看板集客 / 2026年9月6日 更新 / 読了目安 約13分

メニュー看板の作り方
外で読ませる5ステップ

これから店の外へ品目と価格を出す方へ。 外のメニューは、立ち止まった人ではなく、歩いている人が読みます。 通り過ぎるまでの数秒で、何を、いくらで出しているかを渡す。 要るのは足す作業ではなく、削る作業です。

5手順距離の決め方から直し方まで
5通りへ向ける面の上限
12項目発注前に見る点
この記事でわかること

歩く速さから、渡せる行数を割り算で出す方法/ 読ませたい距離ごとの文字の高さ/ 外へ出す数品を選ぶ手順と、並べる順/ 屋外の表示と、価格の示し方の確かめ方/ 書き替えの頻度から方式を選ぶ表/ 月あたりの費用を、必要な客数に直す式

外のメニューは、立ち止まらせる前に読ませる

店の外へ品目と価格を出す目的は、中の一覧を先に見せることではありません。 入るかどうかを、歩きながら決めてもらうためです。

起きやすいのは、次の四つです。 店内の一覧をそのまま縮小し、外へ貼る。 品目は並べたが、価格を入れない。 毎日変わる内容を、印刷した面で作ってしまう。 店の向きに合わせて正面を決め、人の流れから斜めに見える。

どれも、発注の前に決めておけば起きません。 距離を決め、品目を絞り、決まりを確かめ、方式を選び、測って直す。 この五つを順に埋めていきます。

店構え全体をこれから考えるなら、 飲食店の看板の作り方を先に読むと順序がつかめます。

Step 1

歩く速さから、読ませる距離を決める

行数の上限は、感覚ではなく割り算で出ます。

通る向きを、時間帯ごとに数える

朝と夕方で、歩く向きが逆になることがあります。10分ずつ数えれば足ります。多いほうの向きが、看板の正面です。

歩道の幅から、読む距離を出す

通る人は歩道の中ほどを歩きます。看板まで1.5mか、3mか。この距離が、文字の大きさをそのまま決めます。

車から読ませるかを、先に決める

車の通る道沿いなら、車用の面が別に要ります。歩く人と1面で兼ねると、どちらの距離にも合いません。

足を止めて読む面を、1つ用意する

通りすがりに読む面と、立ち止まって読む面は役割が違います。前者で気を引き、後者で選んでもらいます。

読む相手が決まれば距離が決まり、渡せる行数と文字の大きさも決まります。

読む相手看板までの距離渡せる行数
歩く人(正面)1.5〜3m4〜5行
歩く人(通りの反対側)5〜6m2〜3行
自転車3〜5m1〜2行
車(徐行する道)15〜20m1行

行数の根拠は、通り過ぎるまでの秒数です。

歩く速さ 時速4km = 4,000 ÷ 3,600 = 秒速 約1.1m
5m手前から目に入る → 5 ÷ 1.1 = 約4.5秒
1行を読むのに1秒と置く(目安)→ 4〜5行
自転車 時速15km = 15,000 ÷ 3,600 = 秒速 約4.2m
5 ÷ 4.2 = 約1.2秒 → 1〜2行

自転車の多い通りでは1行しか届きません。 品目を1つに絞り、価格だけを大きく出します。 この4.5秒は、看板から目を離さない前提です。 連れや荷物があれば、さらに短くなります。

文字の高さを割り算で出す

読ませたい距離が決まれば、高さは計算で出ます。

文字の高さ = 視認距離 ÷ 250 〜 視認距離 ÷ 500
1.5m先(足を止めて読む面) → 1,500 ÷ 500 = 3mm / ÷ 250 = 6mm → 0.3〜0.6cm
3m先(歩きながら読む面) → 3,000 ÷ 500 = 6mm / ÷ 250 = 12mm → 0.6〜1.2cm
6m先(通りの反対側) → 6,000 ÷ 500 = 12mm / ÷ 250 = 24mm → 1.2〜2.4cm
20m先(徐行する車) → 20,000 ÷ 500 = 40mm / ÷ 250 = 80mm → 4〜8cm

