看板集客 / 2026年9月5日 更新 / 読了目安 約9分

横断幕・懸垂幕の作り方
期間から決める5ステップ

布で大きく知らせたい方へ。「どのくらいの期間出すか」「どこまで大きく作るか」 「風で飛ばないか」。 この3つに順番に答えていきます。

5手順期間の決定から効果測定まで
3掛け方横張り・縦垂らし・枠張り
12項目発注前のチェック
この記事でわかること

布の看板が向く4つの用件/ 横に張る・縦に垂らす・枠に張るの違い/ 文字の高さから、読める距離を逆算する計算/ 風で裂けない留め方と、外す条件の決め方/ 掲出期間で生地と費用がどう動くか/ 掲出の前後を比べて効果を測る方法

出す期間が決まると、ほとんどが決まります

横断幕と懸垂幕は、布に印刷した看板です。板より安く、早く、大きく出せます。 そのかわり風に弱く、汚れ、色が抜けます。 だから最初に決めるのは寸法ではなく、いつまで出すかです。

つまずく場所は決まっています。四隅だけで留めて、中央から裂ける。 1枚に複数の用件を入れて、走る車から読まれない。 外す日を決めずに出し、終わった催しの告知が残る。安い生地を長期に使い、半年で白くなる。

期間と用件を決める、寸法と文字を出す、留め方と風を考える、費用を見る、前後で測る。 この順に進めれば、幕の弱点はほとんど避けられます。

Step 1

出す期間と用件を決める

終わりの日が決まっている知らせほど、布が向きます。

期間が決まっている知らせ

開店、周年、季節の催し、工事中の案内。終わりの日が決まっているものほど、幕が向きます。

板では大きすぎて作れない面

建物の高さいっぱいに垂らす、フェンス一面を覆う。布なら軽く、留め具も少なくて済みます。

中身を年に何度か替えたい

同じ場所に、違う内容を出し替える使い方です。取り付け金具を残せば、幕だけ替えられます。

板を出す前の試し

この場所に看板を出して効くのか。幕で数か月試してから、板を決める順序があります。

外す日を、出す日と一緒に決めてください

終わった催しの幕が残っている店を、よく見かけます。 外す作業に手間がかかると、後回しになるためです。 掲出の日と外す日と担当を、同じ紙に書いてください。

Step 2

寸法と文字の大きさを出す

幕の強みは、板では出せない大きな文字が使えることです。

掛け方やり方向いている場面
横に張る建物の前やフェンスに水平に横長の1行。走る車から読ませやすい
縦に垂らす壁や柱に沿って上から下へ縦の文字。遠くから、建物ごと目に入る
枠に張るフレームに固定して自立させる風が抜けない分、足元の重りが要る

文字の高さと読める距離は、比例します。板の看板と同じ考え方です。 幕は面が大きく取れるので、この計算を逆から使えます。

読める距離 = 文字の高さ × 250 〜 500
文字60cm:0.6 × 250 = およそ150m先
文字20cm:0.2 × 250 = およそ50m先

250のほうが安全側の数字です。斜めから見る、雨で視界が悪い、幕がたるんでいる。 現場の条件はすべて読みにくい方向に働きます。 幕は張り方で文字がゆがむ分、板より余裕を取ってください。

載せる用件は1枚に1つです。周年と、営業時間と、電話番号を1枚に入れると、 どれも読めない大きさになります。用件が複数あるなら、幕を分けてください。

※ 書体、生地の色、背景との明暗差、たるみの有無で読める距離は変わります。

Step 3

留め方を決め、風に備える

幕の事故は、ほとんどが留め方から起きます。

四隅だけで留めない中央がふくらみ、生地が裂けます。周囲を等間隔で留めてください。
風抜きを入れるか決める生地に切れ目や穴を入れて、風を逃がす作りがあります。
留める相手が耐えるか幕が飛ぶより先に、フェンスや金具が壊れることがあります。
外す条件を決めておく台風の予報が出たら外す。誰が外すかまで決めてください。
ロープの緩みを見る張った直後は締まっていても、数週間でたるみます。
風が幕を押す力 = 面積に比例し、風速の2乗に比例する
風速が2倍になると、力は 2 × 2 = 4倍

