看板集客 / 2026年9月8日 更新 / 読了目安 約13分

保険代理店の看板の作り方
相談しやすさを出す5ステップ

これから来店相談型の店舗の看板を決める方へ。 形のない商品を扱う店は、外から中の様子が読めません。 並んでいる品物も、値札も、外には出せない。 代わりに出せるのは、扉を開けたあとに何が起きるかです。

5手順入店後の設計から記録まで
3.6面の前を通り過ぎる時間
12項目発注前に見る点
この記事でわかること

入店の敷居を下げるために、先に決めておく四つ/ 面ごとに載せる内容と、文字数の上限の目安/ 取り扱う会社の名称とロゴを出すときの確かめ方/ 屋外に出す面で、届け出が要る場合の調べ方/ 看板の費用を月あたりに直し、回収に必要な件数を出す式/ 来店経路を記録し、作り直さずに直す順番

入る前に、中で何が起きるかを知りたがる

飲食店なら、外から料理の写真を出せます。 物販なら、扉越しに商品棚が見えます。 相談を受ける店には、その手が使えません。 だから外に出す情報の中身が、他の業種と変わります。

起きやすいのは、次の四つです。 会社名と「保険」の二語だけが大きく出ていて、中で何をするのか伝わらない。 相談だけで帰ってよいと書いておらず、入るのをためらわれる。 取り扱う会社のロゴを並べたが、提携先が定めた表示の形と合っていない。 予約が要るかどうかが、面と電話とで食い違っている。

いずれも、面をきれいに作り直しても解けません。 入店後に起きることを決め、面に分けて書き、きまりを確かめ、費用を計算し、来店経路を記録する。 この五つを順に埋めます。

なお、同じ相談型でも、士業事務所は名乗り方の決まりが先に来ます。 資格の名称をどう出すかから決める場合は、士業事務所の看板の作り方をご覧ください。 このページは、扱う商品が形を持たない来店型の店に絞ります。

Step 1

入ったら何が起きるかを決める

面に書く言葉は、店の中で起きることの要約です。中身が先に決まります。

契約せずに帰れることを、言葉にする

その一言が入口の役目を果たします。社内で当たり前になっていると、書き漏らします。

相談が有料か無料かを、はっきりさせる

外からは想像できません。書かない限り、有料だと思われたまま通り過ぎられます。

飛び込みを受けるかどうかを決める

時間を押さえてもらう形なら、載せる連絡先も変わります。受け方が先、面はその後です。

話を聞く人と、対応できる時間を整理する

担当が1人なら、不在の時間帯が生まれます。曜日と時間帯を、紙の上で並べてみてください。

四つのうち、いちばん効くのは1番目です。 契約せずに帰れると分かれば、扉を開ける理由が生まれます。 逆にここが空白だと、通行人は最も重いほうへ想像を寄せます。

来店の目的は、いくつかに分かれます。 目的ごとに、中で起きることと、外に出す一言を並べておきます。

来店の目的中で起きること外に出す一言
はじめて相談する希望を聞き、選べる範囲を並べるはじめての方も相談できます
いまの内容を見直す手元の書類を見ながら比べる証券をお持ちください
契約の中身を変える住所や受取人の変更を書く本人確認の書類が要ります
請求のしかたを聞く書類の書き方を一緒に確かめる窓口でご案内します

所要時間と持ち物を、先に書く

時間が読めない用事は、後回しにされます。 一度の相談にどれだけかかるか、実際に測って書きます。

聞き取り 15分
説明 20分
手続きの案内 10分
15 + 20 + 10 = 45分

この45分は、仮に置いた内訳です。 自分の店で3回測り、その平均に差し替えてください。 持ち物がある場合も、同じ場所に書きます。 証券や本人確認の書類は、手ぶらで来た人を二度手間にします。

