看板集客 / 2026年9月9日 更新 / 読了目安 約11分

カフェ・喫茶店の看板の作り方
過ごし方が伝わる5ステップ

これからカフェや喫茶店の看板を決める方へ。 外にいる人が知りたいのは、何が飲めるかではありません。 そこで自分が過ごせるかどうかです。 席の性格を一語で渡せる面が、足を止めます。

5手順過ごし方を決めてから測るまで
3外の面に載せる上限
12発注前に見る確認
この記事でわかること

取りたい過ごし方と時間帯を、ひとつずつ選ぶ手順/ 外の面に出す語と、外す語の見分け方/ 読ませたい距離から文字の高さを出す早見表/ 歩道に出す看板について、どの窓口へ確かめるか/ 通り過ぎるまでの秒数を、自分の店の間口から出す式/ 月に何人拾えば釣り合うかを出す式/ 入店のきっかけを記録して、安く直せる順に手を入れる方法

飲み物の名前より、席の性格が読まれる

カフェの前で人が迷うのは、味ではありません。 ひとりで入っていいのか、どれくらい居ていいのか、が分からないからです。 中が見えない店ほど、その迷いは長くなります。 看板が引き受けるのは、この迷いを短くすることです。

つまずきやすいのは、次の四つです。 店名だけが大きく、何の店か伝わらない。 メニューを外に並べ、字が小さくなっている。 置き看板が扉の横にあり、歩いてくる人の視界に入らない。 窓を貼り物でふさぎ、席の様子が見えない。

どれも、看板を大きくしても解けません。 取りたい過ごし方を選び、外に出す語を3つまで削る。 歩道に出す面の扱いを確かめ、費用を人数に換算し、足を止めた人を数える。 この五つを順に埋めます。

なお、席で食事を出す業態や、夜が主役の店は、外に出す情報の順番が変わります。 飲食店ぜんぱんの決め方は飲食店の看板の作り方にまとめました。 このページは、席で過ごす時間そのものが商品になる店に絞ります。

Step 1

どの過ごし方の客を取るか決める

看板の言葉は、選んだ過ごし方から決まります。順番を逆にできません。

取りたい過ごし方を、ひとつ選ぶ

休憩、作業、待ち合わせ、食事。全部に向けて書くと、どれにも向かない面になります。

取りたい時間帯を、ひとつ選ぶ

朝、昼、夕方以降。混む時間に人を足しても、席は増えません。空いている時間を狙います。

席で何ができるかを言い切る

電源、席数、滞在の目安。中を見なくても分かることが、外にいる人の判断材料です。

断るものを決める

長居できない、席が少ない。先に言えば、入ってから帰る人が減ります。

四つのうち、飛ばされやすいのは4番目です。 断るものを書いた面は、入ってから帰る人を減らします。 席が少ない、長居に向かない。 先に伝えれば、席の回転も、客の落胆も、どちらも軽くなります。

時間帯についても、ひとつ選びます。 混む時間に人を足しても、席は増えません。 空いている時間に来る理由を、面に書くほうが効きます。

「全部できます」は、何も言っていない

静かでも作業できても待ち合わせにも使える。 そう書かれた面から、読む人は何も受け取れません。 ひとつに絞ると、その過ごし方を探している人だけが強く反応します。 残りの過ごし方の客は、入ってから見つけてくれます。

Step 2

外に出す三つを決める

通り過ぎる時間は、思っているより短いものです。まず秒数を出します。

歩いている人が、店の前にいる時間を計算します。 歩く速さを時速4kmと置きます。

4,000m ÷ 3,600秒 = 1.11m/秒
間口を3mと置く
3 ÷ 1.11 = 約2.7秒

2.7秒で読み切れる量が、外の面に載せられる上限です。 時速4kmも間口3mも仮の置き方です。 自分の店の間口を測って、入れ直してください。

この秒数から逆算すると、載せられるのは3語までです。 何を出して何を外すか、仕分けます。

項目外の面理由
店の種別出す喫茶か、焙煎か、軽食もあるか。入る前に要る情報。
過ごし方が分かる一語出す「作業できる」「静か」など、席の性格を示す語。
店名出す探して来る人の目印。ただし読めない字では役に立たない。
看板商品を1つ条件つき名指しで選ばれる品があるときだけ。
メニューの全品外す面が字で埋まり、遠くから何も読めなくなる。
こだわりの説明文外す通り過ぎる数秒では読み切れない。

メニューを外したのは、要らないからではありません。 置く場所が違うだけです。 入口の手元で読ませる面の作り方はメニュー看板・メニューボードの作り方が扱っています。

読ませたい距離から、文字の高さを出す

距離が決まると、文字の高さが出ます。目安は視認距離の1/250〜1/500です。

読ませたい距離文字の高さの目安その距離で伝わること
2m(置き看板の前)0.4〜0.8cm品目と値ごろ感まで読める
5m(歩道の反対の端)1〜2cm過ごし方を示す一語が読める
10m(道の向かい)2〜4cmカフェだと分かる
20m(角の手前)4〜8cm店名と、店があること

