看板集客 / 2026年9月5日 更新 / 読了目安 約13分

キッチンカー・移動販売の看板
停めて売る5ステップ

これからキッチンカーを始める方へ。移動販売の表示には、店舗と違う点がひとつあります。 毎回ゼロから組み立て、その日のうちにしまうことです。 置きっぱなしにできる面が、ほとんどありません。

5手順分けるところから測るまで
6類型停まる場所の型
12項目出店の前に見る点
この記事でわかること

停まる場所が6つの型に分かれること/ 遠く・列の手前・手元で面の役割を変える基準/ 読ませたい距離から必要な文字の高さを出す方法/ 品目を3つに絞り、残りを手元へ移す理由/ 1回の出店で何件多く売れば釣り合うかを出す式/ 売上が伸びないとき、費用をかけずに疑う順序

停まっている時間だけが、売り場になります

移動販売の表示で最も多いのが、走っているときの見え方を先に決めることです。 車体に屋号を大きく入れ、目立つ色で塗る。ここまでは早く決まります。 ところが売上が立つのは、停めて窓を開けている時間だけです。

その時間を考えずに出ると、こうなります。何を売る車かが、離れた場所から分かりません。 列の手前に価格が無く、通る人が値段を聞きに来ます。 幟を立てるのに毎回10分かかります。 風の強い日に置き看板が倒れ、角が欠けます。

停まる場所を分け、面の役割を決め、出し入れできる形にし、費用を計算し、出店ごとに測る。 この5つを順に埋めると、どこへ行っても同じ手順で店開きができます。

走行中の見え方は、ここでは扱いません。 車体そのものの表示は車両・ラッピング広告の作り方が担当します。 この記事は、停めてから片づけるまでの数時間だけを扱います。

Step 1

停まる場所の型を分ける

読む人の歩く速さと、立ち止まれる余地が型ごとに違います。

昼の30分に集中する場所

事業所の周りの敷地を借りて停める形です。買う人は歩いてきます。12時前後に列ができ、そこで終わります。列の手前で品目と価格が読めるかが効きます。

一日中、人が流れる場所

商業施設の駐車場や駅前の広場です。通る人は別の用事で来ています。何を売る車かを1語で示し、遠くから読める大きさにします。

同業が横に並ぶ催事の区画

マルシェや催しの一角です。隣も食べ物を売っています。読まれるのは屋号ではなく、品目です。列の長さも判断材料にされます。

決まった時間に回る住宅地

曜日と時刻を決めて巡回する形です。表示の主役は、次にいつ来るかになります。買った人の手元に残る紙が効きます。

出入りが限られる構内

工場や事業所の敷地の中です。買う人はほぼ決まっています。必要なのは品目と、待ち時間の目安の2つです。

主催者が場を仕切る催し

公園や河川の敷地で開かれる催しです。出せる表示物の大きさや位置を、主催者が定めていることがあります。持ち込む前に確かめます。

6つを分ける物差しは2つです。読む人が歩いているか、それとも別の用事で通り過ぎるか。 そして、車の前で立ち止まれる余地があるか。 この2つで、1枚の面に載せられる文字の量が決まります。

走っている車から読ませるのは諦めてください。 時速40kmなら1秒で11.1m、2秒で22m進みます。 読み取れるのは2語ほどで、価格までは届きません。

読ませたい距離から、文字の高さを出す

必要な文字の高さは、読ませたい距離のおよそ250分の1から500分の1が目安になります。 20m先を狙うなら、20,000mm ÷ 500 で40mm、20,000mm ÷ 250 で80mm。つまり4cmから8cmです。 列の手前で読ませる価格なら5mが基準になり、10mmから20mmで足ります。 書体、明暗差、日射しの向きで変わります。迷う場合は大きいほうを選んでください。

Step 2

面の役割を分ける

遠く、列の手前、手元。3つの距離で、載せるものを入れ替えます。

読む距離載せるもの
遠くの面20〜50m何を売る車かを1語で
列の手前の面3〜5m主力の品目と価格
手元の面50cm前後支払い方法と受け取りの手順

3つを混ぜると、どれも読まれません。 遠くの面に価格を入れても届かず、手元で屋号を大きくしても意味がありません。 距離ごとに、そこで要る情報だけを置いてください。