Step 2

見せる面と載せる内容を決める

面を増やすより、1面あたりの役目を1つに絞るほうが読まれます。

面は、見る距離で役割が分かれます。 遠くの面は業種を伝えるだけ、手前の面は入る理由を伝える。 1つの面に二つの役目を持たせると、どちらも読まれません。

載せる内容上限の目安
建物の上・袖の面業種と店名10字まで
入口の上の面中でできること1行20字まで
ガラス面・入口の横相談の流れと所要時間60字まで
足元の置き看板今日の受付と予約の要否40字まで

上の2行は、歩きながら読む面です。 歩く速さを時速4kmと置くと、面の前にいる時間はこう出ます。

4,000m ÷ 3,600秒 = 秒速1.11m
面の前を4m歩く間 = 4 ÷ 1.11 = 約3.6秒

遠くの面と入口の上は、この3.6秒で読み切れる量に収めます。 荷物や同行者の有無で、歩く速さは変わります。 下の2行は、足を止めて読む面です。字数を増やせるのは、立ち止まる前提があるからです。 文字の高さそのものの出し方は看板の大きさの決め方にまとめました。

載せるのは、業種名と「中でできること」の2つまで

扱う分野を全部並べたくなりますが、並べるほど1つあたりの文字が小さくなります。 遠くの面から削り、手前の面に情報を寄せてください。 細かい説明は、立ち止まって読む位置に置くと生きます。

ガラス面は、外から中が見える度合いを決める場所でもあります。 全面を覆うと、相談中の様子が守られる代わりに、入りにくくなります。 腰から下だけ目隠しにする形が、間を取る方法です。

ビルの一室に入っている場合は、建物の共用部での案内が別に要ります。 入口から部屋までの導き方はオフィス・事務所の看板の作り方で扱っています。

Step 3

表示のきまりと許可を確かめる

面に載せてよい言葉は、自分だけでは決められません。

取り扱う会社の名称やロゴを出すときは、提携先の許諾が要ります。 取り扱う会社ごとに表示のきまりがあります。 文字の色、ロゴのまわりに空ける余白、並べる順序まで指定される場合があります。

取り扱う会社の名称出してよい範囲と書き方を、提携先の担当へ確かめる。
会社や商品のロゴ使える形式と、まわりに空ける余白の指定を受け取る。
商品名と保障の説明取り扱う会社ごとに表示のきまりがあります。文面を先に見てもらう。
比較や優劣を思わせる語使えるかどうかを、事前に提携先へ確かめる。
屋外に出す面の許可大きさと位置によって、届け出が要る場合がある。
借りている建物の規約貸主の許可が要る面を、契約書から洗い出す。

デザインの段階で聞いておけば、作り直しになりません。 入稿の直前に確認すると、日程が動きます。 他社のロゴや画像を使うときの権利の考え方は、看板に使う画像と権利にまとめてあります。

ロゴを並べるほど、伝わる情報は減る

取り扱いが多いことは、店の強みです。 ただし通行人は、ロゴの数から相談のしやすさを読み取れません。 扉のまわりに小さくまとめ、主役の1行を空けておくほうが届きます。

文面は、自分の判断だけで決めない

保障の内容にふれる言い回しや、他と比べる形の表現には、注意が要ります。 面に出す文案は、提携先の担当と、管轄の窓口へご確認ください。 屋外に出す面の大きさと位置についても、届け出が要る地域があります。
※ 表示の可否、必要な届け出、許諾の範囲は、取り扱う会社と地域により異なります。判断が必要な場合は、提携先および専門の窓口へご相談ください。

屋外広告物の許可は、県の条例が適用される地域と、市が独自の条例を持つ地域があります。 更新の時期も地域で違います。 調べる順番は屋外広告物の許可ガイドに整理しました。

