看板集客 / 2026年9月8日 更新 / 読了目安 約13分

クリーニング店の看板の作り方
二度の来店で決める5ステップ

これからクリーニング店や洗濯代行の看板を決める方へ。 この商売は、1件の預かりで客が二度来ます。 預ける日と、受け取る日です。 見つけてもらう役目と、日付を間違えさせない役目。看板は、この二つを同時に背負っています。

5手順来店の分け方から測り方まで
21件の預かりで来る回数
12項目発注の前に見る点
この記事でわかること

預けると受け取るで、面の役目がどう分かれるか/ 面ごとに、載せる内容をどこまで削るか/ 取次だけの店と、工場を併設する店の見せ方の違い/ 受付締切と仕上がり日を、ずれさせずに出す方法/ 総額を掲出年数で割り、必要な新規の人数を出す式/ 新規と再来を、別々に数えて効果を見る手順

預けると受け取るで、面の役目が変わる

同じ入口を、同じ人が二度通ります。 ところが二度目に探している情報は、一度目とまったく違います。 一度目は、何の店で何時までか。二度目は、もうできているか、いつ取りに行けるか。

起きやすいのは、次の四つです。 店名だけを大きく出し、何の店か通りに伝わらない。 受付締切を書かず、仕上がりの日で行き違う。 料金を店の奥に貼り、預ける前に金額が分からない。 来店の回数だけを見て、新規が増えたのかどうか判断できない。

来店を分け、面を割り振り、表示の決まりを確かめ、費用を年で割り、新規と再来を別に数える。 この五つを、順に埋めていきます。

無人の24時間店は、別の記事で扱っています

客が自分で洗濯機を回す形の店に、受付締切も仕上がり日もありません。 代わりに、夜の見え方と、中の様子が外から分かるかどうかが中心になります。 そちらはコインランドリーの看板にまとめました。 ここで扱うのは、預かって、洗って、渡す店です。取次だけの店も含みます。

Step 1

二度の来店を分けて考える

面に何を載せるかは、誰がどの用で来るかで決まります。

1件の預かりを、来店2回として数える

預ける日と、受け取る日。同じ人が同じ入口を二度通ります。面は、その二度とも目に入っています。

初めての人と、二度目の人を分ける

初めての人が探すのは業種と営業時間です。受け取りに来た人が探すのは、仕上がり日と受取の時刻です。

どちらの用で来たかを、受付で数える

預かりと引き渡しでは、聞かれることが違います。1週間だけ正の字で残すと、外の面に足りない答えが見えます。

来店の中身を、数で見てみます。 受付の件数に2を掛けると、月に何回入口を通られるかが出ます。

月の受付を100件と置く
100 × 2 = 来店200回/月
うち初めての人の来店を20回と置く
200 - 20 = 180回
180 ÷ 200 = 9割

面が向き合う相手の9割は、すでに店を知っている人です。 100件も20回も仮に置いた数です。自分の受付票で数え直してください。

新規を呼ぶ面だけを厚くすると、残る9割には何も答えていないことになります。 案内だけを増やせば、通りから見つけてもらえません。

来店の場面その人が探すもの面に載せる内容
預けに来る受け付けてもらえるか業種・営業時間・受付締切
受け取りに来る出来上がっているか仕上がり日・定休日・受取の時刻
通りかかる何の店か業種と店名の二つだけ
代行を尋ねるどこまで頼めるか受け付ける範囲を一言で

いちばん下の行は、代行を扱う店だけが一言添えれば足ります。

Step 2

見せる面と、載せる内容を決める

一つの面に全部を詰めると、どれも読まれません。

面は、通りから受付へ近づく順に並んでいます。 近づくほど、書いてよい情報の量が増えます。

届く相手載せる内容
通りに向く面通りかかる人業種と店名。二つまで
入口まわりの面入ろうとする人営業時間・定休日・受付締切
受付の正面預ける人料金の一覧と、日数の数え方
引き渡し台の上受け取る人引換票の出し方と控えの扱い

