看板の二次元コード
スマホへつなぐ6ステップ
看板に読み取りコードを載せようとしている方へ。 看板は場所に固定され、伝えられる字数にも限りがあります。 コードは、その先を端末に引き受けてもらう仕組みです。
読み取った人にしてほしい行動を、1つに決める手順/ 立ち止まれる面と、置いても読まれない面の見分け方/ 読ませたい距離から、一辺の大きさを出す目安/ 掲示に要る手続きと、貸主の承諾の取り方/ 表示の費用を年あたりに直し、必要な客数を出す計算式/ 面ごとに読み取り数を分けて数える方法
コードは、看板の字数の限界を越えるための道具です
看板に載せられる字数には上限があります。 載せたい情報が多いほど、文字は小さくなります。 コードを置けば、細かい情報を端末の画面へ移せます。
ただし、置き方を決めないまま載せると、こうなります。走る車から見る面に置いたため構える時間がない。 コードだけを置いたため、何が起きるか分からず誰も構えない。長い住所のまま作ったため模様が細かく、 離れると読めない。行き先を差し替えられない形にしたため、内容が変わるたび板ごと作り替えになる。
行き先を決め、置く面を選び、大きさを出し、手続きを確かめ、 費用を年あたりに直し、読み取り数を測る。 この6つで、置くべきかどうかまで判断できます。
扱うのは、看板の面にコードを載せる場合の決め方です。 読み取りの規格そのものや、行き先の作り方は含みません。 掲示の扱いは地域で変わりますので、管轄の窓口へご確認ください。
読み取った人の行き先を決める
先に決めるのは大きさではなく、行き先です。
コードの大きさや置き場所は、行き先が決まれば自動的に絞られます。 逆に、行き先を決めないまま板に載せると直せません。 読み取った人が次にする行動を、1つだけ選んでください。
- 1読み取った人が、次に何をするかを1つ書く
予約する、地図を開く、品ぞろえを見る。行動を1つに決めます。決めないまま置くと、入口の画面で止まります。
- 2行き先の画面を、実際に自分の端末で開く
文字が小さい、読み込みが遅い、目的の場所まで遠い。開いた瞬間に閉じられる原因はここで見つかります。
- 3行き先を1画面で終わらせる
看板から来た人は、立ったまま見ています。押す回数が増えるほど離脱します。1回で終わる形にします。
- 4行き先を後から差し替えられるようにする
転送を挟めば、板を替えずに行き先を変えられます。季節ごとに内容を替える予定があるなら必須です。
- 5行き先の住所を短くする
文字数が増えるほど、コードの模様は細かくなります。細かいほど、離れた位置から読めなくなります。
4番目を飛ばすと、後で高くつきます。 転送を1つ挟んでおけば、板に印刷した模様はそのままで行き先だけ替えられます。 季節ごとに内容が変わる店では、これが前提になります。
行き先の住所は短いほど有利です。 文字数が増えると模様の目が細かくなり、同じ大きさでも読み取りにくくなります。 短い住所を用意できないなら、転送を挟んで短くしてください。
立ち止まれる面だけを選ぶ
構えるまでに5〜10秒かかります。動いている人には読めません。
立ち止まれる面です。端末を取り出して構えるまで5〜10秒かかります。その間、人が止まっていられる場所にだけ置きます。
閉店後に来た人が、その場で予約や注文へ進めます。二次元コードがいちばん働く面です。
車を降りた後なら構えられます。ただし雨や雪で濡れる面は、汚れの付き方を先に確かめます。
運転しながら構えることはできません。遠くの面には、屋号と業種を大きく置くほうが働きます。
置いてよいのは、人が止まっていられる面だけです。 端末を取り出し、画面を開き、構えるまでに5〜10秒かかります。 歩き続ける人も、運転している人も、この時間を使えません。
閉まった扉が、いちばん働きます
営業時間外に来た人は、そのまま帰るしかありません。 扉に1枚あれば、その場で予約や注文へ進めます。 取りこぼしていた人を拾う面なので、他のどの面より効果が見えやすくなります。
待つ場所も同じです。列に並んでいる人、席で待っている人は、手が空いています。 入口の外に待つ場所があるなら、目の高さの面を1つ確保してください。
模様が置いてあるだけでは、何が起きるか分かりません。 「ここから予約」「品ぞろえを見る」のように、行動を1つ書き添えてください。 添える文は10字前後で足ります。
読ませたい距離から、一辺の大きさを出す
目安は、距離の10分の1です。
読み取れる距離には、広く使われている目安があります。 コードの一辺の、およそ10倍までです。 3m離れて読ませたいなら、一辺は30cm必要になります。