この幅は、明るい場所で正面から見た場合です。 書体と明暗差と日射しの角度で変わるので、夕方に読ませる面は大きいほうへ寄せます。 書体そのものの選び方は看板の書体の決め方で扱っています。

Step 2

載せる品目を絞り、並べる順を決める

選ばせる面であって、見せる面ではありません。

全品目を、価格の高い順に並べる

紙に全部書き出して並べ替えると、外へ出す候補が上から数品に絞れます。頭の中で選ぶと、思い入れの強い品が残ります。

出数の多い順に、並べ替え直す

2つの並びを見比べます。どちらの上位にも入る品目が、外に出す1行目です。片方だけに入る品は、店内の一覧へ回します。

同じ系統は、1つに減らす

麺類が3つ並ぶと、どれも選ばれません。系統ごとに1品だけ残します。選択肢を減らすほど、決める速さが上がります。

行数の上限で、下から切る

渡せるのは4〜5行です。上限を先に置いてから切ると、迷う時間が短くなります。切った品は消えず、店内の一覧に残ります。

全40品の店なら、外へ出すのは3品です。 3 ÷ 40 は0.075なので、1割にも届きません。

載せない品目が売れなくなるわけではありません。 外の面は店に入る理由を1つ渡す場所で、入った後の選択は店内の一覧に任せます。

順番載せるものその位置に置く理由
1行目看板の顔になる1品と価格通る人が最初に目を置く位置
2行目次に出る1品と価格1行目で決まらない人が見る
3行目価格の帯(最も安い品と高い品)予算の見当が付く
4行目営業時間、または席の形入れるかどうかを判断できる
5行目支払い方法会計の不安が消える

3行目の「価格の帯」が効きます。 最も安い品と高い品を並べると、いくら持っていけばよいかが伝わります。

価格の書き方を決める

価格は、品目名と同じ大きさで書きます。 小さく書くと、入ってから聞き直す不安が残ります。

桁の位置を縦にそろえると、比べる時間が短くなります。 「〜円から」と書くなら、その価格で頼める品を1つ用意しておきます。

写真を載せるかを、行数と引き換えで考える

写真は1枚で2〜3行ぶんの面積を取ります。 載せるなら、その分だけ文字の行を削ります。 撮った時期の盛り付けと、いま出す一皿がずれていないかも見てください。 小さな写真を並べるより、1枚を大きく出すほうが、遠くからでも何の店か伝わります。

載せる言葉そのものの削り方は、看板の文言の決め方にまとめています。

Step 3

屋外の表示と、価格の示し方を確かめる

内容が良くても、出し方で止まることがあります。

確かめる先は二つです。 看板を置く決まりと、価格の書き方の決まりです。

置くほうは、場所で扱いが分かれます。 敷地の中でも、大きさや高さによっては屋外広告物としての届出に関わります。 歩道は道路なので、出せば占用に関わります。 枠組みは土地で違い、県の条例が及ぶ地域と、市が独自の条例を持つ地域に分かれます。

価格の示し方には、別の決まりがある

消費税には総額表示に関する定めがあり、店頭の掲示も対象になる場合があります。 税抜の数字だけを大きく出すと、会計の場で説明が要ります。 根拠のない「当店最安」や、比べる相手の不明な二重価格の表示は、法令上の問題になることがあります。 産地や素材も、そのとおりに出せる裏づけが要ります。
※ 自店の掲示が対象になるかは、所管の窓口でお確かめください。

道に出す一枚は、置いたまま忘れない

歩道に置く面は、通行の妨げにならない位置と大きさが問われます。 営業時間の外に出したままだと、風で倒れることがあります。 出し入れの担当と、しまう場所を先に決めます。 運用そのものはのぼり・置き看板の使い分けで詳しく扱っています。
※ 置ける場所と大きさの要否は、管轄の窓口へご確認ください。

Step 4

書き替えの頻度から、方式と費用を決める

先に決めるのはデザインではなく、替える回数です。

内容が動く面と、動かない面を分けます。 1面にまとめると、1文字直すために全部を作り直すことになります。

替える頻度向く方式気をつけるところ
毎日手書きの面雨で流れます。屋根の下へ置きます
週に1回手書き+差し替え書く人を決め、字の形をそろえます
月に1回印刷を差し替える用紙が日に焼けます。押さえが要ります
年に1回印刷面を貼り替える価格の帯だけ剥がせる作りにします
数年に1回面ごと作り直す改定のたびに費用が出ます