通りに向く面に載せてよいのは、業種と店名の二つまでです。 営業時間も料金も、そこでは読まれません。 足すのではなく、どの面へ移すかを決める作業になります。 文字をどの高さにするかは、看板の大きさの決め方で寸法の出し方を扱っています。

業態によって、外へ出す内容を変える

取次だけの店は、預かる場所だと伝える

洗う設備がないぶん、外の面を受付の役に寄せます。締切と仕上がり日を、入口の高さで読ませます。

工場を併設する店は、その場で洗えると伝える

急ぎに応じられるなら、そこが他と違う点になります。当日仕上げの可否だけを、面の中で強く出します。

洗濯代行を扱う店は、数え方を先に出す

洗濯代行(衣類をまとめて預かり、洗って返す形)は、点数で数える店と重さで数える店があります。単位が分からないと、客は金額を想像できません。

取次と工場併設では、客が期待する速さが違います。 設備がない店が「当日仕上げ」と出すと、あとで断ることになります。

受付締切と仕上がり日を、ずれさせずに出す

受け取りの行き違いは、締切をまたいだときに起きます。 受付日を0日として、何日後になるかを並べてみます。

締切前に受け付けた場合 0 + 2 = 2日後
締切を過ぎた場合    2 + 1 = 3日後
定休日が間に入る場合  3 + 1 = 4日後
いちばん早い日との差  4 - 2 = 2日

中2日という設定も、締切の位置も、店ごとに違います。 自分の便の時刻に置き換えてください。 ずれを知らないまま来られると、店頭で毎回説明し直すことになります。

締切の時刻、定休日、仕上がりの数え方。この三つを1枚にまとめ、入口の外へ出します。 差し替えられる枠にしておくと、後が楽です。

預かり品の取り違えは、引き渡し台の表示で減らせる

取り違えは、控えの受け渡しがあいまいなときに起きます。 引換票をどこで受け取り、何を持ち帰るのか。台の上に一文で示します。 名前で呼ぶ運用なら、名字が重なる前提で番号も併記します。 中の表示の並べ方は店内の案内表示の作り方にまとめました。

Step 3

表示の義務と許可を確かめる

出す前に確かめると、作り直しが起きません。

この業種には、看板とは別に、店内へ掲げることが求められる表示があります。 デザインを決める前に、載せる義務がある項目を先に押さえてください。

営業者としての届出届出や検査が求められることがある。取次だけの店が対象に入る地域もある。
店内に掲げる表示営業者の氏名や苦情の申し出先などの掲示を求める決まりがある。項目は地域で異なることがある。
料金の見せ方品目ごとの料金を、預ける前に読める位置へ置く。
事故のときの取り扱い賠償に関する基準を、預かる前に示しておく形が一般的。
屋外広告物の許可外へ出す面は、大きさと場所によって許可が要ることがある。
建物の側の基準商業施設や集合住宅の一階では、館や管理組合の基準が先に効く。

外へ出す面は、大きさ、高さ、道からの位置で扱いが変わります。 県の条例が働く地域と、市が独自の決まりを持つ地域があります。 手順は屋外広告物の許可ガイドで扱っています。

項目と様式は、管轄の窓口で確かめる

掲示が求められる項目、書き方、届出の要否は、地域や営業の形で異なることがあります。 取次だけの店の扱いも一様ではありません。 着工の前に、管轄の窓口へご確認ください。
※ このページの記載は一般的な整理です。法令の適用については、必ず窓口と専門家にお確かめください。

休業や移転の知らせは、別の作り方になる

預かり品を抱えたまま休む場合、伝える相手は受け取りに来る客です。 出す時期も置く場所も、ふだんの看板とは変わります。 その形はお知らせの掲示の作り方にまとめてあります。

