看板集客 / 2026年9月4日 更新 / 読了目安 約9分

車両広告・カーラッピングの作り方
社用で始める5ステップ

社用車を広告に使いたい方へ。「どの車に貼るのか」「何を書けば読まれるのか」 「貼っていい範囲はどこまでか」。 この3つに順番に答えていきます。

5手順車選びから測定まで
4種類加工の選択肢
12項目発注前のチェック
この記事でわかること

どの車のどの面を使うかを決める4つの見方/ 加工4種類の違いと、費用と変更しやすさの関係/ すれ違いの時間から逆算した、載せられる情報量/ 窓ガラスの制限と、条例で対象になる場合のこと/ 車の使用年数で割って回収を見る計算式/ 車からの反応だけを切り分けて測る方法

読まれているのは、走っているときではありません

車の広告というと、走り回って人目に触れる姿を思い浮かべます。 ところが、すれ違う車から読める時間はごくわずかです。 この広告が働くのは、車が止まっているあいだです。

つまずく場所は決まっています。走行中に読ませるつもりで情報を詰め込み、 止まっていても読まれない面になる。文字を名刺の感覚で入れ、離れると消える。 窓ガラスに貼ってよい範囲を確かめないまま加工する。 借りている車に全面のシートを貼り、返すときに費用が出る。

車と面を決める、載せる量を決める、制限を確かめる、費用を見る、反応を測る。 この順に進めれば、貼ってから気づく問題は減らせます。

Step 1

どの車の、どの面を使うか決める

走行距離ではなく、停車している時間で選びます。

いちばん長く止まっている車はどれか

走っている車は1秒ほどしか見られません。現場や取引先の前に停めている車は、何十分も読まれます。稼働の多い車より、停車の長い車を選んでください。

どの面が人の目に触れるか

道に面して停める車は、歩道側の面がよく見られます。駐車場では後ろの面です。使い方を思い出しながら、面を1つに絞ってください。

車を何年使うか

貼ったものは、その車と一緒に使い終わります。あと2年で入れ替える車に、全面のラッピングは向きません。

社名を出して困る場面がないか

車は住宅街にも停まります。業種によっては、訪問先が知られること自体が問題になります。取引先に確認しておくと安全です。

1台から始めて、記録を取る

全車にまとめて貼ると、効いたかどうかを比べる相手がいなくなります。 1台に貼り、貼っていない車と反応を比べてください。 複数台への展開は、最初の1台の記録が出てからで間に合います。

Step 2

載せる量と、加工の種類を決める

読める時間から逆に決めると、量は自然に絞られます。

時速40kmの車どうしがすれ違うとき、近づく速さは合わせて80kmです。 80 ÷ 3.6 で秒速およそ22.2m。読める範囲を30mとすれば、30 ÷ 22.2 で約1.35秒しかありません。 この時間で読めるのは、大きな語がひとつです。

必要な文字の高さ = 読ませたい距離 × 1/250 〜 1/500
例:30m先から読ませたい → 30 ÷ 250 = 0.12m、30 ÷ 500 = 0.06m → 6〜12cm

停車中なら時間の制約はありません。ただし、近づいて読む人はまれです。 歩道からの距離を考えると、必要な大きさは走行中と大きく変わりません。 載せるのは業種と連絡先の2つまで。事業内容の一覧は、この面の仕事ではありません。

加工の種類やり方選ぶときの考え方
カッティングの文字だけ文字の形に切ったシートを貼る費用が軽い。剥がしやすく、内容の変更もしやすい
部分的な印刷シートドアや後ろの面だけに貼る絵柄が使える。面を選べるので費用を抑えられる
全面のラッピング車体をシートで覆う目立つが費用が重い。塗装面の状態に左右される
マグネットシート貼り外しができる板を付ける外せる。ただし走行中の脱落と、下の錆に注意が要る
Step 3

