の引き回し常時点けるなら、経路と切り替えの方法を工事の前に決める。

屋外広告物としての扱いは、土地によって違います。 県の条例が及ぶ地域と、市が独自の条例を持つ地域に分かれます。 許可に表示できる期間が定められ、更新の手続きが要る場合もあります。 要否と様式は、管轄の窓口へお尋ねください。 流れそのものは屋外広告物の許可にまとめました。

常時点ける面の電力量を、自分で出す

24時間点ける面は、消したり点けたりする面と桁が変わります。

消費電力を40Wと置く
40W × 24時間 = 960Wh = 0.96kWh/日
0.96 × 30日 = 28.8kWh/月
これに、検針票にある1kWhあたりの単価を掛ける

単価は契約で違うため、ここでは掛けません。 自分の検針票の数字を入れると、月あたりの電気代が出ます。 消費電力を半分にすれば、電力量も半分になります。 電源と配線の決め方は光る看板の電気にあります。

光の向きは、掲出の前に現地で確かめる

近くの住戸から見て、光が窓へ直に入らない向きを選びます。 面の角度を数度振るだけで、届き方は変わります。 点灯の終わりの時刻を決めておくと、話し合いの材料になります。 近隣への配慮の進め方は看板と近隣への配慮で扱っています。
※ 明るさの上限、点灯時間の制限、掲出の可否は地域により異なります。着工前に管轄の窓口へお確かめください。

Step 4

掲出の年数で割り、必要な利用回数を出す

1回の利用で見ると、判断できる大きさの数字になります。

費用が動くところを見る

面の数道路側、入口、機械のそば。数がそのまま総額に効く。
光らせるかどうか電源工事の有無で、工事の範囲が変わる。
取り付ける先自立で立てるか、建物に付けるか。基礎の要否で変わる。
中の表示の作り方紙で貼るか、板にするか。差し替えの回数で選ぶ。
書き換えの見込み料金や台数を変える予定があるなら、差し替えられる作りにする。
撤去と原状回復外す日、外す人、壁を戻す範囲。

紙で貼るか、板にするか。中の表示は、差し替えの回数で選びます。 掲載社が公開している金額は、看板の費用に種類別にまとめました。

月あたりに直し、回数まで落とす

5年 = 5 × 12 = 60か月
一式の総額480,000円 ÷ 60か月 = 月8,000円

この480,000円は相場ではありません。 割り算の動きを見るために置いた、仮の数字です。

次に、1回の利用で残る粗利で割ります。

1回あたりの粗利 = 客単価600円 × 粗利率0.5 = 300円
8,000 ÷ 300 = 26.6 → 月27回(切り上げ)
30 ÷ 27 = 1.11 → 約1.1日に1回
検算:27 × 300 = 8,100円 → 月8,000円を上回る

看板を見て来た人の利用が、ほぼ1日に1回増えれば釣り合う計算になります。 600円も粗利率0.5も、仮の置き方です。 自分の平均単価と、直近の粗利率に差し替えて計算し直してください。

この式は、面ごとにも使えます。 道路側に1面足す費用を同じように割れば、その面が何回を連れて来れば釣り合うかが出ます。 小さな面ほど、必要な回数は小さくなります。

Step 5

稼働の記録を時間帯で並べ、暗い面から直す

無人の店では、機械の記録が聞き取りの代わりになります。

機械の稼働回数を、時間帯で分けて並べる

多くの機械は稼働の記録が残ります。曜日と時間帯に分けるだけで、弱い時間が見えます。

夜に外から自分の店を見る

道路の反対側と、来る方向の両方から見ます。読めない面がその場で分かります。

入口に二次元コードの短い質問を貼る

「何で知りましたか」の一問だけにします。無人の店では、口頭で聞けない代わりになります。

前を通る人と車を、10分だけ数える

同じ曜日、同じ時間に数えます。増減の比較に使える、いちばん安い記録です。

上から順に、手間の軽い方法です。 1番目は、すでに手元にある記録を並べ替えるだけで済みます。

見る時期を決める

2週間曜日ごとの差を見ます。休日と平日を混ぜないでください。
1か月時間帯ごとの稼働を並べ、狙った時間帯が動いたか確かめます。
3か月前の3か月と比べます。天気の偏りが、ここでならされます。
1年色あせと光源の劣化を見ます。許可の期限を確かめる時期でもあります。