Step 4

費用と回収ラインを計算する

繰り返し使われる商売なので、1年の単位で見ます。

金額が動くところを押さえる

外へ出す面の数通り、入口、駐車場。面が増えれば作る量も増える。
書き換える頻度料金や締切を貼り替える形か、差し替えできる作りかで変わる。
光らせるかどうか日が落ちてからも開ける店は、光る面か外から当てる照明が要る。
取り付ける位置高い場所や、道へ張り出す位置は、手配が別に要る。
店内の表示の量受付、引き渡し、待つ場所。中の面は数が増えやすい。
掲出する年数総額を月に割るときの分母になる。長いほど月あたりは軽くなる。

料金と締切は、あとで変わります。 差し替えできる作りにしておくと、そのたびに面を作り直さずに済みます。 掲載社が公開している金額は、看板の費用に種類別にまとめました。

総額を、掲出する年数で割る

一式の総額を300,000円、掲出を5年と置く
5 × 12 = 60か月
300,000 ÷ 60 = 月5,000円
5,000 × 12 = 60,000円/年

300,000円は相場ではありません。 割り算の動きを見るために置いた数です。

年に何人の新規で釣り合うかを出す

1回きりの買い物と違い、同じ客が季節ごとに戻ってきます。 1人あたりの1年分の粗利で割ると、必要な人数が出ます。

1回の客単価2,000円、粗利率0.5
2,000 × 0.5 = 1,000円/回
年に4回使うと 1,000 × 4 = 4,000円/人・年
60,000 ÷ 4,000 = 15人/年
15 ÷ 12 = 1.25 → 月に1〜2人の新規で釣り合う

二度来る商売では、必要な新規の人数がここまで小さくなります。 2,000円も、0.5も、年4回も仮の置き方です。 自分の伝票から客単価と粗利率を出し、受付票から利用の回数を数えて入れ替えてください。

年4回が年2回に落ちれば、必要な人数は倍の30人になります。 新しく呼ぶより、来ている人に二度目を思い出させるほうが、面の負担は軽くなります。

Step 5

新規と再来を分けて測る

混ぜて数えると、どちらが動いたのか分かりません。

受付票に、初めてかどうかの欄を一つ足す

印を一つ付けるだけです。月末に数えれば、新規の件数がそのまま出ます。

預かりと引き渡しを、別々に数える

来店の回数で見ると、新規の動きが既存に埋もれます。受付の件数で見れば分かれます。

聞かれた質問を、1週間だけ書き留める

同じ問いが並ぶところに、面の穴があります。締切と仕上がり日は、上位に来やすい欄です。

前年の同じ月と並べる

衣替えの前後で件数が動きます。前の月と比べると、面の効き目と季節が混ざります。

上から順に、手間の軽い方法です。 1番目は、受付票の様式を一度直すだけで終わります。

数えるものと、見る間隔を決める

数えるもの取り方見る間隔
新規の受付件数受付票の初回欄を月末に数える毎月
再来までの日数同じ客の次の受付日から引く3か月ごと
質問の内訳聞かれた内容を1週間だけ残す半年ごと
前年同月との差受付件数を月ごとに並べる1年