Step 4

費用と回収ラインを計算する

総額ではなく、月あたりに直してから相談件数と並べます。

費用が動くところを見る

面の数製作と取り付けが、面の数だけ積み上がる。
面の大きさ材料と、取り付けにかかる手間が変わる。
夜に光らせるか電気の引き込みと、器具の分が乗る。
ガラス面の作り込み外から中が見える度合いを変えると、シートや造作が加わる。
差し替えのしやすさ貼り替えできる作りにすると、後から直す費用が下がる。
取り扱いが変わる可能性会社名を面に彫り込むと、変わるたびに作り直しになる。

最後の1行は、この業種でとくに効きます。 取り扱う会社が入れ替わる可能性があるなら、差し替えられる作りを選んでおきます。 掲載社が公開している金額は、看板の費用に種類別にまとめました。

月あたりに直して、件数に換算する

仮に720,000円を60か月(5年)使うと置く
720,000 ÷ 60 = 12,000円/月

この720,000円は相場ではありません。 式の形を見るために置いた、仮の数字です。

次に、1件あたりの粗利で割ります。

1件あたりの粗利を24,000円と置く
12,000 ÷ 24,000 = 0.5件/月 → 2か月に1件でトントン

看板は契約を取る道具ではなく、相談の席に座ってもらう道具です。 だから件数を、もう一段だけ相談の側へ戻します。

相談から先に進む割合を0.25(4件に1件)と置く
0.5 ÷ 0.25 = 2件/月 → 月に2件の相談で釣り合う

月に2件なら、2週間に1人です。 24,000円も0.25も、仮の置き方です。 自分の粗利と、直近の実績に差し替えて計算し直してください。

Step 5

来店経路を記録して直す

記録がないと、直す先を勘で選ぶことになります。

受付票に、きっかけを書く欄を作る

「何を見て来られましたか」の1行で足ります。紙のままで構いません。

話の冒頭で聞き、その場で印をつける

選択肢を四つほど刷っておくと、書く手間が数秒で済みます。

面ごとに違う二次元コードを分ける

入口用とガラス面用を別にすれば、読み取り数が面ごとに分かれます。

予約の申込画面に、選択肢を置く

来店前に答えてもらえるため、忙しい時間帯でも記録が途切れません。

上から順に、手間の軽い方法です。 1番目は、今ある受付票に線を1本引くだけで始まります。

面ごとに二次元コードを分ける方法は、読み取り数が数字で残る点が強みです。 置き方と読み取りやすい大きさは看板の二次元コードにまとめてあります。

記録は、紙1枚で足りる

仕組みを作り込むと、忙しい日に書かれなくなります。 選択肢を四つほど印刷し、丸を付けるだけの形にしてください。 月末に数えるのは、集計ではなく多い順に並べるためです。

見る時期を決める

2週間入店した人数だけを数えます。面の前で足が止まるかを見ます。
1か月相談として席に着いた件数を見ます。入店との差が、入口の言葉の効き方です。
3か月相談から先に進んだ件数を見ます。ここではじめて回収の計算と並べます。
半年書いてある内容そのものを見直します。面の位置は、その次に疑います。

相談から先に進むまでには時間がかかります。 1か月の数字だけで、面の良し悪しを決めないでください。 入店した人数と、席に着いた件数を分けて数えると、どこで止まっているかが見えます。