頻度の違う内容を、1つの面に混ぜないでください。 価格は年に1回、日替わりは毎日。 分けておけば、片方を替えるときにもう片方が無事です。

費用が動くところを見る

面の数通りへ向ける面と、足を止めて読む面。数が総額にいちばん効きます。
面の大きさ載せる行数で決まります。行を減らせば、面も小さくできます。
書き替えの作り手書きか、差し替えか、貼り替えか。本体の構造そのものが変わります。
差し替えの回数年に何回替えるか。1回の費用に回数を掛けた額が、毎年出ていきます。
屋外に置く前提雨と日射しに当たる面は、材料と表面の処理が変わります。
夜の見え方夜も開けるなら、照らすか光らせるかを決めます。

掲載社が公式サイトで公開している金額は、看板の費用に種類別にまとめています。

月あたりに直し、必要な客数を出す

5年 = 5 × 12 = 60か月
本体 60,000円 ÷ 60か月 = 月1,000円
差し替え 1回3,000円 × 年12回 = 36,000円
36,000 ÷ 12か月 = 月3,000円
1,000 + 3,000 = 月4,000円

この60,000円と3,000円は相場ではありません。 割り算の動きを見るために置いた、仮の数字です。

月あたりのコスト ÷ (客単価 × 粗利率) = 月に必要な客数
客単価1,000円 × 粗利率0.6 = 600
4,000 ÷ 600 = 6.66 → 切り上げて 月7人
30 ÷ 7 = 4.28 → 4〜5日に1人

4〜5日に1人、新しく入ってもらえば釣り合う計算になります。 客単価と粗利率を自店の数字に差し替えて、置き直してください。 書き替えを減らせば額も下がりますが、内容が古びます。

Step 5

足を止めた数と注文の偏りで、直す

読まれたかどうかは、注文の中身に出ます。

足を止めた人を数える

昼の30分だけ数えます。看板の前で歩みが止まった人を、正の字で記録します。道具は要りません。

載せた品目の出数を、割合で見る

レジの記録から、その品目が全体の何割かを出します。書き替える前の割合と並べれば、動きが見えます。

会計のときに一言たずねる

「外の掲示はご覧になりましたか」と聞きます。答えを日付とともに残すと、後から数えられます。

通る人の位置に、自分の目を置く

歩道の中ほどに立ち、多いほうの向きから見ます。光の映り込みと、読めない行がその場で分かります。

上から順に、手間の軽い方法です。 1番目は営業の合間にでき、今日から始められます。

外に出した品目の割合が上がっていれば、面は読まれています。 来店数が変わらなくても、注文の偏りは動きます。 読まれたかどうかは、人数より先に品目の比率へ表れます。

見る時期を決める

3日書き替えた行の品目が、注文に出ているかを見ます。
2週間曜日ごとの偏りをならし、出数の割合を並べます。
1か月足を止めた人の数と、注文の割合を突き合わせます。
3か月気温と季節の影響を外し、前の期と比べます。

天気と曜日で、人通りは大きく動きます。 1日の数字で判断せず、同じ曜日どうしを並べてください。

効かないときは、この順で疑う

  1. 1
    通る向きへ、面を回す

    金具をゆるめて角度を変えるだけです。費用はかからず、読める位置に入ることがあります。

  2. 2
    面を拭き、映り込みを消す

    空や照明が映ると文字が沈みます。汚れと、光の当たる角度をその場で確かめます。

  3. 3
    行を減らす

    5行を3行に落とします。手書きなら書き直すだけ、差し替えなら紙を替えるだけです。

  4. 4
    価格の文字を、品目名と同じ大きさにする

    価格が小さいと、入るかどうかを決められません。同じ大きさに揃えて出し直します。

  5. 5
    載せる品目を入れ替える

    出数の2番手を1行目へ上げます。選ばれている品を前に出すほうが、早く動きます。

  6. 6
    面の作りを変える

    差し替えのできる形へ替えます。作り直しは、ここまでの5つを試した後です。

上のほうほど、費用をかけずに直せます。 1番から3番までは、その日のうちに手を付けられます。 色の見え方まで疑う段階になったら、看板の色の決め方を先に見てください。