書体、地と文字の色の差、灯りの有無で、読める大きさは前後します。 寸法を根拠から出す手順は看板の大きさの決め方にまとめました。

置く位置も同時に決めます。 置き看板は、人の流れが来る側の端へ寄せます。 扉の真横に置いた看板は、通り過ぎてから目に入ります。

Step 3

置き看板と掲出の手続きを確かめる

出す場所によって、確かめる窓口が変わります。面ごとに分けて見ます。

カフェは面が多い業態です。 壁、袖、置き看板、窓、テントの幕。 面ごとに、扱いを決めている窓口が違います。

建物に付ける面大きさと位置で、屋外広告物の手続きが要る場合がある。
歩道に出す置き看板道路に出る部分は、道路を管理する窓口の扱いになる。
敷地の中に置く看板道路に出ていなくても、貸主の承諾が要ることがある。
窓に貼る表示面積の割合で扱いが変わる地域がある。
テントの幕に入れる文字幕そのものと、文字とで手続きが分かれる場合がある。
歩道に出す部分は、出す前に確かめる

置き看板が道路に出ていると、扱いが変わります。 県の条例が適用される地域と、市が独自の条例を持つ地域があります。 建物を借りている場合は、壁に付ける面について貸主の許可も要ります。
※ 必要な手続き、出せる大きさ、更新の時期は地域によって異なります。出す前に管轄の窓口へお確かめください。

調べる順番と、更新の管理の仕方は屋外広告物の許可ガイドに整理しました。 置き看板を毎日出し入れする店は、のぼり・置き看板の使い方もご覧ください。

Step 4

費用と回収ラインを計算する

看板が拾うのは、素通りしていた人です。人数に直して比べます。

費用が動くところを見る

出す面の数壁、袖、置き看板、窓。面の数だけ製作と取り付けが積み上がる。
文字の入れ方印刷したシート、切り文字、手書きの黒板。替えやすさで動く。
夜に読ませるか灯りを当てるか、光る面にするか。電気の引き込みが要る場合も。
取り付ける高さ手が届くか、脚立や車が要るか。作業の手間が変わる。
替える回数季節の品を出すなら、書き替えの回数が5年分の合計を動かす。

2行目と5行目は対です。 季節ごとに書き替える店なら、はじめから替えやすい作りを選ぶほうが5年分では軽くなります。 掲載社が公開している金額は、看板の費用に種類別にまとめました。

月あたりに直して、人数に換算する

動かさない面と、書き替える面を分けて直します。

恒久の面:仮に96,000円を60か月(5年)使う
96,000 ÷ 60 = 1,600円/月
書き替える面:仮に年4,800円かかる
4,800 ÷ 12 = 400円/月
合わせて 1,600 + 400 = 2,000円/月

96,000円も4,800円も、相場ではありません。 割り算の動きを見るための、仮の数字です。

次に、この面が拾う来店の粗利で割ります。

客単価を1,000円、粗利率を0.5と置く
1,000 × 0.5 = 500円
2,000 ÷ 500 = 4人/月

素通りしていた人を、月に4人拾えば釣り合います。 日数に直すと、30 ÷ 4 = 7.5。およそ1週間に1人です。

1,000円も0.5も、仮の置き方です。 自分の客単価と粗利率に差し替えて、計算し直してください。

Step 5

入店のきっかけを記録して直す

数えるのは売上ではありません。足を止めた人と、その理由です。

入口で足を止めた人の数を、正の字で数える

レジから見える範囲で足ります。止まったのに入らない人が、いちばん近い客です。

初めての客に、何を見て入ったか尋ねる

会計のときに一言です。「置き看板」「窓の字」と返れば、その面が働いています。

扉を開けて、すぐ帰った人の数を書き留める

外の表示と中の様子が食い違っています。席数か騒がしさが多くの理由です。

狙った時間帯だけ、来店数を分けて数える

全体では動きが見えません。朝だけ、夕方だけで並べると差が出ます。

上にあるものほど、手間がかかりません。 1番目は今日から始められます。紙とペンだけで足ります。

止まったのに入らなかった人は、いちばん近くにいた客です。 その数が増えていれば、看板は働いています。 入店に変わらないなら、原因は面ではなく入口にあります。

記録は、時間帯を決めて数える

一日じゅう数えると続きません。 狙った時間帯の1時間だけ、週に2日で足ります。 同じ曜日、同じ時刻で並べれば、増えたか減ったかは分かります。

見る時期を決める

2週間足を止めた人の数だけを見ます。出す前の2週間と並べます。
1か月初めての客の数を見ます。増えないなら、面の位置を疑います。
3か月狙った時間帯の来店を見ます。回収の計算と並べます。
半年載せている語を並べ直します。足すより、減らすほうが先です。