この業態の稼働は、天気で大きく揺れます。 雨の続いた週と、晴れの続いた週を並べても、面の効き方は見えません。 3か月でひとまとめにすると、揺れがならされます。

効かないときは、この順で疑う

  1. 1
    日没後に、外から見て回る

    費用はかかりません。暗い面と、影に入る面が、この時点でほとんど分かります。

  2. 2
    点灯の時刻を、日没に合わせ直す

    タイマーは季節でずれます。年に2回合わせるだけで、暗い時間が消えます。

  3. 3
    面の前の植木と自転車を片づける

    下半分が隠れると、店名は読めません。置き場所を決めれば戻りません。

  4. 4
    外の面から、料金と台数を外す

    既存の面に上から貼るだけで済むことがあります。減らすほど、店名が大きく置けます。

  5. 5
    「24時間」を、他の文字より大きく置き直す

    通る人が最初に確かめるのは、開いているかどうかです。

  6. 6
    道路側に、小さな面を一つ足す

    直すより、抜けている向きを埋めるほうが早く効きます。作り直しは、この後です。

上のほうほど、費用をかけずに手を打てます。 1番から3番は、その日のうちに終わります。 面を作り直すのは、六つを試した後です。

Pitfalls

よくある失敗5パターン

どれも、貼る場所を変えるか、載せた文字を削ることで手当てできます。

失敗何が起きるか直し方
外の面に料金表を載せた離れると何の店か読めない料金は入口の面へ移す。外は業種名と店名に絞る
照明のタイマーを季節で合わせなかった暗い時間に店が消える日没時刻に合わせ、春と秋に見直す
機械の使い方を一枚にまとめた前で立ち止まり、行列になる機械ごとに切り分けて、その機械の前に貼る
連絡先を事務室の中だけに貼った止まったとき、外から連絡できない入口の内側と機械のそばに、同じ連絡先を出す
近くの住戸への光を確かめなかった掲出のあとに向きを変える工事が要る掲出前に、夜の光の向きを現地で確かめる
Checklist

セルフチェックリスト

発注の直前に使います。5つ以上「いいえ」があれば、見直す余地があります。

  • 取りたい時間帯を、朝・夜・休日の中から決めた
  • 来る手段ごとに、面が見えている距離を測った
  • 車から読ませる文字を、4〜6文字に収めた
  • 読ませたい距離から、文字の高さを割り算で出した
  • 外の面に、業種名と店名以外を載せていない
  • 「24時間」を、外の面のどこに置くか決めた
  • 日没後に、外から自分の面を見た
  • 近くの住戸から、光がどう見えるかを確かめた
  • 機械ごとの表示を、その機械の前に分けて貼った
  • 止まったときの連絡先を、外から見える場所に出した
  • 常時点ける面の電力量を、自分で計算した
  • 掲出の年数で費用を割り、必要な利用回数に直した
FAQ

よくある質問

コインランドリーの看板は、何から決めればいいですか?
取りたい時間帯からです。朝の出勤前、仕事帰りの夜、休日の昼で、来る人も来る手段も変わります。時間帯が決まると、面をどこに向けるかが決まります。
外の看板には、どのくらいの文字を載せられますか?
車から読ませるなら4〜6文字です。時速40kmは秒速約11.1mで、判断に使えるのは2秒ほどしかありません。業種名と店名で、ほぼ埋まります。
夜の照明は、どこまで気をつければいいですか?
光の向きと点灯の時刻の二つです。住居のある地域では、明るさや時間に制限がかかる場合があります。掲出の前に、管轄の窓口へお尋ねください。
機械の使い方は、看板にまとめて書くべきですか?
一枚にまとめないでください。使う機械の前に、その機械のことだけを貼ります。まとめた表示は前で立ち止まる人を生み、通路がふさがります。
効いているかは、いつ判断しますか?
曜日の差は2週間で見えます。時間帯ごとの稼働は1か月ためると傾向が出ます。前年との比較は、3か月ずつまとめてから並べてください。
予算が限られる場合、どこから手を付けますか?
道路側から見つかる面が先です。中の表示は紙でも役に立ちますが、店の存在は外の面でしか伝わりません。順番を入れ替えると、掲出しても人が来ません。

まとめ

24時間動く無人の店の看板は、次の順序で決まります。

1 時間帯を決める朝・夜・休日のどれを取るかを決め、来る手段ごとに距離を測る。
2 役割を振り分ける外は業種名と店名。手順は機械の前へ分けて貼る。
3 光と決まりを確かめる向き、点灯時刻、掲出の許可を窓口と貸主に確かめる。
4 費用を割る掲出の年数で総額を割り、1回あたりの粗利で回数へ直す。
5 記録から直す稼働を時間帯で並べ、暗い面と隠れた面から手を入れる。

店員が説明できない店では、削った表示ほどよく読まれます。 外は見つけてもらうため、中は迷わせないため。役割を混ぜないことです。

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面の数も明るさも、まだ何も決まっていない段階で構いません。 夜の見え方まで含めて現地を見てくれるか、中の表示も一緒に作れるか。この二つは比べられます。