届いていないときは、この順で疑う

  1. 1
    欠けている項目を足す

    相談だけで帰れること、費用、予約の要否。この三つのうち、書いていないものがないか読み返します。

  2. 2
    貼る高さを変えてみる

    立ち止まる位置から、目の高さに来ているか。紙を貼り替えるだけで試せます。

  3. 3
    文字を減らす

    通り過ぎる時間で読み切れるかを見ます。減らすほうが先で、大きくするのは後です。

  4. 4
    予約の受け口を1つ足す

    電話しか出していないなら、営業時間外は受けられません。書き込める窓口を並べます。

  5. 5
    夜と雨の日に、自分で前に立つ

    日が落ちてから確かめます。読めない面は、照明の向きで直ることがあります。

  6. 6
    面そのものを作り直す

    五つを試したうえで、それでも届かないときに考えます。

1番から3番までは、貼り紙とテープで試せます。 費用のかかる手当ては、後ろに置いてあります。 作り直しを検討するのは、六つを踏んだ後です。

Pitfalls

よくある失敗5パターン

どれも、面を作り直さずに手当てできます。

失敗何が起きるか直し方
会社名と「保険」だけを大きく出した何ができる店か伝わらず、通り過ぎられる入口の面に、中でできることを1行足す
取り扱う会社のロゴを並べた読む情報が増え、相談の入口が埋もれるロゴは扉まわりに小さくまとめ、主役の1行を残す
相談の費用に触れなかった有料だと思われ、入るのをためらわれる費用の有無を、目の高さに1枚貼る
予約の要否が、面と電話で食い違った来た人を待たせ、次の予約も取れなくなる面の文言に、電話の案内を合わせる
来店経路を記録しなかったどの面が効いたか分からず、直す先を選べない受付票に欄を1つ足し、翌日から書き始める
Checklist

セルフチェックリスト

発注の前に使います。5つ以上「いいえ」があれば、見直す余地があります。

  • 相談だけで帰れるかどうかを決めて、面に書いた
  • 相談に費用がかかるかどうかを、面に書いた
  • 予約が要るか要らないかを、面に書いた
  • 相談1回にかかる時間を、実際に測って書いた
  • 持ち物がある場合、その名前を面に書いた
  • 面ごとに、役目を1つに絞った
  • 遠くから見る面の文字数を、上限の中に収めた
  • 取り扱う会社の名称とロゴの扱いを、提携先に確かめた
  • 屋外に出す面の届け出について、管轄の窓口へ問い合わせた
  • 看板の費用を月あたりに直して、必要な件数を出した
  • 受付票に、来店のきっかけを書く欄を作った
  • 予約の受け皿を、電話以外にも用意した
FAQ

よくある質問

保険代理店の看板は、何から決めればいいですか?
店に入ったあと何が起きるかを決めることからです。相談だけで帰れるか、費用はかかるか、予約は要るか。この三つが決まれば、外に出す言葉も決まります。
取り扱う保険会社の名前やロゴを、看板に出してよいですか?
出せる範囲は、取り扱う会社ごとのきまりによります。書き方や形式の指定を受けている場合があるため、提携先の担当へ先にご確認ください。支給されたデータをそのまま使う形が確実です。
文字はどれくらいの量に収めればいいですか?
前を通り過ぎる時間から逆算します。時速4kmで4m進む間は3.6秒ほどです。遠くの面なら10字、入口の上なら20字を上限の目安に置いてください。
効果は、いつ判断すればいいですか?
入店した人数は2週間、席に着いた件数は1か月で見ます。契約まで含めた判断は3か月より前に下さないでください。相談から先に進むまでに時間がかかるためです。
すでに出している看板を、作り直さずに直せますか?
多くは、書いてある内容の差し替えで足ります。費用の有無、所要時間、予約の要否。この三つが面に無ければ、貼り紙1枚から試せます。
予算が限られる場合、どこから手を付けますか?
入口の目の高さに、中で起きることを1行貼ることからです。ほとんど費用はかかりません。面を増やすのは、その1行で足が止まるか確かめた後にします。

まとめ

来店相談型の店舗の看板は、次の順序で決まります。

1 入店後を決める相談だけで帰れるか、費用、予約の要否、対応できる時間を決める。
2 面と内容を決める面ごとに役目を1つに絞り、通り過ぎる時間で読める量に収める。
3 きまりを確かめる名称とロゴの扱いを提携先へ、屋外に出す面を管轄の窓口へ確かめる。
4 費用を計算する月あたりに直し、粗利と相談の割合で必要な件数を出す。
5 経路を記録する受付票にきっかけを残し、安く直せる順に手を入れる。

外に出す一行が決まらないのは、中で起きることが決まっていないからです。 まず紙に、扉を開けてからの45分を書き出してください。 看板の文案は、その要約として出てきます。

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