遠くの面でいちばん強いのは、屋号ではなく品目です。 通る人が知りたいのは、そこで何が買えるかだけだからです。 屋号を覚えてもらうのは、買ったあとで足ります。

どの面に、何を置くか

項目置く面決め方
何を売るか(1語)遠くの面に必ずいちばん大きい文字にする
屋号遠くの面に必ず品目より小さくてよい
主力の品目列の手前に必ず3品まで。全部は書かない
価格列の手前に必ず差し替えられる形で持つ
支払い方法手元に必ず使える手段だけを並べる
次の出店の予定手元に受け取りを待つ間に読まれる
原材料や表示が要る事項手元に掲示の要否は窓口で確かめる
開業の経緯やこだわり面に載せない包装紙や名刺へ移す

表の最後の行に注意してください。開業の経緯やこだわりは、面に載せても読まれません。 列の手前で長い文章を読む人はいないからです。 包装紙や名刺へ移せば、持ち帰ったあとで読まれます。

品目を3つに絞るのは、注文を止めないためです。 10品を並べると、列の先頭で迷いが生まれます。 削り方は看板の文言の決め方で扱っています。

Step 3

出し入れできる作りにする

置いたままにできない前提で、組み立てと収納から逆算します。

  1. 1
    1人で5分以内に出し終える

    出す枚数と、固定の手間で決まります。10分かかる構成は、雨の日に出さなくなります。時間を計ってから発注してください。

  2. 2
    価格だけを差し替えられるようにする

    数字を面に刷り込むと、値上げのたびに作り直しです。価格の欄だけ、別の板や差し込みにします。

  3. 3
    倒れない重さを足す

    脚を広げ、水や砂の重りを下に置きます。強風の日に出さない判断も決めておきます。

  4. 4
    濡れても戻る素材にする

    紙にすると、一度の雨で使えません。拭いて戻る面材にするか、差し替えを前提に安く作ります。

  5. 5
    積む場所を車内に決める

    置き場が無いと、毎回どこかに立てかけることになります。倒れて角が欠ける原因です。

  6. 6
    1枚だけ作り直せる形にする

    一体で作ると、傷んだ部分だけを直せません。分けておけば、欠けた1枚を安く替えられます。

5分という数は、業界の基準ではありません。1人で回す場合の目安として置いています。 自分の手で一度計り、そこから枚数を決めてください。 出すのに手間がかかる面は、忙しい日にいちばん先に省かれます。

幟や置き看板の種類ごとの向き不向きはのぼり・置き看板の選び方にまとめています。 ここで決めるのは、何枚をどの順で出すかだけです。

倒れた1枚が、その日の営業を止めます

風で倒れた置き看板は、人や車に当たる恐れがあります。 脚を広げ、下に重りを置き、風速の目安を決めて出さない日を作ってください。
※ 出店先によっては、置ける位置や大きさが定められている場合があります。持ち込む前にご確認ください。

Rules

出店の前に、窓口を確かめる

停める場所によって、確かめる相手が変わります。

停める場所確かめる相手
道路や歩道の上道路を管理する窓口と、警察の窓口
民間の敷地土地の所有者と、屋外広告物の窓口
催事の会場主催者の定めと、会場の管理者
公園や河川の敷地その施設を管理する窓口

敷地に置く幟や置き看板も、屋外広告物として扱われる地域があります。 県の条例が適用される地域と、市が独自の条例を持つ地域があり、大きさや位置の決まりが揃っていません。 同じ形の置き看板でも、隣の地域では出せないことがあります。

調べる順序は屋外広告物の許可ガイドにまとめています。 回る先が複数あるなら、場所ごとに1行のメモを残しておくと迷いません。

食品を扱う営業には、別の手続きがあります

調理や販売の設備には、満たすべき条件が定められています。 営業の許可を受けたことを示す書面や、決められた事項を車内に掲げるよう求められる場合もあります。
※ 制度は改正されることがあります。出店の前に、管轄の窓口へご確認ください。