貼れる範囲と手続きを確かめる

車には、建物の看板には無い制限があります。

窓ガラスへの貼り付け前面と運転席・助手席側面のガラスは、法令で認められたもの以外を貼れません。
屋外広告物としての扱い車体を使った広告は、条例で規制の対象になる場合があります。
自社の広告か、他社の広告か他社の広告を有償で載せると、扱いが変わることがあります。
車両保険と車検加工の内容によっては、事前に保険会社と整備の窓口へ確認が要ります。
リース車かどうか借りている車では、貼ることと返すときの原状回復を契約で確かめます。
窓ガラスは、貼れる場所が決まっています

前面のガラスと、運転席・助手席の側面ガラスには、法令で認められたもの以外を貼れません。 後ろのガラスの扱いは車の構造によって変わります。 車体を使った広告は、屋外広告物の条例で規制の対象になる場合もあります。 加工の前に、整備の窓口と管轄窓口の両方へ確認してください。
※ 扱いは車種・自治体によって異なります。事前にご確認ください。

Step 4

車の使用年数で割って費用を見る

加工の金額を、その車に乗る年数で割ってから判断します。

費用が動くところ

貼る面積文字だけか、面全体か。材料と作業の両方に効きます。
車体の形曲面と凹凸が多いほど、貼る手間が増えます。
面の数両側面と後ろ。増やすほど比例して上がります。
剥がす作業の有無前の広告が貼ってある場合、剥がして糊を落とす手間が加わります。
車の台数同じ絵柄を複数台に貼ると、1台あたりは軽くなります。

掲載社が実際に公開している金額は看板の費用に種類別にまとめています。

何件の問い合わせで釣り合うかを出す

加工の費用 ÷ 車を使う年数 = 年あたりの費用
年あたりの費用 ÷ 12 = 月あたりのコスト
月あたりのコスト ÷ (客単価 × 粗利率) = 月に必要な新規客数

例:片側の面に8万円で加工し、その車を6年使うとします。80,000 ÷ 6 = 年13,333円。 13,333 ÷ 12 = 月1,111円です。客単価20,000円、粗利率30%の事業なら、 1,111 ÷ (20,000 × 0.3) = 0.19 になります。 年に3件の問い合わせがあれば釣り合う計算です。

客単価が高い事業ほど、必要な件数は少なくなります。 車の入れ替えが近いなら、年数が短くなるぶん必要な件数は増えます。

Step 5

車からの反応を測る

車は動くので、切り分ける仕組みを先に作ります。

問い合わせのときに、きっかけを聞く

「車を見た」という答えが出るかを記録します。台数が少ないほど、この一言が唯一の手がかりになります。

車にだけ載せた連絡先の反応を数える

車専用の電話番号や読み取り用の符号を載せると、そこからの連絡だけを切り分けられます。

停める場所と時間を変えて比べる

同じ現場でも、道に面して停めるか奥に入れるかで見られ方が変わります。1か月ずつ変えて比べてください。

自分の車を、離れた場所から見る

30m離れて立ち、文字が読めるかを確かめます。運転席から見た印象と、通行人が見る景色は違います。

連絡先を分けておくかどうかで、あとから分かることが変わります。仕組みは貼る前に作ってください。

見るタイミング

貼った直後30m離れて読めるか、夜のライトの下でどう見えるかを確かめます。
3か月問い合わせのきっかけに、車の話が出てくるかを見ます。
1年シートの端の浮きと、色あせを確認します。
車を入れ替えるとき次の車に貼り直すかどうかを、それまでの記録で判断します。

