看板のきほん / 2026年9月5日 更新 / 読了目安 約12分

お知らせの掲示の作り方
休業・移転・閉店を伝える5ステップ

休業や移転、改装の工事を控えて、店先にお知らせを出す方へ。 この掲示には、看板と違って終わりの日があります。 作る前に外す日を決めておくと、材の選び方から貼る面まで、まとめて片づきます。

5手順決めるところから外すまで
4項目一枚に載せる中身
12項目貼る前に見る点
この記事でわかること

来店の間隔から、出しはじめる日を逆算する方法/ 一枚に載せる項目を四つに絞る理由/ 移転の告知で、行き先より先に読まれるもの/ 読ませたい距離から必要な文字の高さを出す方法/ 外したあとに跡を残さない貼り方の考え方/ 届いたかどうかを、問い合わせの減り方で測る手順

告知には、外す日があります

休みや移転を店先で知らせるとき、相談はたいてい文面から始まります。 ただ、この掲示には店名の看板と違うところが一つあります。 告知は、いつか必ず外されます。

終わりを決めずに作ると、こうなります。「当分の間」と書いた紙に、同じ問い合わせが何度も来る。 感謝の文が長く、肝心の日付まで目が届かない。のりの強い材で貼り、外したあとに跡が残る。 そのまま忘れられ、古い日付が店先に残り続ける。

知らせる相手と時期を決め、載せる項目を四つに絞り、掲げる面と外す日を先に押さえ、 費用を計算し、問い合わせの数から測る。 この五つを順に埋めると、外したあとの手当てまで含めて決まります。

掲出できる期間に定めがある場合があります

一般的に、店先へ出す掲示物にも屋外広告物としての扱いが及ぶことがあります。 大きさ、貼る場所、掲げられる期間。条件は地域の条例で変わります。 一時的な告知だから対象外とは限りません。
※ 事前に管轄窓口へご確認ください。県の条例が適用される地域と、 市が独自の条例を持つ地域があります。 手続きの流れは屋外広告物の許可ガイドにまとめています。

Step 1

知らせる相手と、知らせる時期を決める

誰に届けたいかで、掲げはじめる日が変わります。

毎週のように前を通る人

掲示に気づく機会がいちばん多い相手です。2週間の掲出でも二度は目に入ります。短い告知は、この層にだけ届くと考えてください。

月に一度顔を出す常連

来る日が決まっていません。1か月の掲出では一度しか通らない計算になります。二度読ませたいなら、2か月前から掲げます。

季節ごとに寄る人

間隔が3か月に伸びると、掲示で届くのは一度だけです。掲げる期間を延ばすより、掲示の外で伝える手段を足すほうが早く済みます。

はじめて通りかかる人

店の名前を知りません。休みの告知だけが読める状態だと、店じまいと受け取られます。営業している旨を一行そえてください。

近隣の住まいと店

工事の告知で読まれるのは、音と車の出入りです。日にちと時間帯が読めれば、あとから聞かれる回数が減ります。

営業時間の外に通る人

灯りが落ちてから前を通ります。暗い面に貼った紙は読まれません。外の明かりが当たる位置を選んでください。

六つは、前を通る間隔で並べ替えられます。同じ日に貼った一枚でも、目に入る時期は相手ごとに違います。 掲出の期間は、いちばん届けたい相手の間隔で決めます。

逆算のしかたはこうです。一度で読み落とすことを見込み、掲げている間に前を通る機会を二回とります。 週に1回の人なら2週間、月に1回の人なら2か月です。

来店の間隔出しはじめる時期掲出中に前を通る回数
週に1回来る人2週間前2回
2週に1回来る人1か月前2回
月に1回来る人2か月前2回
3か月に1回来る人3か月前1回
年に数回の人掲示だけでは届かない0〜1回

これは調査から出た数字ではありません。来店の間隔に、読み落としの一回分を足しただけの考え方です。 自分の店の間隔に置き換えて使ってください。

年に数回しか来ない相手には、掲示だけでは届きません。 移転のように行き先まで伝えたい場合は、掲示の外の手段を先に用意します。 看板そのものを新しい場所へ移す段取りは看板の移設ガイドで扱っています。