面積を2倍にすると力は2倍ですが、風速が2倍になると力は4倍です。 寸法より、強い風の日にどうするかを先に決めてください。 風抜き(生地に入れる切れ目や穴。風を逃がす作り)を入れる方法もあります。

短い掲出でも、決まりがあることがあります

一定の期間を超えて出す幕や、大きさによっては、屋外広告物として扱われる場合があります。 短い期間の掲出について、別に届出の仕組みを設けている地域もあります。 県の条例が適用される地域と、市が独自の条例を持つ地域があります。
※ 要否は自治体・場所によって異なります。事前に管轄窓口か施工業者にご確認ください。 手続きの流れは屋外広告物の許可ガイドにまとめています。

Step 4

費用を、年あたりで見る

1枚の安さではなく、年に何枚作るかで比べてください。

寸法生地の面積で決まります。縦横どちらを伸ばしても同じです。
生地の種類半年で捨てる前提か、数年ぶら下げるか。耐候性で選び方が変わります。
縁の作りハトメの数、縁の折り返し、補強の有無。裂けにくさに効きます。
取り付け手が届く高さか、高所作業車が要るか。ここが最も動きます。
作り替えの回数内容を年に何度も替えるなら、1枚あたりより年間の合計で見ます。

掲載社が実際に公開している金額は看板の費用に種類別にまとめています。

月に何人来れば釣り合うか

製作と取り付けの費用 ÷ 使う年数 = 年あたりの費用
年あたりの費用 ÷ 12 = 月あたりのコスト
月あたりのコスト ÷ (客単価 × 粗利率) = 月に必要な新規客数

例:3枚を6万円で作り、3年使うとします。60,000 ÷ 3 = 年20,000円。 20,000 ÷ 12 = 月1,667円です。客単価1,000円、粗利率50%の店なら、 1,667 ÷ (1,000 × 0.5) = 3.3 になります。 月に3〜4人、10日に1人の新規客で釣り合う計算です。

幕は、板の看板を出す前の試しにも使えます。 この場所に面を出して効くのかを数か月試し、効いたら板にする。 試すための費用としても、この式で見られます。

Step 5

掲出の前後を比べて、測る

出す日がはっきりしている分、幕は効果を確かめやすい看板です。

掲出の前後で来店数を比べる

幕は出す日がはっきりしています。前後1週間を並べるだけで、差が見えます。

幕に書いた用件だけを数える

「◯周年」と書いたなら、それに触れた客の数を数えます。他の面と混ざりません。

外してみる

1週間だけ外して、数字が落ちるかを見ます。効いているかを確かめる、最も直接の方法です。

遠くから読んでもらう

事情を知らない人に、離れた場所から読んでもらいます。読めない距離が分かります。

1週間だけ外してみる方法が、いちばん確実です。数字が落ちれば、効いていました。

見るタイミング

掲出の初週前の週と来店数を比べます。幕は反応が早く出ます。
1か月色あせ、たるみ、留め具のゆるみを見ます。
3か月見慣れられていないかを見ます。反応が落ちたら内容の替え時です。
半年生地の傷みを確かめ、替えるか外すかを決めます。

反応が無いとき、この順で疑う

  1. 1
    たるんでいないか

    たるんだ幕は文字がゆがみ、読めません。張り直すだけで直ります。

  2. 2
    文字数が多すぎないか

    1枚1用件が上限です。文字を減らすと、その分大きくなります。

  3. 3
    読ませたい距離に対して文字が小さくないか

    離れて読んでもらえば分かります。次に作るときの寸法が決まります。

  4. 4
    出しっぱなしで見慣れられていないか

    3か月を超えたら内容を替えます。同じ場所でも、新しい面として見られます。

  5. 5
    そもそも布で足りる用件か

    ここまで確かめて残ったら、常設の看板に切り替える判断になります。

幕は、常設の面の代わりにはなりません

布は数年で色が抜けます。店名を伝える役目を布に持たせると、 その店は年に一度、名前が薄れていくことになります。 常に出しておくものは板で、期間が決まっているものは布です。 常設の面については壁面看板の作り方で扱っています。