反応がないとき、この順で疑う

  1. 1
    停める場所が奥すぎないか

    敷地の奥や裏手では、誰の目にも触れません。停め方を変えるだけで直ります。

  2. 2
    文字が小さすぎないか

    30m先から読ませるには、6〜12cmの高さが要ります。名刺の感覚で作ると読めません。

  3. 3
    情報が多すぎないか

    走っている車は1秒ほどしか見られません。載せるのは業種と連絡先の2つまでです。

  4. 4
    連絡先の切り分けができていないか

    効いていても、それが分かる仕組みが無ければ判断できません。

  5. 5
    そもそも面が違わないか

    ここまで確かめて残ったら、貼る面や台数を見直します。

停め方を変えるのは、費用ゼロで試せます

現場に着いたとき、道に面して停めるか、敷地の奥へ入れるか。 この違いだけで、読まれる回数は変わります。 作り直しを考える前に、1か月だけ停め方を変えてみてください。 効果の測り方をもっと広く扱ったものは看板広告の作り方ガイドにあります。

Pitfalls

よくある失敗5パターン

どれも、加工の前に確かめれば避けられます。

失敗何が起きるか直し方
走行中に読ませようとしたすれ違いの1秒では何も読めない停車中に読ませる前提で内容を絞る
文字を名刺の感覚で入れた離れると読めず、面が埋まっただけ30m先から読める高さまで大きくする
窓ガラスに貼った基準に触れる貼り方になる貼れる範囲を事前に確認する
リース車に全面ラッピングした返すときの原状回復で費用が出る契約を確認し、剥がせる方法を選ぶ
連絡先を本社と共通にした車を見て連絡が来ても分からない車専用の番号か符号を載せる
Checklist

セルフチェックリスト

発注の前に使ってください。5つ以上「いいえ」があれば、見直しの余地があります。

  • いちばん長く停まっている車を選んである
  • 人の目に触れる面を1つに絞った
  • その車をあと何年使うかを確かめた
  • 載せる情報を2つ以内に絞った
  • 30m先から読める文字の高さを計算した
  • 窓ガラスに貼らない前提で設計した
  • 条例の対象になるかどうかを窓口に確かめた
  • リース車の場合、貼ることの承諾を得ている
  • 返すときの原状回復の範囲を決めてある
  • 車からの連絡だけを切り分ける手段を用意した
  • 夜のライトの下での見え方を確かめた
  • 停める場所と時間を、効果測定の対象に入れてある
FAQ

よくある質問

車の広告は、何から決めればいいですか?
どの車に貼るかからです。走っている時間ではなく、停まっている時間の長い車を選んでください。読まれるのは、走行中よりも停車中だからです。
文字はどのくらいの大きさが要りますか?
読ませたい距離の1/250から1/500が目安です。30m先から読ませるなら6〜12cmになります。時速40km同士のすれ違いは相対速度80km、秒速22.2mなので、走行中に読めるのは1秒ほどです。
車に広告を貼るのに、手続きは要りますか?
車体を使った広告は、屋外広告物の条例で規制の対象になる場合があります。窓ガラスへの貼り付けには、車両の保安基準による制限もあります。管轄の窓口と整備の窓口へご確認ください。
効果があったかどうかは、どう判断しますか?
車にだけ載せた連絡先を用意し、そこからの連絡を数える方法が最も確実です。用意できない場合は、問い合わせのたびにきっかけをたずねて記録してください。
すでに貼ってある場合、直せますか?
直せます。停める場所を道に面した位置へ変える、文字を大きく貼り直す、車専用の連絡先を足す。どれも全面のやり直しにはなりません。まず30m離れて読めるかを確かめてください。
費用を抑えたい場合、どうすればいいですか?
面を減らしてください。両側面と後ろの3面を、人の目に触れる1面に絞るだけで大きく変わります。カッティングの文字だけにすると、内容の変更もしやすくなります。

まとめ

社用車を広告に使うときは、次の順序で決めていきます。

1 車と面停まっている時間の長い車の、人の目に触れる1面。
2 中身読める時間から逆算し、載せるのは2つまで。
3 制限窓ガラスの範囲、条例、リース契約。
4 費用加工の金額を、その車に乗る年数で割る。
5 測定車専用の連絡先を用意し、停め方を変えて比べる。

この広告の値打ちは、走った距離ではなく停まった場所で決まります。 1台に貼り、停め方を変えて記録を取る。そこから台数を増やすかを決める順番が確実です。

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