取引先や配送の相手は、この表の外に置きます。店先の紙より確実な連絡の手段があるからです。

Step 2

一枚に載せる項目を絞る

載せたい中身は増えます。読まれる量は増えません。

何が休むのか、移るのか、閉めるのか、工事なのか。ここは一語で示せます。見出しの位置に置きます。
いつから始まる日です。曜日を添えると読み違いが減ります。数字だけより一字多いだけで済みます。
いつまで終わる日です。「当分の間」と書くと、読んだ人が何度も確かめに来ます。仮でも日付を入れてください。
そのあとどうなるか再び開くのか、別の場所へ移るのか、そこで終わるのか。一行あれば足ります。

四つのうち、いちばん先に探されるのは三行目です。 移転の告知でも、読む人がまず知りたいのは、いつまでここにいるかです。 新しい場所は、そのあとに読まれます。

店をたたむ告知では、感謝の文を長く書きたくなります。書くこと自体は構いません。 置く位置を下げてください。上から日付、下に文。逆に組むと、日付は読まれずに終わります。

工事の告知だけは、四つに一行足します。工事の間も開けているかどうかです。 入口が変わるなら、その位置も添えてください。

読ませたい距離から、文字の高さを出す

必要な文字の高さは、読ませたい距離のおよそ250分の1から500分の1が目安です。 歩く人に10m先から読ませるなら、10,000mm ÷ 500 で20mm、10,000mm ÷ 250 で40mm。 つまり2cmから4cmになります。5m先なら1cmから2cm、20m先なら4cmから8cmです。 書体、背景との明暗差、照明の有無で変わるため、迷う場合は大きいほうを取ってください。 日付だけを一段大きくすれば、この寸法を全体へ当てずに済みます。

Step 3

掲げる面と外す日を先に決める

外す日が決まると、貼り方も材も自動的に絞られます。

告知は、たいてい既存の看板の上に出ることになります。 どの面を隠すかを選ぶところから始めてください。 店名の面まで覆うと、営業している店が、閉めた店に見えます。

掲げる面向いている告知気をつけるところ
扉のガラス当日から数日の告知のりの残る材を避ける
窓のガラス面1か月前後の告知内側から貼ると跡が軽い
既存の看板の上長い工事や移転の告知隠す面を選んでから貼る
仮の立て看板入口が変わるとき風で倒れない置き方に
幕を張る面遠くから読ませる告知掲出できる期間を確認
のぼり・置き看板道路側からの補い毎日の出し入れを前提に
明かりの当たる面営業時間の外に読ませる灯りの落ちる時刻を確認

二行目には抜け道があります。ガラスは内側からも貼れ、外したときの跡が軽く済みます。 ガラス面の使い分けは窓ガラス看板の作り方にまとめています。

外す日は、貼る日と同時に決めます。ここが空くと、材が選べません。 2週間で外すものに、数年もつ材は要りません。 3か月掲げるものを紙で貼れば、途中で色が抜けます。

外したあと、元の面が戻るかを先に試す

のりの強い材で貼ると、剥がしたあとに跡が残ります。 塗った面やシートの上では、下地ごと持っていくことがあります。 告知のために、元の看板を傷めてしまう場合があります。
※ 貼る前に、目立たない場所で小さく試してください。 跡が残った面を戻す作業は、掲示そのものより手間がかかります。

当日に貼れる形を、一つ用意しておく

臨時の休みには、作る時間がありません。 日付だけを手で書き込める枠を、あらかじめ作っておきます。 差し込むだけの面が一つあれば、その日のうちに掲げられます。 刷り込んだ営業時間の上に紙を貼り重ねると、下の時刻まで読めなくなります。

Step 4

費用と作り分けを計算する

一枚の値段より、枚数と貼り替えの回数が効いてきます。

1枚あたりの費用 × 枚数 = 掲示にかかる費用
客単価 × 粗利率 = 1人あたりの粗利
掲示にかかる費用 ÷ 1人あたりの粗利 = 何人に届けば釣り合うか

客単価を3,000円、粗利率を30%と置きます。3,000 × 0.3 で900。 1人あたりの粗利は900円です。

掲示にかかる費用が18,000円だとします。18,000 ÷ 900 で20。 20人に届けば釣り合う計算になります。 1日に1人ずつなら、20日分にあたる数です。