Pitfalls

よくある失敗5パターン

どれも、行を削るか、面を回すことで手を打てます。

失敗何が起きるか直し方
店内の一覧を縮小して貼った文字が小さく、通る人に読まれない4〜5行に削って書き直す。紙を替えるだけで済む
価格を品目名より小さく書いた入るかどうかの決め手が届かない価格の文字を、品目名と同じ大きさに揃える
税抜の数字だけを大きく出した会計で説明が要り、後味が悪くなる税込の数字を主にして書き替える
日替わりの品を印刷で作った書き替えが追いつかず、古い内容が出たままになる日替わりの行だけ、手書きの面へ分ける
店の向きに合わせて正面を決めた人の流れから斜めに見え、文字がつぶれる支柱の金具をゆるめ、多いほうの向きへ回す
Checklist

セルフチェックリスト

発注の直前に使います。5つ以上「いいえ」があれば、見直す余地があります。

  • 店の前を通る向きを、時間帯を分けて数えた
  • 歩く人に読ませる距離を、1.5mか3mかで決めた
  • 車から読ませる面を、別に作るかどうかを決めた
  • 通りへ向ける面の行数を、4〜5行までに収めた
  • 読ませたい距離から、文字の高さを割り算で出した
  • 全品目を書き出し、価格順と出数順の両方で並べ替えた
  • 同じ系統の品目を、1つに減らした
  • 価格の文字を、品目名と同じ大きさに揃えた
  • 税込の数字を主にして書いた
  • 屋外に出す表示の届出が要るかを、管轄の窓口で確かめた
  • 書き替えの頻度を決めてから、方式を選んだ
  • 月あたりの費用を、必要な客数に直した
FAQ

よくある質問

メニュー看板は、何から決めればいいですか?
行数からです。歩く人は看板の5m手前から目に入れ、そのまま通り過ぎます。時速4kmなら約4.5秒しかないので、渡せるのは4〜5行です。
何品目まで載せられますか?
通りへ向ける面は3品までが目安です。残る行は、価格の帯と営業時間に使います。品数を増やすほど、どれも選ばれにくくなります。
価格は税抜と税込のどちらで書きますか?
税込の数字を主にします。消費税の総額表示に関する定めは、店頭の掲示にも及ぶ場合があります。自店が該当するかは、所管の窓口でお確かめください。
店の外に出すのに、許可は要りますか?
置く場所によって変わります。敷地の中でも大きさや高さで屋外広告物の届出に関わり、歩道に置くなら道路の占用にも関わります。条例の枠組みは土地によって違うため、管轄の窓口でお確かめください。
効いているかは、いつ判断しますか?
最短で3日です。入れ替えた品目の注文が動いたかどうかは、この段階で見えます。足を止めた人の数と注文の割合を突き合わせるのは、1か月ためてからです。
予算が限られる場合、どこから手を付けますか?
通りへ向ける1面からです。足を止めて読む面は、紙と透明の袋で始められます。写真や照明は、載せる行が固まってからで間に合います。

まとめ

店頭のメニュー看板は、次の順序で決まります。

1 距離を決める通る向きを数え、1.5mか3mかを選ぶ。行数の上限が出る。
2 品目を絞る価格順と出数順で並べ替え、系統ごとに1品だけ残す。
3 決まりを確かめる税込の数字を主にし、置ける場所と届出を窓口で聞く。
4 方式を決める替える頻度から作りを選び、月あたりの額に直す。
5 測って直す注文の偏りを並べ、面を回し、行を削る。

外の一枚は、読ませる紙ではなく、選ばせる紙です。 品目を足すほど選ばれなくなる。この一点だけ覚えて帰ってください。

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当ガイドは仲介や紹介を行っていません。ご相談・お見積もりは各社へ直接お願いいたします。
載せる品目も面の形も、まだ何も決まっていない段階で構いません。 書き替えのできる作りを受けるか、屋外に置く面の施工まで対応するか。この二つは比べられます。 本文の5ステップと同じ言葉でたずねれば、答えを横に並べて読めます。