一辺 10cm × 10 = 約1mまで / 一辺 30cm × 10 = 約3mまで
| 読ませたい距離 | 一辺の大きさ | 置く面の例 |
|---|---|---|
| 30cm | 3cm角 | 扉に貼る小さな案内 |
| 1m | 10cm角 | 待つ場所の掲示 |
| 2m | 20cm角 | 敷地内の立て看板 |
| 3m | 30cm角 | 駐車場の掲示板 |
読み取れる距離は、カメラの性能、周りの明るさ、面の汚れ、見る角度で変わります。 古い端末や、暗い時間帯では届きません。 迷うときは、一辺を1段階大きくしてください。
面の材質で、読めない日が出ます
つやのある面は、日差しの角度によって反射します。 透明な面は、背景が透けて模様の境目が消えます。 粗い面は、印刷の目がつぶれます。
つや消しの平らな面に、余白を広く取って印刷するのが確実です。 模様の周りの余白は、コードの一部として働きます。 材質ごとの向き不向きは看板の素材の選び方にまとめてあります。
取り付ける高さ
構えやすいのは、立った人の胸から目の高さです。 低い位置に貼ると、かがまないと読み取れません。 かがむ姿勢を求める面は、そのまま素通りされます。
掲げてよいかどうかを確かめる
確かめるのは5つです。板を発注する前に済ませます。
コードそのものに手続きが要るわけではありません。 手続きが生じるのは、載せる面の大きさと位置です。 面の位置が決まった時点で、管轄の窓口へお問い合わせください。
| 屋外広告物としての扱い | 面の大きさと位置に、届出や許可が要る場合があります。 |
|---|---|
| 借りている建物での掲示 | 共用部に貼る場合、貸主や管理者の承諾が要ります。 |
| 行き先の中身に関する決まり | 業種によって、広告として書ける内容が定められている場合があります。 |
| 個人の情報を集める場合 | 取得する項目と使い道を、行き先の画面で示す必要が生じます。 |
| 印刷と材質の相性 | 光る面、透明な面、粗い面では読み取りにくくなります。 |
建物を借りている場合、扉の外や壁は共用部にあたることがあります。 貼ってから外すよう求められる例があります。 位置を図に書いて、先に貸主や管理者へ確かめてください。
行き先の中身にも、業種によって決まりがある場合があります。 看板に書けないことは、行き先の画面でも同じ扱いになると考えてください。 書ける内容の確かめ方は看板の文言の決め方にまとめてあります。
行き先で申し込みや会員登録を受けるなら、取得する項目と使い道を画面に示す必要が生じます。 看板側に書く必要はありませんが、行き先の準備には含めてください。
費用を年あたりに直し、取り戻すラインを出す
小さな表示なので、必要な客数も小さく出ます。
年あたりの費用 ÷ (客単価 × 粗利率) = 年に必要な新規客数
コードの表示は、看板の中では小さな出費で済みます。 数字を出しておくと、置くかどうかの判断に迷わなくなります。
埋める数字は4つ
| 表示の製作費 | 既存の看板に足すのか、独立した1枚を作るのかで変わります。 |
|---|---|
| 使う年数 | 屋外の面は色あせます。行き先を変える予定があれば、さらに短く見ます。 |
| 客単価 | 1人が1回で使う金額。売上を客数で割れば出ます。 |
| 粗利率 | 売上から仕入れと材料費を引いて残る割合。 |
体感できる単位まで落とす
独立した表示を1枚作る費用を4万円、使う年数を4年と置きます。 40,000を4で割ると、年あたり10,000円です。
客単価を3,000円、粗利率を6割とします。 3,000に0.6を掛けて、1人あたり1,800円。 10,000を1,800で割ると5.55で、年に約6人です。 12を5.55で割ると2.16。およそ2か月に1人、新しい客が増えればつり合います。
置いた金額は計算の置き方であり、相場ではありません。 自分の店の数字を入れて、もう一度計算してください。 掲載社が公開している金額は看板の費用に種類別にまとめてあります。
行き先を年に何度も替える予定があるなら、使う年数はもっと短く見ます。 転送を挟んでおけば、模様を替えずに済むため年数を延ばせます。 この一手間が、そのまま年あたりの費用を下げます。
面ごとに、読み取り数を数える
看板の中で、数字がいちばんはっきり出る部分です。
扉の面と駐車場の面で、別の住所を使います。どちらから読まれたかが数字で分かります。費用はかかりません。
行き先の記録を見れば、日ごとの回数が出ます。曜日と時間帯の偏りから、置く面の当たり外れが分かります。