3,000円、30%、18,000円は、式の動きを見るための仮の置き方です。 自分の店の数字に差し替えてください。 なお、貼り替えの手間はこの式に入っていません。回数が増えるほど、そこが重くなります。

費用を左右するところ

1枚あたりの費用寸法と材で決まります。文面が同じでも、大きくすれば上がります。
枚数道路側に一枚、扉に一枚が下限です。数えた面の分だけ積み上がります。
掲げる期間2週間なら紙で足ります。3か月を超えるなら、色あせにくい材へ。
貼り替えの手間一枚ごと作り直すか、日付だけ差し替えるか。ここで差が開きます。
剥がしたあとの手当てのりが残れば清掃の手間が乗ります。下地を傷めれば直しも乗ります。
貼る位置の高さ手の届く高さなら自分で貼れます。届かない位置は人を呼びます。

三行目と四行目が、作り分けの分かれ目です。 短い告知に長持ちする材を選ぶと、使い切る前に外す日が来ます。 長い告知を紙で貼れば、途中で貼り替える手が要ります。 掲載社が公式サイトで公開している金額は看板の費用に種類別にまとめています。

Step 5

告知が届いたかを、問い合わせの数から測る

増えた数より、減った数のほうが先に動きます。

「いつまで休みますか」の電話を数える

面が答えられていない回数と同じ数です。日付が読めていれば、この電話は減っていきます。数えるのに費用はかかりません。

扉の前で引き返す人を数える

掲げてからの1週間だけ数えます。告知が届いていなければ、休みの日に来て帰る人が減りません。

再び開いた日の来店を、前の週と並べる

告知が届いた人は、開く日を知っています。初日の動きに、いちばん差が出ます。

面ごとに別のあて先を刷る

二次元コードを面ごとに変えます。どの面が読まれたかまで分かれ、次に減らす面を決められます。

貼った日の夕方に10分、外に立つ

数えるのではなく、通る人の目がどこへ向くかを見ます。向いた先と、貼った位置がずれていないかです。

問い合わせが減ることが、届いた印です。電話で聞かれた回数は、面が答えられなかった回数と同じ数になります。

判断のタイミング

貼った当日外から日付が読めるかを見ます。届くかより、読めるかが先です。
1週間終わりの日をたずねる電話が減ったかを見ます。ここが最初に動きます。
掲出の半ば常連に届いたかを見ます。届いていなければ、面を一つ足します。
始まる前日日付の書き換え漏れを探します。古い数字はそこだけ信用を落とします。
外した日元の面がきれいに戻ったかを見ます。跡が残れば、次は材を変えます。