Pitfalls

よくある失敗5パターン

どれも、掲出の前に決めておけば避けられます。

失敗何が起きるか直し方
四隅だけで留めた中央がふくらみ、風で裂ける周囲を等間隔で留め直す。ハトメを足せば済む
1枚に複数の用件を入れた文字が小さくなり、走る車から読めない用件を1つに絞る。残りは別の面に回す
外す日を決めずに出した終わった催しの告知が残り、信用を落とす掲出のときに、外す日と担当を紙に書く
安い生地で長期に使った半年で色が抜け、白っぽくなる掲出期間から生地を選ぶ。短期なら安い生地で足りる
強風の予報でも出したまま幕が飛び、留めた側の金具まで壊す外す風の目安と担当を、掲出前に決めておく
Checklist

セルフチェックリスト

発注の前に使ってください。5つ以上「いいえ」があれば、見直しの余地があります。

  • 出す期間と、外す日を決めた
  • 外す担当者を決めた
  • 1枚に載せる用件を1つに絞った
  • 読ませたい距離をメートルで決めた
  • その距離から、必要な文字の高さを計算した
  • 文字の高さが収まる幕の寸法を出した
  • 周囲を等間隔で留められる作りにした
  • 留める相手(壁・フェンス・金具)が耐えるか確認した
  • 強風のときに外す目安を決めた
  • 掲出する場所が、条例の対象になるか窓口に確かめた
  • 掲出の前後で比べる数字を決めた
  • 掲出期間に見合う生地を選んだ
FAQ

よくある質問

横断幕は、何から決めればいいですか?
出す期間からです。1か月で外すのか、3年ぶら下げるのか。ここで生地も縁の作りも変わります。寸法やデザインは、その後で決まります。
文字の大きさは、どう決めますか?
読ませたい距離の1/250から1/500が目安です。逆に文字の高さから距離を出すこともできます。文字の高さ60cmなら、0.6 × 250 でおよそ150m先が目安になります。
幕にも、手続きは要りますか?
一定の期間を超えて出す場合や、大きさによっては、屋外広告物として扱われることがあります。短い期間の掲出にも決まりを設けている地域があります。管轄の窓口へご確認ください。
効果があったかどうかは、どう判断しますか?
掲出の前後1週間で来店数を比べてください。幕は出す日がはっきりしている分、比較が簡単です。3か月を超えて反応が落ちたら、内容の替え時です。
すでに出している幕を、活かせますか?
活かせます。たるみを取る、留め具を足す、位置を上げ下げする。どれも作り直しにはなりません。まず離れた場所から読めるかを確かめてください。
費用を抑えたい場合、どこを削りますか?
寸法ではなく、生地と取り付けを見直してください。短期の掲出なら、耐候性の高い生地は要りません。手が届く高さに変えられれば、取り付けの費用も下がります。

まとめ

横断幕・懸垂幕は、次の順序で決めていきます。

1 期間と用件外す日を先に決める。1枚に用件は1つ。
2 寸法と文字文字の高さ × 250 で、読める距離が出る。
3 留め方と風周囲を等間隔で留め、外す条件を決めておく。
4 費用1枚の安さでなく、年に何枚作るかで見る。
5 測定掲出の前後1週間を比べる。外してみるのも一手。

布は、期間が決まっている知らせのための道具です。 常に出しておくものに使うと、色が抜けた面が店の顔になります。

幕の製作から取り付けまで頼める業者を探す

当ガイドは仲介や紹介を行っていません。ご相談・お見積もりは各社へ直接お願いいたします。
寸法も生地も決まっていない段階で、掲出期間から生地を提案してくれるかどうかは比べられます。 掛けたい場所の写真と、出したい期間。この2つがあると初回の相談が具体的になります。