再来だけは、短い窓では見えません。 衣替えの山が年に2回あるとすると、周期はこう出ます。

12 ÷ 2 = 6か月

面を替えて1か月で判断すると、季節の動きを効果と読み違えます。 外の面は3か月、再来は半年。この二つの時点で見ます。 日常の洗いを頼む客は、間隔が短くなります。

動かないときは、この順で疑う

  1. 1
    営業時間と定休日が読めるか、道から見る

    入口の高さに答えがなければ、客は入る前に引き返します。紙1枚で直ることがあります。

  2. 2
    受付締切が書いてあるか確かめる

    締切の時刻がないと、仕上がり日を毎回その場で説明し直すことになります。

  3. 3
    仕上がり日を、口ではなく紙で渡す形にする

    耳で聞いた日付は忘れられます。引換票に日付の欄を作れば済みます。

  4. 4
    業種が一目で分かるか、離れて見る

    店名だけの面では、何の店か伝わりません。業種の語を一段足します。

  5. 5
    面の向きと位置を変えられないか調べる

    進む方向に対して面が寝ていないか。角度だけで見え方が変わることがあります。

  6. 6
    作り替えるかどうかを決める

    ここまでで動かないときに考えます。面の作り直しは、いちばん後ろに置きます。

上のほうほど、費用をかけずに試せます。 1番から3番は、紙と手間だけで終わります。 面を替える判断は、六つを踏んだ後です。

Pitfalls

よくある失敗5パターン

どれも、面を作り直さずに手当てできます。

失敗何が起きるか直し方
店名だけを大きく出した何の店か伝わらず、通りかかる人が素通りする業種の語を足す。今ある面の下に一段でよい
受付締切を書いていない締切後の受付で日がずれ、受け取りで行き違う締切の時刻を紙1枚で貼る。定休日も同じ紙に載せる
仕上がり日を口頭だけで伝えた早く来られて二度手間になる引換票に日付の欄を作り、その場で書き入れる
料金を店の奥に貼った預ける前に金額が分からず、聞き返しが増える受付の正面へ移す。位置を変えるだけで済む
来店の回数だけで効果を見た新規が増えても、受け取りの来店に埋もれる受付票の初回欄で、新規だけを別に数える
Checklist

セルフチェックリスト

発注の前に使います。5つ以上「いいえ」があれば、見直す余地があります。

  • 1件の預かりを、来店2回として数えた
  • 預ける人と受け取る人で、知りたいことが違うと確かめた
  • 通りに向く面に、業種の語が入っている
  • 営業時間と定休日を、店の外から読める位置に出した
  • 受付締切の時刻を、面に書いた
  • 仕上がり日の数え方を、掲示で示した
  • 取次だけか工場を併設するかで、外の面の内容を変えた
  • 預かり品の控えを、客が持ち帰る形にした
  • 店内に掲げる表示の項目を、管轄の窓口で確かめた
  • 外へ出す面に許可が要るかどうかを調べた
  • 総額を掲出年数で割り、月あたりの額を出した
  • 新規と再来を、別々に数える形を用意した
FAQ

よくある質問

クリーニング店の看板は、何から決めればいいですか?
来店を二つに分けることからです。預けに来る人と受け取りに来る人では、探している情報が違います。分けたうえで、面ごとに載せる内容を割り振ります。
外の面には、どこまで載せればいいですか?
通りに向く面は、業種と店名の二つまでです。営業時間、定休日、受付締切は入口まわりの面へ分けます。欲張った面ほど、届く項目が減ります。
クリーニングの店で、掲げる必要がある表示はありますか?
店内に掲げるものと、届出にかかわるものの二種類があります。取次だけの店でも対象になる場合があるため、開店前に確かめてください。項目と様式は地域で異なるため、管轄の窓口へご確認ください。
効果は、いつ判断すればいいですか?
外の面は3か月、再来は半年を目安にします。衣替えをはさまないと、戻ってくる客かどうかが見えないためです。前の月ではなく、前年の同じ月と並べてください。
すでに看板がある場合、どこから直しますか?
営業時間と受付締切の表示からです。紙1枚で足りて、受け取りの行き違いが減ります。作り替えを考えるのは、それを試した後です。
予算が限られるとき、何を優先しますか?
入口まわりの一面です。営業時間、定休日、受付締切の三つが収まる大きさがあれば足ります。通りに向く大きな面は、その後で構いません。

まとめ

この業種の看板は、次の順序で決まります。

1 来店を分ける預ける用と受け取る用で、探される情報を書き分ける。
2 面を割り振る通りは業種と店名。入口は時間と締切。受付は料金と日数。
3 表示を確かめる掲げる義務がある項目と、外の面の許可を先に押さえる。
4 費用を計算する総額を掲出年数で割り、1人の年間粗利で必要な人数を出す。
5 分けて測る受付票の初回欄で新規を数え、再来は半年で見る。

看板は、呼ぶ道具であると同時に、日付を伝える道具です。 締切の時刻と定休日を1枚にして入口へ出す。これだけなら、今日から始められます。

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面の数も、載せる内容も、まだ何も決まっていない段階で構いません。 外の面と中の表示を一度に頼めるか、料金や締切の差し替えに応じるか。この二つは比べられます。