最下段を飛ばさないでください。外した日は、次の告知の材を決める日でもあります。 跡がどれだけ残ったかを見ておくと、同じ失敗を繰り返さずに済みます。

届いていないとき、この順で疑う

  1. 1
    日付が読めるかを疑う

    道路の側に立ち、文面ではなく日付だけを見ます。読めなければ、その一行を大きく刷り直すだけで直ります。

  2. 2
    貼った高さを疑う

    目の高さから外れていないかを見ます。位置を動かすなら、材も文面もそのまま使えます。

  3. 3
    出しはじめた時期を疑う

    来店の間隔より掲出が短ければ、まだ届いていません。次回から前へずらします。

  4. 4
    文の量を疑う

    事情や感謝の文が長いほど、日付が沈みます。四つの項目まで削れるかを見ます。

  5. 5
    面の数を疑う

    扉だけに貼っていないかを確かめます。道路の側から読める面を一つ足します。

  6. 6
    作り替える

    ここまでで動かないときの手です。掛かりが大きいので、順番としては末尾に置きます。

上から順に、掛かりの軽いものが並んでいます。 1番から3番は、外に立つか、次回の日取りを早めるだけで済みます。 刷り直しは末尾に回してください。

Pitfalls

よくある失敗5パターン

どれも、刷る前に気づけば直せます。

失敗何が起きるか直し方
「当分の間」と書いた同じ問い合わせが何度も来る仮の終了日を入れ、変わったら日付の札だけ差し替える
感謝の文を先に長く置いた肝心の日付まで目が届かない日付を上へ動かし、文は下へ回す。並べ替えだけで済む
のりの残る材で貼った外したあとに跡が残り、下地を傷める残りにくい材へ替える。跡は次を貼る前に清掃で落とす
既存の看板を全部隠した営業中の店が、閉めた店に見える隠す面を一つに絞る。店名の面は空けたままにする
外し忘れて掲げ続けた古い日付が残り、店先の表示が信じられなくなる外す日を紙の裏に書き、掲げた当日に予定へ入れておく
Checklist

セルフチェックリスト

刷る前の下書きの段階で使ってください。5つ以上「いいえ」があれば、見直しの余地があります。

  • 何を知らせるかを、休業・移転・閉店・工事のどれか一語で決めた
  • 知らせたい相手が、どれくらいの間隔で前を通るかを数えた
  • その間隔から、出しはじめる日を逆算した
  • 一枚に載せる項目を、何が・いつから・いつまで・その後の四つに絞った
  • 「いつまで」に、仮でも日付を入れた
  • 道路の側と扉の側、どちらの面に掲げるかを決めた
  • 既存の看板のうち、隠す面と空けておく面を分けた
  • 外す日を、貼る前に決めて予定に入れた
  • 貼る材が跡を残さないかを、目立たない場所で試した
  • 掲出できる期間に定めがないかを窓口に確かめた
  • 臨時の休みを当日に貼れる面を、一つ用意した
  • 貼った日の夕方に、外に立って日付が読めるかを見た
FAQ

よくある質問

お知らせの掲示は、何から決めればいいですか?
外す日からです。告知には終わりの日があります。先に外す日を決めると、選ぶ材も、掲げる面も、そこから決まっていきます。
文字はどれくらいの大きさが要りますか?
読ませたい距離を250から500で割った値が目安になります。歩く人に10m先から読ませるなら2cmから4cm、5m先なら1cmから2cmです。書体や明暗差、照明の有無で変わるため、迷うときは大きいほうを選んでください。
いつから出しはじめればいいですか?
知らせたい人が前を通る間隔から逆算します。月に一度来る方に二度読ませたいなら、2か月前からになります。統計ではなく、来店の間隔に読み落としの一回分を足した考え方です。
掲示の期間に決まりはありますか?
一般的に、掲出できる期間に定めがある場合があります。大きさや貼る場所によって扱いが分かれ、条例の内容も地域で異なります。事前に管轄窓口へご確認ください。
すでに貼っていますが、問い合わせが減りません。
はじめに外へ出て、日付だけが読み取れるかを確かめてください。文が長いと、日付が沈みます。位置を上げるか、日付を大きくするところから直せます。
予算が限られる場合、何を優先しますか?
道路の側から読める一枚です。扉に貼った紙は、店の前まで来た人にしか届きません。次に、営業時間の外でも読める位置を選んでください。

まとめ

期間の決まった告知は、次の順序で決めていきます。

1 決める届けたい相手を選び、前を通る間隔から出す日を逆算する。
2 絞る何が・いつから・いつまで・その後。この四つに畳む。
3 押さえる掲げる面と外す日を、貼る前にそろえて決めておく。
4 計算する一枚の費用に枚数を掛け、届く人数で割り戻す。
5 測る問い合わせの減り方を追い、外した面の跡まで見る。

外す日を決めてから、貼る日を決めてください。 終わりのある掲示は、終わり方まで含めて一枚です。 店先に立ち、どの面なら隠せるかを見るところから始まります。

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当ガイドは仲介や紹介を行っていません。ご相談・お見積もりは各社へ直接お願いいたします。
掲げる面がまだ決まっていない段階でも、対応できる掲示物の種類と、 剥がしたあとの面まで引き受けるかは比べられます。 店先の写真と、外す予定の日。この二つがあると、初回のやりとりが短く済みます。