営業時間外の読み取りは、そのまま取りこぼしの回復です。ここが伸びていれば、置いた面は働いています。
読み取りだけ多くて先へ進まないなら、原因は看板ではなく行き先の画面にあります。
知人に、その場で読み取ってもらいます。何秒かかったか、姿勢に無理がなかったかを見ます。
1つ目を先にやっておかないと、後から面ごとの差が分かりません。
判断のタイミング
| 最初の1週間 | 読み取れるかどうかの確認です。天気の違う日に、複数の端末で試します。 |
|---|---|
| 1か月 | 日ごとの回数を並べ、曜日と時間帯の偏りを見ます。 |
| 3か月 | 面ごとの差を比べます。読まれない面は、高さか位置に原因があります。 |
| 1年 | 色あせと汚れを見ます。行き先の中身が古くなっていないかも確かめます。 |
最初の1週間は、数を見る時期ではありません。 読み取れるかどうかを確かめる時期です。 晴れた日、曇りの日、暗い時間で結果が変わります。
読まれないときは、この順で疑う
- 1汚れと反射を拭き取る
布で拭くだけです。雨のあとの汚れ、日差しの反射、透明な面の映り込みが原因のことがあります。
- 2高さを変える
構えやすいのは、立った人の胸から目の高さです。低すぎる位置は、かがまないと読み取れません。
- 3添える一言を書き換える
コードだけを置いても、人は構えません。「ここから予約」のように、行動を1つ書き添えます。
- 4行き先を1画面にする
読み取りはされているのに先へ進まないなら、原因は行き先です。押す回数を減らします。
- 5大きさを上げる
離れた位置から読ませているなら、一辺を大きくします。距離の10分の1が目安です。
- 6置く面を変える
ここで初めて、板そのものの話になります。立ち止まれない面に置いていた場合、位置ごと移します。
並びは、費用のかからないものからです。 1番から3番までは、その日のうちに手を打てます。 面を作り替えるのは、最後に置いてあります。
よくある行き違い5パターン
どれも、板を替えずに手を打てます。
| 行き違い | 何が起きるか | 直し方 |
|---|---|---|
| 走る車から見る面に置いた | 構える時間がなく読まれない | 立ち止まれる面へ移す |
| コードだけを置いた | 何が起きるか分からず構えない | 行動を1つ書き添える |
| 長い住所のまま作った | 模様が細かく、離れると読めない | 短い住所か、転送を挟む |
| 行き先を差し替えられない形にした | 内容が変わるたび板ごと作り替え | 転送を挟み、行き先だけ差し替える |
| 光る面に直接印刷した | 反射で読み取れない日がある | つや消しの面に替える |
セルフチェックリスト
板を発注する前に使ってください。5つ以上「いいえ」があれば、決め直す余地があります。
- 読み取った人が次にする行動を、1つに決めた
- 行き先の画面を、自分の端末で開いて確かめた
- 行き先を1画面で終わる形にした
- 行き先を後から差し替えられるようにした
- 置く面が、立ち止まれる場所であることを確かめた
- 営業時間外に来た人が見る面にも置いた
- 読ませたい距離を測り、一辺の大きさを決めた
- 構えやすい高さに取り付けた
- 行動を1つ、コードのそばに書き添えた
- 複数の端末で、実際に読み取ってみた
- 面の大きさと位置について、屋外広告物の窓口に尋ねた
- 面ごとに別の住所を割り当て、後から数えられるようにした
よくある質問
二次元コードは、何から決めればいいですか?
どのくらいの大きさにすればいいですか?
掲示に手続きは要りますか?
効果は、いつ判断すればいいですか?
すでに置いてあるコードを直すなら、どこからですか?
予算が限られるときの優先順位は?
まとめ
看板に二次元コードを載せるときは、次の順序で進めます。
| 1 行き先を決める | 読み取った人の行動を1つ選び、1画面で終わらせる。 |
|---|---|
| 2 面を選ぶ | 立ち止まれる面だけに置く。閉まった扉から始める。 |
| 3 大きさを出す | 読ませたい距離を10で割り、一辺を決める。 |
| 4 確かめる | 面の大きさと位置の手続き、貸主の承諾を取る。 |
| 5 計算する | 費用を年に割り、必要な客数まで落とす。 |
| 6 測る | 面ごとに別の住所を割り当て、回数を比べる。 |
行き先が1つに決まっていれば、残りの判断はすべて後から出せます。 大きさも高さも、行き先と置く面が決まってから計算する順番です。 模様を先に作らないでください。