Step 4

費用と回収ラインを計算する

客単価が小さいので、1回の出店あたりの件数まで割り戻します。

客単価 × 粗利率 = 1件あたりの粗利
年のコスト ÷ 1件あたりの粗利 = 年に必要な件数
年に必要な件数 ÷ 年の出店回数 = 1回の出店で必要な件数

客単価を800円、粗利率を6割としましょう。1件あたりの粗利は480円になります。 表示一式にかかる年のコストが96,000円だとします。

96,000 ÷ 480 で200件。年に200件を上乗せできれば釣り合う計算です。 年に100回出るなら、200 ÷ 100 で2件。 1回の出店で2人多く売れれば、表示にかけた分は戻ります。

800円、6割、96,000円、年100回は、式の動きを見るための仮の置き方です。 自分の数字を入れ直してください。 出店の回数が多いほど、1回あたりに必要な件数は小さくなります。

費用を左右するところ

面の数遠く、手前、手元。増やすほど、出す時間も費用も増えます。
車体に直接入れるか塗り込むと安い代わりに、内容を変えられなくなります。
価格の持ち方刷り込みか差し替えかで、数年ぶんの額が変わります。
風と雨への備え重りや脚の作りで動きます。倒れた後の修理より安く済みます。
夜の出店の有無灯りを足すかどうか。電源の取り方まで含めて決まります。

3行目が、数年後に効いてきます。価格を刷り込むと、値上げのたびに作り直しになります。 掲載社が公式サイトで公開している金額は看板の費用に種類別にまとめています。

Step 5

出店ごとに測って積む

1回の売上は天気で動きます。回数を重ねて比べます。

出店ごとに1行の記録を残す

日付、場所、天気、売上、出した面。この5つを1行に書きます。紙でかまいません。これが無いと、後の判断がすべて感覚になります。

列の先頭で1問だけ聞く

「どこで見つけましたか」。受け渡しの合間に聞けます。幟を見た、列を見た、前に買った。答えは数種類に集まります。

二次元コードのあて先を面ごとに分ける

遠くの面と手元で別のあて先にすると、どちらが読まれたか分かれます。次の出店の告知にもつながります。

立ち止まった人と買った人を数える

10分だけ、通った人のうち何人が足を止めたかを見ます。止まるのに買わないなら、価格の面に原因があります。

1行の記録が、いちばん安い測定の道具です。これが無いと、次にどこへ行くかを勘で決めることになります。

面を変えた日には、印をつける

幟を1本増やした日、価格の面を作り直した日。その行に印を残してください。 前後を並べれば、変えた効果がそのまま読み取れます。

判断のタイミング

1回目売上ではなく、出し終えるまでの時間を計ります。
5回目同じ場所に5回出てから、売上を並べます。
3か月場所の型ごとの差が見えてきます。回る先を絞れます。
半年季節の影響を除いて比べられます。
品目や価格を変えたとき面の差し替えが当日に間に合ったかを確かめます。

初回の売上で場所の良し悪しを決めるのは早すぎます。 雨が降れば人は出ません。 同じ場所に5回出て、はじめて並べられる数字になります。

売れないとき、この順で疑う

  1. 1
    記録があるか疑う

    1行の記録が無ければ、面のせいか場所のせいか天気のせいかを切り分けられません。まずここから埋めます。

  2. 2
    面を置く向きを疑う

    人が歩いてくる側に立ち、自分の表示を見ます。背中を向けた面は、無いのと同じです。動かすだけで済みます。

  3. 3
    1語で何屋か分かるかを疑う

    20m離れて読みます。屋号だけが大きく、品目が小さくなっていないかを見ます。

  4. 4
    価格が手前で読めるかを疑う

    列の3歩手前に立ちます。値段を聞かれる回数が多いなら、この面が足りていません。

  5. 5
    停まる場所の型を疑う

    面を直しても動かないなら、場所が合っていない場合があります。曜日と時間を変えて試します。

  6. 6
    面を作り替える

    ここまでで動かないときに検討します。費用がいちばん大きいので、最後です。

上から順に、費用のかからないものが並んでいます。 1番から4番までは、立ち位置を変えて見るだけで確かめられます。 5番は曜日を入れ替えるだけです。作り替えは、いちばん最後に置いてください。