看板を見た人が、その日に入るとは限りません。 気づいてから来るまでに、何度か前を通ります。 2週間の数字で、面の良し悪しを決めないでください。

反応が薄いときは、この順で試す

  1. 1
    置き看板を、人の流れが来る側へ向け直す

    道の上流から見えているかを確かめます。角度を変えるだけで済みます。

  2. 2
    過ごし方を示す一語を、いちばん大きくする

    店名が最大になっている面は多いものです。知らない店名は目印になりません。

  3. 3
    載せている語を減らす

    3つを超えていないか読み返します。減らせば残りを大きくできます。

  4. 4
    日が落ちてから、自分で店の前に立つ

    昼に読めた面が、夜は沈みます。灯りの当たり方で見え方が変わります。

  5. 5
    窓の内側の貼り物を、いったん全部はがす

    外の看板より先に、窓が視界をふさいでいることがあります。

  6. 6
    面そのものを作り直す

    前の五つを終えてから、はじめて検討します。

1番から3番までは、その日のうちに試せます。 費用のかかる手当ては、後ろに寄せてあります。 営業時間の見せ方をあわせて決めるなら、営業時間の表示の作り方が入口になります。

Pitfalls

よくある失敗5パターン

どれも、置き直しと貼り替えの範囲で手当てできます。

失敗何が起きるか直し方
店名だけを大きく出した知らない人には何の店か分からず、素通りされる業種か過ごし方の語を1つ足し、店名と同じ大きさにする
メニューを外の面に並べた字が小さくなり、通り過ぎる間に何も読めない外の面は3語までに削り、品目は入口の小さな面へ移す
置き看板を扉の真横に置いた歩いてくる人の視界に入らず、通り過ぎてから気づく人の流れが来る側の端へ寄せ、面を流れに向ける
窓を貼り物でふさいだ中の様子が見えず、入ってよい店か判断できない窓の貼り物を減らし、席が見える幅を残す
夜の見え方を確かめずに決めた看板は読めるが、店が営業中か分からない灯りの向きを変えるか、入口だけ明るくする
Checklist

セルフチェックリスト

発注の前に使います。5つ以上「いいえ」があれば、見直す余地があります。

  • 取りたい過ごし方を、ひとつに絞った
  • 取りたい時間帯を、ひとつに絞った
  • 席でできることを、外の面に一語で書いた
  • 外の面に載せた語を、3つ以内に収めた
  • メニューの全品を、外の面から外した
  • 読ませたい距離から、文字の高さを出した
  • 人の流れが来る側から、看板が見えることを現地で確かめた
  • 日が落ちてから、店の前に立って読めることを確かめた
  • 窓越しに、席の様子が見える幅を残した
  • 歩道に出す部分について、管轄の窓口へ問い合わせた
  • 看板にかかる費用を月あたりに直し、必要な人数を出した
  • 入口で足を止めた人の数を、数え始めた
FAQ

よくある質問

カフェの看板は、何から決めればいいですか?
取りたい過ごし方を、ひとつ選ぶことからです。休憩か、作業か、待ち合わせか。選んだ過ごし方が、外に出す一語を決めます。
文字はどれくらいの高さにすればいいですか?
読ませたい距離から出します。目安は視認距離の1/250〜1/500です。道の向かい10mからなら、2〜4cmにあたります。
歩道に置き看板を出すのに、手続きは要りますか?
道路に出る部分は、道路を管理する窓口の扱いになります。県の条例が適用される地域と、市が独自の条例を持つ地域があります。出す前に管轄の窓口へご確認ください。
効果は、いつ判断すればいいですか?
足を止めた人の数は2週間で動きます。初めての客の数は1か月です。時間帯ごとの来店まで含めた判断は、3か月を過ぎてから下してください。
すでに出している看板を、作り直さずに直せますか?
置き看板の向きを、人の流れが来る側へ変えるところから試せます。窓の貼り物を減らすのも、費用はかかりません。この二つで足を止める人が動かなければ、面の位置を見直します。
予算が限られる場合、どこから手を付けますか?
歩いてくる人の視界に入る位置へ、1枚出すことからです。載せるのは業種と過ごし方の語だけにしてください。面を増やすより、1枚を読める場所へ置くほうが先です。

まとめ

カフェ・喫茶店の看板は、次の順序で決まります。

1 過ごし方を決める取りたい過ごし方と時間帯を、ひとつずつ選ぶ。
2 出す語を絞る通り過ぎる秒数から逆算し、3語まで削って高さを出す。
3 掲出を確かめる面ごとに窓口が違う。歩道に出る部分は出す前に確かめる。
4 費用を計算する月あたりに直し、拾えば釣り合う人数まで落とす。
5 記録して直す足を止めた人を数え、置き直しと貼り替えから手を入れる。

看板が渡せるのは、店に入ってからの時間の想像です。 飲み物の名前は、入ってからでも読めます。 外で渡すのは、そこに居ていいという合図ひとつで足ります。

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載せる語も面の数も、まだ何も決まっていない段階で構いません。 人の流れが来る側から見え方を確かめてくれるか、歩道に出る部分の扱いを説明できるか。この二つは比べられます。