Pitfalls

よくある失敗5パターン

いずれも、発注の前に気づけば直せます。

失敗何が起きるか直し方
車体に価格を直接入れた値上げのたびに車体を直すことになる価格は差し替えられる面へ移す
幟を1本だけ出した歩いてくる方向によっては見えない人が来る側にもう1本を回す
置き看板に重りを足さなかった風の強い日に倒れ、出せなくなる脚を広げ、水や砂の重りを下に置く
品目をすべて書いた列の手前で読み切れず、注文が止まる主力3品に絞り、残りは手元の紙へ
出店ごとの記録を残さなかった良かった場所と悪かった場所を比べられない日付と場所と売上の1行を毎回つける
Checklist

セルフチェックリスト

図面や見積もりが出てきた段階で使ってください。5つ以上「いいえ」があれば、見直しの余地があります。

  • 停まる場所を、型に分けて書き出した
  • 何を売る車かが、1語で面に出ている
  • その1語が、20m離れた位置から読める
  • 列の手前に、主力の品目と価格を出している
  • 価格を差し替えられる形で持っている
  • 手元に、支払い方法を出している
  • 表示を1人で5分以内に出し終えられる
  • 置き看板に重りを足している
  • 濡れても戻る素材を選んでいる
  • 車内に、面を積む場所を決めている
  • 停める場所ごとに、確かめる窓口を調べた
  • 出店ごとに1行の記録をつけている
FAQ

よくある質問

キッチンカーの看板は、何から決めればいいですか?
停まる場所の型を決めることからです。昼の30分で売り切る場所と、一日中人が流れる場所では、読ませ方が変わります。場所が決まると、必要な面の数も決まります。
文字はどれくらいの大きさが必要ですか?
読ませたい距離を250から500で割ると、文字の高さの目安が出ます。20m先を狙うなら4cmから8cmです。列の手前で読ませる価格は5mを基準にすればよく、1cmから2cmで足ります。
出店の許可は、どこに確かめますか?
停める場所によって窓口が変わります。道路の上か、民間の敷地か、催事の会場かで、確かめる相手が違います。屋外広告物の決まりは地域ごとに違うため、事前に管轄窓口へご確認ください。
効果は、いつ判断すればいいですか?
同じ場所に5回出てからです。1回の売上は天気で大きく動きます。場所の型ごとの差を見るなら、3か月ぶんの記録が要ります。
すでに出店していて、売上が伸びない場合は?
出店ごとの記録があるかを先に確かめてください。日付と場所、天気、売上、出した面。この5つが並んでいないと、面のせいかどうかを切り分けられません。
予算が限られる場合、何を優先しますか?
何を売る車かを1語で示す面です。離れた場所から読み取れるのは、その1語だけです。次に、列の手前で価格が読める面を足してください。

まとめ

移動販売の表示は、次の順序で組み立てます。

1 分ける停まる先を型でくくり、読む人の速さを見積もる。
2 決める距離ごとに面を割り当て、載せるものを入れ替える。
3 作る出すのも積むのも短く済む形にし、1枚単位で替える。
4 計算する1回の出店で何件上乗せすれば戻るかを出す。
5 測る日付と場所と天気と売上を、毎回1行ずつためる。

面を増やすより、1語を大きくするほうが効きます。 通りがかりの人が読み取れるのは、そこだけだからです。 次の出店で、車から20m離れて自分の表示を眺めるところから始めてください。

車体と持ち出す表示をまとめて相談できる看板業者を探す

当ガイドは仲介や紹介を行っていません。ご相談・お見積もりは各社へ直接お願いいたします。
出す面の数がまだ決まっていない段階でも、対応できる表示物の種類と、 車体への施工から幟や置き看板までを一社でまとめられるかは比べられます。 車の外観の写真があると、初回のやりとりが短く済みます。